GOODDAYS 東京仙人生活

ひっそりと静かに生きる47歳仙人のつぶやき

経済

「安い日本」論の論破と一人当たり購買力平価GDP

世の中は超ギスギスしているのに、個人としてはとても幸せで何の悩みもない毎日を送っていることもあり、このところすっかりノンポリなブログになってしまっていますが、今回は自分の中では長年考えていたこと、かつ、ネット上で誰も書いていないことを述べ…

日本中が震撼した損害保険ジャパン日本興亜のスキーム

実はこのブログは下書きだけしてあってアップしていない内容が相当な数あるのだが、今回は6月末に書いたのにまだアップしてなかった内容に8月のトピックを加筆してアップすることとなる。 このブログは思いついた時にガーっと書き、アップする直前に読み返し…

CではなくBにマネタイズする世相

俺はGoogleにもFacebookにも1円もカネを払ったことがない。 バナー広告から商品を買ったこともない。 前にうちのご主人からiPodをもらって、ものすごく重宝しているけど、俺がAppleにカネを払ったのは、ずっと昔にiTunesで1曲150円の曲を数曲買った程度で、…

ゴーン氏事件は日仏のいびつな資本主義が起こした事件でもある

真のエンターテインメントは現実の世界にあると思っているのだが、日産とゴーン氏の事件は森友文書書き換え事件以来にあれやこれやと議論を呼ぶ、野次馬には興味を引くニュースだ。 果てはトランプ政権陰謀説まで飛び交うぐらいだから、野次馬がいかにこのニ…

消費者にとって現金・カードの話は些事

デフレが続いているためか、賢いためか、日本の消費者はなかなかカネを払いたがらない。 無料牛丼の列に長時間並ぶという本末転倒な行為に出るほどにケチである。 合成の誤謬を起こしてしまっていて、いつになってもデフレ解消の気配が見えない。 現金の発行…

日本経済と労働政策⑨ 飲食業から見た生産性考察

本シリーズ最終回となるが、今回はおまけの回である。 デービッド・アトキンソン氏が指摘するまでもなく、日本の生産性が上がらない理由は、解雇規制が強過ぎることによって産業間の人材の移動が起きず、最低時給が安いことも相まって淘汰されるべき産業がい…

日本経済と労働政策⑧ デービッド・アトキンソン氏の提言と…

今回はむちゃくちゃ長いが、次回はおまけの回となるので、内容的にはクライマックスの回となる。 本シリーズの第2回に「時給1,300円を確実なものとするためには、最低時給を強引に引き上げる方法と、労働需給を逼迫させて人手不足の状況を作り出して時給を上…

日本経済と労働政策⑦ 生産性の比較

日本の生産性は低いと言われるが、今回は生産性について触れる。 生産性は一人当たりのGDPはいくらなのかという数字を見れば比較できるので、一人当たり名目GDPを比べれば簡単にわかるのだが、より公正に比較する方法として、就業1時間当たりの一人当たり購…

日本経済と労働政策⑥ とうとうGDPギャップが埋まった

消費が増えない根本的な理由は、GDPの6割を占める肝心の家計の可処分所得がいつまでも増えないからである。 企業は不況時に人件費を下げずに労働分配率を上げて踏ん張っている代わりに、好況時になると労働分配率を下げて人件費を上げないまま長らく経営して…

日本経済と労働政策⑤ デフレの影響が極端過ぎな日本

GDPは一定期間内に国内で産み出された付加価値の総額であり、主に四半期単位もしくは年単位で算出する。 GDPは生産・支出・分配のどの観点から見た時も同じ金額になるが、これは三面等価の原則といわれ、常に「生産=支出=分配」という式が成り立つというこ…

日本経済と労働政策④ 供給力が必要な途上国と需要が必要な先進国

4回目と5回目は労働政策というところからは一旦外れて、経済全般について触れる。 経済学の大原則だが、自由市場下では需要曲線と供給曲線が一致したところで均衡価格が成立する。 需要と供給の少ないほうの増減に合わせて、取引量やGDPが決まっていく。 一…

日本経済と労働政策③ 移民政策

移民を受け入れてしまうと時給の上昇圧力が挫かれて時給が下がるうえ、短期的にも長期的にも社会不安の原因になりやすいので、日本は移民政策には長らく慎重な立場を取り続けてきた。 先日、日本商工会議所などが外国人労働者の受け入れを強く陳情している件…

日本経済と労働政策② 労働需給の逼迫

今回のシリーズのために先日に別途書いた内容が下記の内容である。ここで述べたのは以下のような内容である。 日本での新卒時の就職は、就“職”ではなく就“社”なので、日本企業においては自らが望むようなキャリアを構成し辛い。 また、キャリアやスキルの細…

日本経済と労働政策① グローバル化の影響

いつもは俺の意見をメモするのに使っている本ブログだが、これから9回にわたって、日本経済と労働政策全般について思うことを書く。 本ブログは適当に書いている回と、ガチで書いている回があり、本シリーズは久々にガチで書くシリーズとなる。 シリーズの途…

リフレ政策の効果と不安について③

日本のインフレ目標が達成して、オーバーシュート型コミットメントをしている通りに十分に状況が安定し、好景気になり、引き締め・利上げの時期に転じた際に本当の問題が起こるとされる。 なお、日銀は出口戦略については「時期尚早」としてコメントをしてい…

リフレ政策の効果と不安について②

これから述べる②と③は誰も読まないかもしれないが、ずいぶんと労力を割いてしまった。 頭で思っていることを具体的に他人が読むに耐えうる文章にするのは大変だなといつも思うが、今回は特にそうで、個人的にはそれがブログを書く最大目的なのでしょうがない…

リフレ政策の効果と不安について①

①の今回はお堅い本題に入る前に、今更ではあるが今一度論点を戻してやわらかめに何故にデフレがいけないのかということについて私見を以下に述べておくこととする。 社会にとって本質的に望ましいのは、自国通貨高・高可処分所得・高成長・イノベーションな…

あらゆる店が団結して現金決済とカード決済の二重料金設定をしたらどうだろうか

潔癖症の俺は現金の不潔さが苦手なので、同じ価格でクレジットカードを使える店と使えない店があったらクレジットカードを使える店を利用すると過去に述べたのだが、世界中があまりに現金撲滅に進んでいる状況を見て、これは課税当局と決済会社にとってあま…

リフレ政策は好き嫌いの問題ではなく、正しいか正しくないかの問題である

政治や政策の軸は好きか嫌いかで考えれば良いと思っているが経済政策は違うと述べた。 安全保障は別として、選択の問題であることが多い政治の問題と違って、経済政策はあまりにも重要過ぎますわな。 そして、マクロ経済や貨幣や金融というもののおもしろさ…

高金利通貨が高くなる説と金利平価説

為替を決定づける要素にはさまざまな要素がある。 金利、インフレ率、景気、経常収支、購買力平価、経済の成熟度、財政債務、財政政策、税制、中央銀行のバランスシートの大きさ、マネタリーベース、マネーストック、政治情勢などなど、ありとあらゆる要素が…

AIの普及のために多くの労働者が不要になる社会を考えてみる

以前、資産課税の時代が来る恐怖という題材で書いた際に、「将来、以下のどちらの社会が到来するか予想がつかない」と述べ、以下の相反する社会を挙げてみた。 少子高齢化のために労働者が不足する社会 AIの普及のために多くの労働者が不要となる社会 今度は…

資産課税の時代が来る恐怖

将来、以下のどちらの社会が到来するか予想がつかない。 少子高齢化のために労働者が不足する社会 AIの普及などのために多くの労働者が不要な社会 世界的には後者の可能性が叫ばれる昨今だが、日本では前者も声高に叫ばれている。 これまでは専業主婦の割合…

売値の設定は商売の原点

少し前に獺祭の蔵元の旭酒造が「お願いです。高く買わないでください。」という広告を出したようだが、確かにそんなに高く卸していないものをどこかで高くで売られていたら腹が立つだろうとは思うものの、百貨店内の店舗ですら高く売っていたというし、希少…

決済について思うことと、仮想通貨のわからなさ

10年以上前に練馬区に住んでいた頃、オーケーストアというとんでもなく安いスーパーがあって使っていたのだが、うちの近くにも来ないかなと思っていたところ、隣の江東区にできていたようで、自転車を20分漕いで買い出しに行った。

定額制について③ 定額制とシェア

定額制に用いられる用語として「○○放題」という言葉があるが、意味を調べた。コトバンクによると以下のような意のようである。 常軌を逸していること。自由勝手にふるまうこと。また、そのさま。放埒(ほうらつ)。 育ちや品位などがいやしいこと。また、そ…

定額制について② 「情弱」が支えるコンテンツ業界

情報弱者を指してそのように言うらしい「情弱」という言葉は好きではないが、今回はこの言葉を使うのが適当だと思うので使う。 もちろん、スマホ代という固定費を渋って、月額3,000円程度で利用できる機会が訪れる半年前までガラケーで通した僕も情弱の一人…

定額制について① 定額制と幸せについて

「定額制」について思ったことを3回に分けて書く。 僕はビュッフェが大好きだったが、40歳になったのを機に行くのを最低限にするようになった。 長所も多いのだが、あまりにも短所が多すぎるからである。 長所には、行く前の高揚感、少しずつ多種類のものを…

企業の内部留保額が増え続けていることについて

読売新聞の2016年8月31日の9面と9月1日の1面・11面に「政府・与党内で内部留保に対する課税論がくすぶっている」という内容の記事があった。 国内企業の内部留保は10年間で約140兆円も増えて約378兆円に達しているらしい。 確かに、人口減に伴って国内市場の…

貯蓄が経済成長にとって最大のブレーキなのである

お金は借金から創造されていく 蓄財をさせずに投資と消費を推進させることによって経済は成長する とにかく使え!GDPギャップを埋めないと豊かにならない 誰かの貯蓄=誰かの借金 日本の国債にはさほど問題はない 直接引き受けはともかく、どんどん金融緩和 …

貿易赤字あれこれ

財務省が9月8日に発表した2014年7月の国際収支統計の報道を見ると相変わらず貿易赤字が拡大の一途を続けていることが伺えるが、購読している読売新聞は貿易赤字拡大の最大の原因を一貫して原子力発電停止による燃料の輸入の増加によるものだと挙げ続けている…