GOODDAYS 東京仙人生活

ひっそりと静かに生きる47歳仙人のつぶやき

今こそGoogleマップ旅行

散歩と家の前のコンビニと週に2度のスーパー以外の外出先のない籠り生活の中で俺は以前以上に趣味のGoogleマップ旅行を楽しんでいる。

特に欧米の美しい街や見知らぬ街を見て歩いていること多い。

37ヵ国を旅していてもまだアメリカ大陸に行ったことがないのだが、カナダに6年住んでいたうちのご主人の賛同が得られずに行けていないだけで、本当はすごく行きたいと思っているということもあり、Googleマップアメリカの街を見て歩くことが多い。

とはいえ、見事に碁盤の目のような街ばかり、かつ、市街地以外はモータリゼーション化された街並みが多いので単調といえば単調なのだが、何せ国土が広いので多様性を楽しむことができる。

しかしながら、我が国と欧米の街並みの美しさの違いにいつも唖然としてしまい、我が国の街並みの景観の醜悪さに悲しい気持ちになるばかりである。

 

もちろん勝手知ったるアジアの都市もランダムに見て回っている。

ダナン・ホイアン・フエには1年前に行ったけど、かれこれ20年以上行けてないサイゴン(ホーチミン)のことが急に気になったとして、サイゴンの様子を見てみてあれこれ考えてみたとする。

Googleマップで街を見て歩きながら以下のようなことを思う。

 

サイゴンの(バックパッカー街の)ファングーラオ通りやデタム通りどうなってるかな?」

「あーこの辺懐かしいな」

「この辺に(バックパッカー御用達旅行会社の)シンカフェがあったはずだけど今はないんだな~」

 

などと懐かしがりつつ、「さて、何をしよう?」と現地に行ったつもりになってやることを頭に思い浮かべてみる。

 

「この辺で激ウマのバインミーを食べて道をぶらぶらして…」

 

そう、大した観光地もないなか、一通りの観光地を見て回った後は、ぶらぶらと無為に歩くこと以外にすることがないというのがアジアの都市での過ごし方の特徴なのだが、現地においてはそれでいいのである。

しかし、におい(匂い?臭い?)や暑さや湿気を感じないままGoogleマップ上で美しくもないアジアの街を見て回り続けるのはちょっと物足りなく思うかもしれない。

 

ヨーロッパの場合は見どころが尋常ではなく数多くあり、一ヵ所一ヵ所の質ですらアジアの名所より格段に高く、街並みも美しいのに対して、宿泊費や食費がそれなりにかかることが多いので、現地ではパフォーマンスを追求せざるを得ないが、Googleマップではそういったことを考えずに心行くまで街歩きを楽しめるので実にすばらしい。

 

話は戻るが、20年以上前のサイゴンのようなアジアの都市の安宿の宿泊費はシングルで500円程度、屋台などでの食費も一食30円程度と激安だったので暇人にとっては金銭的なパフォーマンスを追求する必要がなかった。

また、見どころの数も質も大きく劣るし、街並みも全体の感じだとか雰囲気をつかめさえすればわざわざ隅々を見て歩くような街でもないため、だらだらと無為に過ごすという行為そのものを楽しむのだが、異国から来た若者が街中に一人で立っていると現地の人が次から次に話しかけてくるので暇つぶしには事欠かなかった。

アジアの都市の見どころの質がヨーロッパより劣るだなんて失礼だという意見もあるかもしれないが、これに関しては事実を述べているだけとしか述べようがない。

でも、現地の人とふれ合える度合いはタイム・イズ・マネーの先進国と暇そうなおっさんがそこらに立っている途上国とでは全く違うし、飯もアジアのほうが断然安くて美味い。

20年以上前の東京ではバインミーなんてあまり食べられなかったのだけど、今の東京では750円ぐらい払ってとても美味しいバインミーにありつける。

それでも、当時のサイゴンではその20分の1出せば食べられたので二重に美味く思えたし、腹が溜まるまで立て続けにいくつでも食べられた。

新型コロナウイルスをほぼ抑え込んでいる今のベトナムを途上国と言っては失礼というか、時は過ぎて20年のアジアと今のアジアとでは全く違う風情になってしまったわけで、今や世界中がタイム・イズ・マネーになってしまったし、こっちも若者一人ではなく中年夫婦で歩いているので街の人からあまり話しかけられなくなった。

でも、昨年行ったサマルカンドで街の人が話しかけてくる度合いは本当にすごかったな~。

 

このようにGoogleマップで行ったことのある街を懐かしがって歩くが楽しいのは当然だけど、行ったことがない街を歩くのもすごく楽しい。

そして、Googleマップ旅行をやっていると時間がいくらでも経ってしまうのが泣きどころなのだが、外出自粛中の今の時期であればそれも構わないだろう。

なお、概して先進国ではGoogleマップでの街歩きが楽しめ、途上国ではまだ街歩きが楽しめないようになっているのが残念だが、そのうち楽しめるようになることに期待したい。

 

おまけだけど、以下は、Googleマップで行けない場所の写真である。

 

f:id:gooddays-shumai:20200429194858j:plainサハラ砂漠にあるモロッコのエルフードという街のロバの駐車場へはGoogleマップでは歩いて行けない。ちなみに40度ぐらいの気温だったのだが、それでもロバは写真のようにず~っと動かずに市場に商売に行ったご主人の戻りを健気に待っている

 

f:id:gooddays-shumai:20200429194843j:plainウズベキスタンのヒヴァの街も中世にタイムスリップしたようなすばらしい場所なのに、Googleマップでは歩けない。心地良く抜ける風の気持ち良さも写真ではわからない

 

f:id:gooddays-shumai:20200429194917j:plainチベットのラサのバルコルの夜景。残念というか当然ながら中国国内はGoogleマップで見て歩けないが、チベットでの高山病の辛さが写真ではわからないのはラッキーかも…

 

f:id:gooddays-shumai:20200429194835j:plainギリシャサントリーニ島の場合、車で通れるところならばGoogleマップで歩けるのだが、こういう美味しいところまでは入って行けない

 

新型コロナウイルス禍で使うカネは減るし貯まるわな…

欧米では新型コロナウイルスによる死者が数多く出ているし、原油先物がマイナスをつけたり、金正恩が死にそうなのだかどうなのだかわからんという異常に目まぐるしい日々。

原油先物5月物のチャートなんてリアルタイムで見ていて、原油先物に投資をしていないのに「ぐをを~」っと、胸が絞めつけられるような、見てはいけないものを見ているような気がして深夜にマジで気が動転しましたよ…。

 

でも、大問題である投資の含み損の件を除けば、我が家の暮らしはこのところ何も変わらん。

資産の運用損益のみが全収入の俺はともかく、テレワーク中のうちのご主人の収入も一切変わりがないのだが、外食やお出かけや旅行をできなくなっているため、使うカネは減るばかりだ。

スーパーで買う食材はストレス解消も兼ねて以前より高いものも手に取っているし、コンビニスイーツも大人買いしているが、使わなくなったカネに比べればしれている。

さらに、国は10万円を給付するというが、うちのような家庭にはなんのこっちゃとしか思えぬ。

ハッキリ言って自粛でカネが貯まるだけである。

安倍首相が自宅でくつろぐ体の動画に批判が殺到した件で、「日本で最も責任を背負って多忙なのは安倍さんなのに腹立てるなんて想像力ないものだな…」と俺なんかは思ったが、我が家は地であの動画の通りの生活である。

 

安倍首相は「今回、緊急事態宣言を全国に広げ、すべての国民に協力をお願いする。長期戦も予想される中でウイルスとの戦いを乗り切るためには、何よりも国民との一体感が大切だ。その思いで、全国すべての国民を対象に、一律に一人当たり10万円の給付を行うことを決断した」と述べたのだが、確かに我が家における自粛の影響は外食とお出かけに行けないことであり、それに対する協力金として給付するということなのだろうと思う。

なお、これは年金受給者や生活保護受給者にとっても同じであろう。

でも、こんな俺でも電車に乗って通勤している人に対しては「今どき電車に乗るなんて贅沢な行為をしていてズルい。こっちは乗りたくても一切乗らないようにしているのに…」と思わなくもない。

 

…というわけで、一律10万円給付について「うちなんかに給付してどーすんの?」とも思うのだが、世帯を絞った30万円給付案よりはずっと良いとも思う。

俺は安倍首相がそれまで緩慢だったことを謝らないまま、何のエビデンスもなさそうなのに唐突に休校要請したことで安倍政権の支持を止めたと以前に述べたのだが、30万円給付案を取り下げて一律10万円給付に切り替えたのは良かったと思うし、そのことを素直に詫びたのも良かったと思う。

本当は困っている人をピンポイントで助ける30万円給付案のほうが絶対に効果的なのだが、あれはあまりにも線引きが残酷で、役所の窓口が地獄絵図になることが誰にでも想像でき、かつ、企業の給与操作によっていくらでもごまかせてしまうクソ中のクソ案だった。

完全キャッシュレス社会が実現して政府が国民のカネの流れを把握し、かつ、国民の全口座および資産を国が把握していて、政府が一方的に選定してプッシュ型で振り込んでいくというような管理国家以外では成り立ちようがないプランなのに、このプランを推し進めようとした人々の思慮の浅さに呆れてしまう。

 

ところで政権が決断を迫られ続けている選択は以下のように損得がほぼ一致するトレードオフな選択ばかりなのだが、安倍政権は叩かれまくっている。

 

  • 国民に一律でカネを配るか配らないかという問題は結局は税の配分と財政規律の問題
  • 憲法29条3項に当てはめて休業補償をするか、自粛ロジックで補償しないかという問題も国民が納めた税の使い道の問題
  • 罰則無しの在宅・自粛要請および指示と罰則ありのロックダウンは私権の制限の問題
  • 個人のスマートフォンの位置情報を使った感染者や接触者の行動追跡可否は人権の問題
  • 経済活動制限の緩和と感染の許容もトレードオフの関係にある

 

 トレードオフな選択肢から選択をしているだけなのに政権が批判されまくるのは、国民とのコミュニケーションが下手という問題や、マスコミやSNSによって批判されまくっているからという問題もあるだろうが、結局は安倍政権や国が責任から逃げているように思われたからなのだろうと思う。

俺も安倍政権の残念な意思決定の数々によって日本という国が戦前のような自粛と不謹慎が支配する道徳統治国家に戻ってしまったことに心の底から愕然としている。

こんなに心がすさんだ国になってしまうのならば増税されたほうがマシだと思うぐらいに残念である。

 

トレードオフな選択肢に対して、感染者数・死者数という数値と、GDP・倒産数・自殺者数といった経済関連の数値はリアルな成績として評価するべきであろうと思われる部分で、こちらに関しては日本はかなり善戦しているのだが、トレードオフな選択を続ける中で安倍政権が見せてしまった頼りないイメージのせいもあって、演説上手な欧米諸国の国々のリーダーの評価のほうが高い。

台湾を評価するのであればともかく、ニューヨーク在住の日本人のクオモ絶賛、メルケル絶賛、北欧出羽守、「私が住んでいる国はこんなに補償が手厚い」自慢がネット上に溢れている。

また、兵役義務がある臨戦態勢の国で、個人の位置データを国家がいとも簡単にあのように使えてしまう韓国とその真逆の日本を比べるのもフェアではない。

あれほど首相が評価されているニュージーランドの死者数はロックダウンしても349,000人に1人なのに、日本はそこそこ経済を回しても本日の時点では428,400人に1人しか亡くなっておらず、これも現時点では日本のほうが優秀である(もちろん、政府権限の強さが日本とは全く違うので今後はどうなるかわからない)。

死にそうになりながら保険所に電話してもいつまでも電話がつながらない、つながってもPCR検査をしてくれない、検査が決まっても何日も待たされるだとか、救急車呼んでも病院に運ばれるまで何時間もたらい回しに遭うなどというような保健所や医療機関の逼迫ぶりや機能の補充の緩慢さを見ていると「終わってんな~」と思わなくもないが、結果だけで見ると何故か優秀なのである。

「死者ゼロ」のベトナムカンボジアラオスのような“奇跡”の国もあるが、まあ、日本は結果では優秀だといえるのである。

 

俺は長らく日本のガンは空論極まりない憲法9条精神と前から述べ続けているが、この精神が物語っているように、日本という国にはプランBがないというか、原理原則性に弱いというか、やることが行き当たりばったりで逐次投入的というか、そういったところに根本的な問題があると新型コロナウイルス禍においてもこれでもかと思い知らされている次第である。

 

f:id:gooddays-shumai:20200422191738j:plain昨日届いた「アベノマスク」だが、こんなどーでもいいような政策を叩くのはかなり野暮だと思う。でも、やっぱり俺の顔には小さかった…