これまで幾度となく考えては「メリットもわかるが、2つあるデメリットがあまりにも大きい」という結論を出し続けてきたことなのだが、「一生に一度ぐらいクルマを持ってもいいじゃん!一度持って嫌になったら売ってしまえばいいじゃん!」とある時に急に吹っ切れて瞬間的に車を持とうと決めた。
決めたからには即座に行動に移し、今は近日中に納車されるのを待っている状況にある。
都心に住んで車を持つデメリットのひとつは駐車場代だ。
購入費や維持費に関しては前から許容できていたのだが、「駐車場代だけは無理!」と思い続けてきた。
マンションの駐車料金は月に3万円弱で、「置いとくだけで日に1,000円か~。乗らない日が続いたら多分発狂するからやめとこ…」と理性で抑えてきたのだが、思いつき的な狂気によって一瞬で一線を突破しちゃうことってこの歳になってもあるものなんすね…。
もうひとつのデメリットは、都心ではほぼ駐車できないので、日常用としてほとんど使えないということである。
これはあまりにも大きい要素である。
うちの最寄りのコインパーキングの料金ですら30分600円という狂気の料金なのだが、どこもかしこもこういった感じなので、俺のような貧乏性の人間には実質的に駐車が不可能となってしまう。
というか、そもそも東京の都会の店舗には基本的に駐車場がない。
街中で無料で駐車できる場所なんてショッピングモールやホームセンターの駐車場(しかも、買い物をした場合)ぐらいしかなく、他は車を停められたとしても路肩にちょっと停車するぐらいで、高い駐車場に駐車して車から離れるということはあまり考えられない。
パーキングメーターは1時間300円なので許容できるが、そうそう空いていなかったりする。
というわけで、都心で車を持つ人の唯一の日常的な利用用途は送迎のためということになると思うのだが、俺には送迎に使う予定が全くない。
この無職仙人がサラリーマンの妻の送り迎えをしても良いのかもしれないが、都バスが家の近くから妻の勤務地のすぐ近くまで運んでくれるのでそんな必要がないし、東京駅近辺に停車して送迎するのは社会的に迷惑だし、そもそも妻の帰宅時間には俺は夕食を作っている。
というわけで、都心部におけるマイカーというのは、半径30分から1時間程度の同心円状に広がっている東京の都会を抜けるまで強制的に走り続けなくてはならない拷問的なシロモノで、普通に考えると100回考えて100回とも「レンタカーかシェアカーがベスト」という結論に達する。
しかも俺は「一戸建てに住んで車を使う郊外の生活はエコからほど遠いエネルギー大量消費型ライフスタイルで、大都会のマンションに住んで電車を使ってたくさん歩く生活はエコでヘルシーだ!」「中央区の面積の30%が道路でその大半は車道。車道マジで邪魔!」「車への過度な優遇を止め、車の侵入禁止エリアを増やしつつ、車が走る車線を減らして自転車専用レーンにして、ウォーカブルでヘルシーな街にするべき!」「自転車にとって危険なので路肩のほとんどは駐停車禁止にしろ!」「できるだけ早く自動運転タクシーが発達して自家用車と膨大な駐車場が必要で無くなる社会に移行するべき!」「車やガソリンにもっともっと課税するべき!補助金とかマジでふざけるな!」とうそぶいていたのに、ちゃぶ台をひっくり返すように車を持つという暴挙に出てしまうことにしたので、自分のなかでは結構気まずい。
まさしく、狂気による暴挙であり、矛盾と言行不一致の極致と自己認識している。
今でも日に3回は「とうとうやっちまったな…」「ずっと続けてきたエコな仙人生活から完全脱却して大量消費型人間に堕落することになるな…」「持ったはいいけどほとんど乗らなかったらどうすんの?」「いや、この散策王は郊外を散策するために乗りまくるはず!」などとあれこれ自問自答しつつもクルマが届くのを楽しみにしているところである。
「もう買っちゃうぞ!」と決めたのが9月の中頃で、そこからは一気にあれこれ調べて車種の選定をしたり、ディーラーに行って試乗したりした。
もし仮にクルマを持つことがあったら、「認定中古車の上位グレード車にしよう」「ガソリン車ではなくハイブリッド車かEV車にしよう」「カーナビは時代遅れ。Android Autoのほうがベター」などと尖ったことを思っていたのだが、いざ初めて車を持つとなると「新車がいいな。今回はガソリン車でいいや。カーナビもつけちゃうか…」と冒険を避けた選択をしちゃうものなんすね…(EVはマンションの駐車場にポートがないのでそもそも無理だった。Android Autoはスマホとの連携が必要になるので止めた)。
以下、車種の選定について。
「年間35万円近くの駐車場代を考えると、長期的には車本体より駐車場のほうが高くつくのだから、多少高かろうが安かろうがどっちでもええだろ…」と思ったのだが、運転や駐車があまり得意でないことと、最大でも2人でしか乗らないことを考えると、コンパクトカーか軽自動車しか考えられなかった。
そして、どれにしようかと悩んでいたのだが、マンションの機械式駐車場の高さ制限が155cmしかないことがわかったので、選択肢が一気に3割ぐらいに減った。
スズキのクロスビーやジムニーやハスラーなんかいいなと思っていたのだが、高さ制限で全く無理ということになった。
そして、高さ155cm以下の日本車をデザインだけで選ぶとどうしてもスズキの軽自動車のラパンLCになってしまうのでこれを第1候補とした。
国産メーカーの全車種をチェックしたのだが、個人的にスズキ車のデザインが好きだということがわかった。
第2候補はこれまたスズキのコンパクトカーのスイフトとした。
これまで実家の車やレンタカーを借りた際に記録していただけで、プリウス、パッソ、クラウン、ニュービートル、ミニクーパー、エクリプスクロス、エルグランド、アクア、ヤリス、カローラ、スイフト、デミオ、ルーミー、トール、デリカD:2、ロッキー、ミラージュ、コルト、ミラココア、デイズ、ワゴンR、N-BOXなどを運転してきたのだが(昔の職場では10人乗りハイエースとか2トントラックとかも…)、個人的にとても乗りやすいし、デザインも良いという感想を持ったのがスイフトだったからである。
この2台をスズキのディーラーで試乗して、「明らかにスイフトのほうが走りはいいな。長距離走ってこれは良いと思ったスイフトを選ぶのが正解だな」と思ったのだが、モノを買う際に常に機能よりデザインを重視する俺としてはこれまた狂気でラパンLCを直観的に選んでしまった。
外装に関してはスイフトでもいいかなと思ったのだが、内装の差が大きすぎた。
なお、乗る前からこの2車種に絞れたため、他のメーカーの車は試乗すらしていない。
デザインが良ければ機能が多少劣っても愛着が湧く…というのが俺の経験則なのだが、クルマに関しては機能こそが重要だと思うのだけど、そこは日本車ならどれでも大丈夫に違いないと信じることにした。
なお、先日の和歌山旅行でも軽自動車のデイズに乗ったが、軽自動車で長距離を走ると疲れるとかそういう感想を持ったことはないし、機能面にも満足したのだが、昨年、蓼科に行った際にSUVのエクリプスクロスに乗った際には「デカくて燃費の悪いSUVに乗ることに何のメリットがあるのかさっぱりわからん」と思った。
購入までの道のり、納車されてからの感想などは後日述べる。
というわけで、今は首を長~くして納車を待っているところなのである。
この感覚は中古マンションを買って理想のリノベーションして入居するまでに味わった感覚に似ているのだが、あの時ほどではないにせよ、なかなか楽しいもので、「この感覚を味わえただけでも買った甲斐があったかも…」と今は思うことにする。
先日の総選挙は驚き?の結果だったが、少数政党がキャスティングボードを握ることで政治が停滞する昔のパターンに戻ったともいえる。
とはいえ、キャスティングボードを国民民主党と日本維新の会という建設的な政党が持ったのは不幸中の幸いだった(個人的に国民民主党のバラマキ路線は好きではないが、補助金行政の自民党よりはマシ)。
これまで、与党が過半数割れした際には社会党だの新党さきがけだの自由党だのがキャスティングボードを握って政権を振り回してイラっとさせてきたけど、今回はあれよりマシ。
どちらかが連立内閣に入ったら片方は与党に飲み込まれ、片方は無力野党化して双方が負け、どちらも入らなかったら政策ごとに条件闘争ができるわけで双方が勝ちという典型的なゲーム理論の様相だが、囚人のジレンマなどと違って解が明白である。
まあ、国民民主党はトリガー条項、維新は政治資金制度改革関連で岸田政権にこっ酷い騙し討ちに遭って、国民民主党は決裂、維新にいたっては激怒していたので間違うことはないでしょう…。
話は戻って、過去に何度も何度もクルマを持たないほうがベターと結論づけてきた件については、読んでいただかなくて大丈夫だが、以下の回で述べている。
車がないと酷暑の夏に全く外に出られなくなってしまって「真夏ストレス」が溜まりまくってしまうので、たまに高原に逃げる必要があると過去に何度か述べている件については、読んでいただかなくて大丈夫だが、以下の回で述べている。
都心に住むメリットは大いにあるが、郊外に住む人々が得ている享受している車による移動の自由さをうらやましがっている件については、読んでいただかなくて大丈夫だが、以下の回で述べている。
【2024年12月1日追記】
こちらに続きを書きました。
10月26日。毎年恒例の日比谷ガーデニングショーへ
10月30日。天王洲アイルにて。今年の10月は本当に晴れ間が少なかった
ちょうどこの日に高輪ゲートウェイシティが2025年3月27日に街びらきすると発表されたが、この辺りの棟は2026年春に完成するものと思われる
10月31日。新宿御苑にて。晴れの予報だったが、この日もスカッとは晴れなかった
新宿御苑の温室はものすごく充実していてすばらしい