GOODDAYS 東京仙人生活

ひっそりと静かに生きる47歳仙人のつぶやき

GOODROOMS, GOODDAYS② 構想を練って業者を探す

不動産の購入や交渉云々については、前回に紹介した通り、別の回に述べているため、今回は触れないが、居住中の物件を軽くリフォームして引き渡してくれる予定だったものを、現況での引き渡しにしてもらった。

もちろんその分のリフォーム費用を値引きしてもらった上で取引価格の交渉をしたのだが、隅田川沿いの希少物件であっただけに本当にタフな交渉だった。

東日本大震災があって間もない時期だったので、売主に「地震の時はどうでしたか?」と聞いたら、「免振だったからそんなに揺れなかったですね~」と表情を崩さずに首を傾げながら言っていたが、今後もスーパー堤防&免振建築という強みが発揮されることを願うのみである。

 

立地・周辺環境・眺望・北西と南東に窓がある点といったファクターでは抜きんでていた物件なのだが、下の写真の通り、内見させてもらった際に売主の部屋に結構な生活感があったために、他の内見者にとっては輝く宝石的な物件のように見えなかったかも…と思えるのがとてもラッキーだったのだが、こちらはスケルトンにしてからリノベーションをしたいので、生活感のある部屋がとてもありがたかった。

 

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生活感のある部屋

 

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引き渡し時でスケルトンにする前の状況

 

そして、ここから躯体のみにしてからのリノベーションをしたのだが、500万円程度で考えていたのだけど、あれこれ欲張るうちに700万円かかった。

この700万円は俺のワガママを実現するための費用である。

大きな価格のものを購入する時には100万円程度の単位を小さく見てしまいがちなのだが、100万円という金額は毎月1万円ずつ節約してもそれを埋め合わせるのに8年間かかる金額であり、また、小さい節約を積み重ねて100万円分を節約することを考えると途方もない金額に思える金額なのでリテラシーとして侮ってはいけないと思いつつ、大いなる野望の実現のためには妥協をしなかった。

それにしても700万円という金額は月に1万円積み立てて、利子を考慮しない場合に58年かかって貯まる額であり、なかなか勇気がいった。

 

なお、売買契約から先方が退去するまでにかなりの時間があったために、月島で賃貸していた住宅と家賃をそれほどかぶらせることなく、ゆっくりとリノベーションの構想を練ったり、業者を探し、設計や工事について話し合う時間を取れたのは運が良かった。

 

リノベーションにあたっては当然ながら複数社から見積もりを取ったのだが、こちらの要望と図面を渡して、完成図面イメージレベルで提案をしてもらったのはB社とY社とオフィス・エコーさんだった。

それぞれ得意とする感覚やセンスがあるのだが、我が家と圧倒的に感覚が近く、他社と比べて「あれっ?」と思うぐらいにハイスペックかつ良心的な金額を提示してきたのがオフィス・エコーさんだったのでお願いすることにした。

他社はコスト削減のために、床の材質の単価を落としたり、片方の部屋を絨毯にしたり、ペンキでなく壁紙にするなどテイストを変えてみてはどうかと提案してきたのだが、オフィス・エコーさんでは全体を同じテイストで仕上げ、かつ、高単価の無垢のウォールナットとつや消しペンキ塗りで全体を覆うこちらの提案を通してくれた。

特に圧巻だったのが、造作してもらう洗面所・棚・机・キッチンのテイストを同じにしたいとこちらの要望を組んでそれを理想的な形で実現してくれたことと、廉価なIKEAの什器をベースにして市販のキッチンよりも廉価でオリジナルのキッチンを造作してくれたことで、施工会社ではなく設計会社の江本社長ご自身が「IKEAのキッチンを自分で組み立ててみたかったんですよ~」と言って、自転車でうちに通って施工する職人さんに混ざって汗を流しながらキッチンを組み立ててくれたことである。

次回以降に触れるが、おかげで、流し・棚・食洗器・ガスコンロ・オーブンレンジ・換気扇の全てが違うメーカーのものなのに、驚くほどの一体感を持つキッチンとなった。

 

なお、元々は2LDKの部屋だったのだが、風呂と洗面所の位置を入れ替え、大きめのウォークインクローゼットを設ける代わりに、1LDKにすることとして、将来に子供が生まれて個室が必要になったら寝室を分割しようと考えたのだが、結局、子供は持たない人生になりそうなのでこれからもずっとそのままにする予定である。

住宅価格の高い都心で70㎡を超える物件を購入すると随分と高額になってしまうので、我が家は70㎡弱の広さの物件を購入したのだが、この広さは二人で住むには十分な広さであるものの、家族が増えると手狭になりそうな気もするなあと思っていたのだが、そういった心配をする必要性もなくなった。

また、給湯器を別の場所に動かして、回遊性のある間取りにしたのだが、おかげで、空気が窓から反対の窓に流れるようになった。

次回はパーツの選定などについて述べる。

 

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解体工事後、スケルトンになった部屋

 

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リノベーションの序盤の様子

 

gooddays.hatenablog.jp

 

GOODROOMS, GOODDAYS① 理想の居住空間への強い憧れ

我が家のリノベーションとインテリアの詳細について少しずつ述べていくことにするが、複数回にわたるシリーズとなる。

リノベーションをしたのは7年も前の話となる。

 

俺は、持ち家が持ったほうが良いか、借りたほうが良いかを損得勘定で悩むぐらいなら絶対に借りるべきだと思う。

人生はいつ何があるかわからないので、リスクはできるだけ小さくしておいたほうが良いと思うからだ。

また、低金利とはいえ、今は住宅の価格自体が高いと思うし、日本の人口が減っていくことを考えると、都心でもない限りは長期的に家の価格は下がると思うし、マンションの修繕管理費や建て替えの問題が顕在化していくであろうことを考えると、なおさらである。

もうしばらくしたら、新築マンションのデベロッパーや戸建て住宅の営業マンが断末魔の叫びをあげ始めるだろうと思う。

 

gooddays.hatenablog.jp

 

もちろん、フィナンシャルプランナー的な観点も必要だが、「絶対に自分が住みたい空間に住みたい!」「自分の人生にとってそれは決定的に大切」っていう執念と優先順位の高さがあるならば家を持つのはすばらしい選択肢になり得るとも思う。

そして、その執念を抑えきれないのならば、とことん理想を追求しないともったいないし、自分の理想とする家に住むことは、俺にとっては執念を燃やすぐらいに大切なことであった。

 

とはいえ、もし、新築マンションのモデルルームを見て、人が手掛けた安普請の内装をいいと思う程度のこだわりならば賃貸にしたほうが良いのではないかと俺は思う。

例えば、下の写真は俺が前に泊まったハワイのコンドミニアムの部屋だが、この程度の部屋で許せるのであれば賃貸で十分だろうと思うのである。

 

ハワイのコンドミニアムの部屋

 

そういうわけで、俺の居住空間購入基準には新築マンションと新築の建て売りという選択肢はそもそもなく、中古マンションか中古戸建をリノベーションするか、新築戸建てを注文して建てるかということになったのだが、都心に住むことを考えると、必然的に中古マンションという選択になった。

 

俺は7年前に買った今の住まいにすごく満足しているが、「ELLE DECOR」「Casa BRUTUS」「BRUTUS」「pen」「Lightning」「CREA Traveller」「MODERN LIVING」「I'm home」を毎号チェックしていたぐらいに居住空間というものに興味がある。

もし、今後、俺が家を住み替えるならば、どこかの風光明媚な格安中古別荘を買って、「BRUTUS」の「居住空間」特集に載っているような極端な家にセルフリフォームをして隠居するぐらいだろうなと思う。

 

理想の空間に憧れるきっかけは人それぞれだと思うが、俺は旅がきっかけだったかと思う。

異国を旅した際にえもいわれぬときめき空間に出会い、そういった空間に対する憧れの想いは強まる。

以下はそういった空間の一例だが、こういった想いが理想の家に住みたいという願望を強め、それを実現させるためのステップを踏ませるわけである。

 

チベットのラサの拉薩剛堅飯店のロビー

 

ラマダンの時期のため、ほぼ貸し切り状態だったモロッコのフェズのリヤド

 

フェズのリヤド、ラ・メゾン・ブルー&スパの客室は3つの部屋で構成されていた

 

サントリーニ島のヴィラ

 

バリ島のラマヤナスイーツ&リゾート

 

世界にはうっとりする空間がたくさんあるが、身体は一つだし、住む家をたくさん持つほどの財力も移動手段もないわけで、実際に自分が住む家は飽きがこないベーシックさを持った家にする必要があるが、現実的な選択肢を考えると以下のようなイメージが参考になるだろうか…。

 

コペンハーゲンの小さなホテルのロビー

 

そのホテルの部屋はザ・北欧な部屋

 

ポーランドクラクフの屋根裏の部屋は寝転んだ真上に青空が見えて興奮

 

バンコクコンラッド

 

上海のザ・ポートマン・リッツ・カールトン

 

グアムのウェスティン

 

例えば、高級ホテルの真似をするだけでも高級ホテルにいるような気になれると思うのだが、このようにあれこれ考えて、「もし、マンションを購入して自分の好きな内装にするのならばどういった部屋にするか」という作戦を練ったわけである。

俺の場合は、何度もタイに滞在した経験で、ファンの風の気持ち良さに衝撃を受けて、ファンは外せないだろうだとか、俺は火が好きだけど東京で薪ストーブは無理だからランプとローソクで我慢しようだとか、壁紙よりはコンクリート面につや消しペンキがいいだとか、いろんな着想を深めていった。

床に関しても高級ホテルのようにリッチな絨毯もいいなあと思いつつも、俺はカリフォルニア風に古材を主張し、うちのご主人は断然ウォールナットを主張したが、実際は後者で押し通された。

 

また、サントリーニ島やバリ島に恋焦がれるのは仕方ないにせよ、せっかく理想の空間で生活できるのならば、カフェやホテルに行く意味を感じないぐらいの部屋にするべきだし、毎日きちんとルームメイキングされた部屋に住みたいとも思った。

俺の家に遊びに来た人は皆「全然生活感がない!」と連呼するが、俺はそれを褒め言葉だと思うようにしているし、その原則を崩さないように生活している。

 

以下はそれを実現していく上での俺の考え方なのだが、気になるものがあれば参照いただければと思う。

 

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また、モノに対して俺が行きついた考えは以下のトピックのような感じだが、気になるものがあれば参照いただければと思う。

 

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そして、今シリーズでは不動産の購入履歴という内容では扱わないのだが、そういった視点での俺の行動や考えは以下の回に述べている。

 

gooddays.hatenablog.jp

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次回は、我が家のリノベーションについて述べる。

 

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リノベーション直後の我が家

 

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