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企業の内部留保額が増え続けていることについて

読売新聞の2016年8月31日の9面と9月1日の1面・11面に「政府・与党内で内部留保に対する課税論がくすぶっている」という内容の記事があった。
国内企業の内部留保は10年間で約140兆円も増えて約378兆円に達しているらしい。

確かに、人口減に伴って国内市場の縮小が余儀なくされるなかにおいて国内企業が生き残って行くために、海外進出したり、海外企業を買収することによって投資利益を上げたりすることは賢明な道である。
実際に国内企業による海外企業買収は盛んに行われている。
しかし、企業が利益を配当や企業買収や設備投資や賃上げに回さずにこのように溜めこんでしまえば経済は必ず停滞するのも事実である。
そして、これは未来への備えとはいえ、経営者の怠慢であるとも言えなくはない。
 
企業の内部留保批判はしんぶん赤旗などが得意とする論調で、同紙と同じ論調では僕は意見を述べたくないのだが、本来はカネを借りて成り立つ存在である企業がカネを借りなくなれば金融と経済が縮小するというのはどう考えても真理なのである。
 
家計負債+企業負債+一般政府負債+海外資産=家計資産+企業資産+一般政府資産+海外負債=誰かのカネは誰かの借金
 
という等式が成り立つ以上(この件については今年の2月6日の当ブログに一気に書き上げたので詳細は今回は書かない)、企業がカネを溜めこむということは経済全体にとっては大きくマイナスに働くのである。
 
誰かが借金をしなければ信用創造が起きず、カネが世の中に流れないわけで、企業がカネを溜めこんでいてはマイナス金利にしてもカネを借りないのだからカネが世の中に回らず、使われもせず、家計にも入ってこず、縮小するのである。
それを防ぎ、需要を作り出すために唯一湯水のようにカネを使い続けているのが国と地方公共団体であり、その顛末が、先の等式における国や地方公共団体の収支の尋常ではない赤字の累積となっているのである。
 
読売新聞の同記事によると内部留保への課税は韓国などが実施しているらしい。
法人税を払った後に再度課税をすることは二重課税になるという批判があり、また、同記事において「日本商工会議所の三村明夫会頭は『一生懸命努力をして、収益を上げようとする企業のやる気を失わせ、経済原則に反する』と述べ」とあるが、個人的にはもはや、課税の原理原則云々というのはあるのだろうが、内部留保や個人金融資産に課税でもしない限り本質的には日本経済を上向かせられないのではないかとは思う。
 
経済を上向かせるにはとにかくカネを溜めさせず使わせれば良いのだから、①企業の内部留保への課税、②累進課税の強化、③資産課税の強化、④貯蓄を不要と思わせるほどの年金の信頼性の強化(これは低税率の日本では無理だろうが)、⑤毎年1%ずつ消費税を上げて消費を前倒しさせる、などといった劇的な策の一つでも行えば景気は上向くということは安倍政権もわかっているのだろうが(それを行うことで海外に富が流出するのを防ぐ策まではわかりませんが)、アベノミクスで行っているような刺激の小さな策では本質的には景気は上向かないのである(劇薬中の劇薬である政府紙幣だとか日銀の国債直接買い取りにまで踏み込めばまた違ったことになるだろうが)。
 
しんぶん赤旗などとは違う論調で内部留保への課税の賛成意見を個人的に述べておきたい。
まあ、いずれにせよ、国や地方公共団体の累積赤字はいずれは企業と家計から徴税されることになるのだけど。