今回はあまりきれいな内容ではないので、食事前の方は読まないでください。
先日、茨城県南部を旅行した。
最初の目的地は千葉県内で、野田市の関宿(せきやど)に行った。
東京都中央区から関宿に行くのには高速道路を使うほうが時間的に早いし、そのほうが一般的だと思うのだが、たまには国道4号沿いに下道を走ってみるのも興味深かろうと思って走った。
都心から足立区の途中までは通り沿いにマンションやオフィスビルが立ち並び、その中には低層階に店舗がある建物もあるといった感じの風景だった。
徒歩と電車の利用を前提とした都市の風景である。
そして、足立区北部に入るとロードサイド型の店舗が並びだし、埼玉県に入ると沿線のほとんどがロードサイド型の店舗で占められるようになった。
春日部市の国道16号との交差点あたりからは周囲が田園風景に変わっていった。
そしてそこで驚く光景を目にした。
国道4号の中央分離帯が広めで荒れ放題の草地になっているのと、周囲が田園で見ている人がいないせいか、中央分離帯の中や左側の路側にずっとゴミが捨てられまくっていて、この光景が途切れることなく続いていたのである。
そして、そのゴミの中に、茶色い液体が入ったペットボトルが信じられないほど多く捨てられていたので、天気も気候も良いのにすっかり気が滅入った。
このペットボトルには間違いなく小便が入っており、俗語的には「ションペット」と呼ばれているものなのだが、俺が「ションペット、ションペット」と連呼し、舌打ちしながら「マジで人間のクズの所業」「捨てた奴は死刑!」としつこいので、そのうち妻が「その単語聞きたくない」と言って不機嫌になる始末だった。
先日、隅田川のテラスを散歩がてら、住んでいるマンション前の堤防に捨てられた弁当ガラと吸い殻を回収したのだが、ゴミのポイ捨てと美しい環境を汚す者を心底憎む俺にとって、ションペット投棄者はもはや詐欺師や殺人犯と同じぐらいに腹が立つ。
なので、この周辺の住民はどれほどに怒っておられるのだろうと思うと本当に心が痛むのだが、俺には春日部市以北の国道4号を日々走る生活を送るのはマジで無理である。
慣れる人は慣れるのかもしれないが、俺には慣れない自信がある。
この道を走るたびに気が滅入るというか気が狂うと思うので、どうしてもこの辺りを走る必要性に迫られたら並走する広域農道を走ると思う。
決めつけてはいけないのだけど、俺はションペットを捨てているのはトラックドライバーだろうと勝手に思っている。
確かにトラック運転の労働は過酷だとわかっているし、ほとんどのトラック運転手はきちんとやってらっしゃるとわかっているのだが、一部の不届き者のせいで、トラック運転手に対して暖かい視線を向けることができないというか、ハッキリ言って敵視に近い冷ややかな視線を向けてしまう。
ションペット監視カメラをつけて、発覚1件につき1,000万円以上の罰金を取り、発注会社も含めて業務停止というぐらいにしてもらわないと個人的には気が済まない。
本当は投棄者をガチで死刑にして欲しいのだが、最低でもこれぐらいはやって欲しい(量刑相場的に無理だろうけど…)。
とはいえ、トラック専用の道の駅の整備は全国的にやったほうがいいのにな、安い土地だけを狙って作れば費用もかからんだろうにとは常々思う。
4月に宮崎に帰郷していた時はこんな光景は全く見なかったのだけど、首都圏の幹線道路のあまり人目につかないところには投棄ゴミやションペットが出現する。
神奈川県箱根町と静岡県三島市を結ぶ国道1号沿いでも大量のションペットを目にした。
両方とも高速道路料金を渋って下道を走るトラックドライバーが投棄したのだろうと想像するが、春日部市や三島市の住民は被害者であって全く悪くないのだけど、個人的にはこれらの国道を使って春日部や三島に行きたくないと心の底から思ってしまう。
ちなみに、春日部はともかく、三島は水に恵まれた実に魅力的な街で住んでみたいと思ったことがある。
話は行きから帰りの話に変わるのだが、帰りも茨城県牛久市から中央区まで国道6号沿いに帰った。
牛久から都内に至る千葉県内の国道6号は途切れることなくずっとロードサイド型の店舗が並んでいたのでションペットは目にしなかった。
俺は地方出身者でいまだに訛りも取れない田舎者なので、都会人として地方をディスるわけではないのだけど、日本中を埋め尽くす画一的なロードサイド型店舗が並ぶ道路の光景の醜悪さには通るたびに嫌な気持ちになる。
地方を走っていて山や海や田園を眺める時には心から安らぐし、東京に住んでいると無性にこうした景色に恋い焦がれてしまうのだが(だから散策に行きまくる)、このロードサイドの醜悪さに慣れることはない。
したがって、千葉県内の国道6号沿いはずっと醜悪な光景が続いていたなあ…という感想になる。
もちろん、ションペットを目にしなかったので、行きよりずっと心が穏やかだったのではあるが…。
地方商店街の衰退と言うけど、実際はロードサイド型店舗に取って代わられただけで、このおかげで日本中のどこに住んでいても便利な生活を享受できるようになったということを理解しているのだが、醜いと感じるものはどうやったってそう感じてしまうわけで、俺にとっては地方のロードサイドは「便利だけど視覚的にとても醜い」存在ということになる。
国道6号を走り、千葉県から東京都江戸川区に入ると、行きの足立区南部と同じような徒歩交通を前提とした街の風景が目に入り、やっと心を落ち着けることができたのである。
普段は足立区や江戸川区を運転すると他の区の景色より退屈に思えるのだけど、外から入ってくると輝いて見えたのである。
話を変える。
先日、安芸高田市長の石丸伸二氏が都知事選に立候補すると表明した。
彼が出演するYouTube動画を数多く観ていたこともあり、一瞬、彼なら既得権や無駄な規制をバンバン打破してくれるのではないかと期待したのだが、立候補する理由は「人口減少が進展する中で地方自治体は存亡の危機に直面しており、人口や財政規模、影響力が大きい東京都を動かすことで、地方分散型社会の早期実現に貢献したいから」というものだった。
俺なんか、むしろ、「規制緩和特区を作りまくって東京をシンガポールやドバイのように人とカネを呼び込んで圧倒的に輝かせてみせる!」と叫ぶような候補者はいないものだろうかと思っているのに、これではなかなか支持したくてもできないし、多くの都民の支持も得られないだろう(まあ、小池氏も蓮舫氏も全く支持できないので、他に目ぼしい人がいなかったら消去法で石丸氏に投票するけど…)。
また、日本を牽引している東京の力を削いで地方が活性化するとも思えないし、地方での暮らしよりも車を必要としない都市部での暮らしのほうが圧倒的に環境負荷が小さいし、インフラ維持や行政コストも安く済むので、むしろある程度は中核都市への集中を促していくべきだと思っている。
とはいえ、昨今の東京の再開発はやり過ぎなように思える。
都心に住んでいることもあって怖くなるぐらいである。
デベロッパーがリスクを取ってやっているのだからとやかく言うことではないが、長期的な視野では石丸氏の述べる通り、東京も空きビルや空き家だらけにならないかと心配になる。
岸田文雄氏や小池百合子氏のように地位にしがみつくことを最大の目的とする政治家は大間違いを犯すことはないが、それでも築地市場移転を数年遅らせ、新型コロナ対策で迷走した小池氏のことは支持できないので、今後の立候補者に期待したいところなのだけど(蓮舫氏よりは小池氏のほうが良い)、都知事選というのはおもしろ候補者の品評会のような一面もあり、石丸氏は全国に名前を売るために立候補したのだろう。
俺が上京したのは1995年なので早30年近くになるが、東京に関しては全く失われた30年とは思えないし、当の石丸氏も東京都の行政を「お世辞をいうつもりはないが、さすが首都だ。職員の働きぶりがそこに表れている」と褒めている。
実際、この30年で東京の街並みは驚くほど美しく快適になった。
客観的に見て世界に冠たる都市に変貌したといえるだろう。
住宅の価格は上昇しているが、都心部以外はバブルの頃ほどではないし、昔よりどんどん住みやすくなっていっているのだから東京に人が集まるのは当然といえば当然にしか思えない。
都政において政治の力が特に有効に働いたのは、石原氏のディーゼル車排ガス規制と小池氏の受動喫煙防止条例だろう(後者はオリンピックのおかげだけど…)。
前者によって空気が見違えてきれいになり、後者によってどの飲食店にも入れるようになったし、道端で喫煙者を滅多に見なくなった。
隣の神奈川県では路上喫煙しているおっさんがそこらじゅうにいるし、油断して飲食店に入ると隣の席の人がおもむろに喫煙し始めたりして「マジかよ!」と思うことがあるが、そういった意味でもやはり東京は快適だなと思うのである。
以下は茨城南部旅行の写真ですが、もちろん国道の写真は撮ってません。
過去にもションペットを愚痴ってました…。
さて、今月も写真の枚数がとても多いです。
先月よりもさらに多いのでお暇な方だけどうぞ。
ゴールデンウィーク合間の平日の東京タワー
東京タワーと新緑は補色関係なのでやたらと合う
5月3日。高幡不動から平山城址公園まで「かたらいの路」を歩く。多摩丘陵でもかなりアップダウンのあるコース
ゴールデンウィークの新宿南口
ラブリーなコアラちゃんは皆うとうとしてたが、3回も見てしまった
5月9日。かなり久々に東十条駅に降り立って歩く
荒川の江北橋から五色桜大橋を見る。この種の景色を見る時って大抵は首都高を運転中でチラッと見るだけなので、この日はゆっくり立ち止まって見た
足立区都市農業公園へ。荒川の河川敷付近にこんな公園がある
古民家まで建っている
川口市に入り、大泉工場へ。国登録有形文化財の大泉家住宅は実にすばらしい建物
新荒川大橋を渡って、岩淵水門へ。水門の向こうからは我らが隅田川
こちらは旧岩淵水門。荒川から岩淵水門に入った流れと新河岸川の流れが合流して隅田川になる。新卒の頃に赤羽に住んでいたのにこの辺にはあまり来なかったが、今の俺なら散歩しまくっていただろうと思う。年を取ると価値観って本当に変わる
赤羽のOK横丁。ろくに飲めない俺がせんべろの街を通り抜けて家に帰っていたわけだが、その頃から比べても赤羽はメジャーになったなあと思う
そして、その翌日の5月10日。埼玉県富士見市と志木市あたりの新河岸川。川越から赤羽の岩淵水門に至るこのなだらかな流れが江戸時代には貴重な舟運を担っていたという
富士見市の難波田(なばた)城公園へ。立派な古民家が何棟も建っている
こちらは難波田城跡。向こう側にはかなり充実した資料館があったので見学した
前回は昼の様子を載せた日比谷公園「Playground Becomes Dark Slowly」。永山祐子氏の「はなのハンモック」の夜バージョン
大巻伸嗣氏の「Gravity and Grace」の夜バージョン
晴海埠頭に海上自衛隊練習艦「かしま」と「しまかぜ」が10日間ほど停泊。旭日旗がなびく。さて、乗船させていただきます
2つの艦船の間にはこのようなボールが入ってるのね…
62口径76mm速射砲は毎分100発の発射能力を持つ。5月20日に軍艦マーチが演奏される中、初級幹部の実地学習や諸外国との友好親善を目的として、570名が乗船した遠洋練習航海部隊は世界一周の航海に出航した。11月11日帰国予定。動画をYouTubeチャンネルにアップしました
5月14日。皇居東御苑にて
これは蓼科か軽井沢のようですな~。全く都心と思えぬ
北の丸公園の滝とせせらぎ。こちらも都心にいることを忘れさせてくれます
千鳥ヶ淵戦没者墓苑を訪問
ホテルニューオータニでも滝を眺める
美しいバラが満開
バラと鹿のモニュメントと…
5月17日。成城学園前の邸宅街を歩く
東宝スタジオ前
世田谷区立次大夫堀公園民家園へ。最近、古民家づいてるなあ…。同じ世田谷区岡本の古民家もそうでしたが、ここでも囲炉裏の火を一年中絶やしていないようでした
公園内にはきれいな水が引かれた田んぼがあり、数日後に田植えがされそうな様子
喜多見不動堂にて。世田谷区には武蔵野の面影を残し、ハケからきれいな湧き水が出てくる様子をところどころで目にする
調布市実篤公園の池。ヒカリゴケが光っている。実に美しい公園
5月22日。横浜へ
港の見える丘公園ではバラが満開
ガーデンネックレス横浜2024が行われている時期です
山下公園もバラや花々が満開
昨年は6月に訪問して終わりかけだったのでちょい早めて正解でした
横浜山手西洋館も無料で入れますが、これだけのバラを無料で見せてくれる横浜市に感謝
ガーデンベア周辺の飾りつけも昨年のを見返すとちょっと変わっていますが、ゆりかもちゃんと一緒なのは変わらず
5月24日。相模湖駅へ。高尾駅の隣の駅なのにトンネルをくぐってものすごく遠いところに来た感
少し歩いて小原宿本陣へ。神奈川県内で現存する唯一の本陣建築。甲州道中9番目の宿で、宿場町の古民家も数件残っている。隣に資料館の「小原の郷」もある
さすが、本陣だけあって立派。しかし、このところ古民家づいてます…
2回の屋根裏には養蚕作業の道具が置かれていた
本陣の向かいの歩道を降りていくと、圧倒的なせせらぎが出現しました。ここは穴場だな…。動画をYouTubeチャンネルにアップしました
足をつけるとめっちゃ気持ち良い。すぐに相模川に流れ出てました
この辺で猫の多頭飼いをしていた飼い主が亡くなったそうで、地域猫の保護の会の建屋があったのだけど、門番も鎮座してらっしゃいました
弁天橋を通って相模川を渡ります
相模ダムの上を歩いて渡ります
相模湖をせき止めている相模ダム
相模湖公園です。50年前にタイムスリップしたかのような光景。昭和レトロと言えなくもないけど、高尾駅の隣の駅にある湖なのだから、もう少し商売のやりようもあるように思わなくもないのですが…
水はそんなにきれいに思えなかったけど、さすが白人カップルは5月の強い日差しもものともせずに湖に足をつけて楽しんでらっしゃいます
相模湖を半周歩いて、プレジャーフォレストの日帰り温泉うるりに立ち寄って帰りました
東京建築祭でカトリック築地教会がオープンになってたので通ってみた
中には人がいっぱいだったので覗くだけにしましたが…
和光のウインドウディスプレイの金魚とガラスに映った銀座4丁目の交差点
5月29日。石神井公園駅から石神井池の隣の三宝寺池へ。もはや夏の信州のよう
練馬区立石神井公園ふるさと文化館の常設展示。なお、こちらにも古民家あり
朝ドラの影響もあって一度来てみたかった牧野記念庭園へ。植物学者の牧野富太郎博士胸像とスエコザサ
牧野博士の書斎再現展示
朝ドラ「らんまん」で使われたレプリカ
5月30日。金沢八景駅からバスで横浜自然観察の森へ行き、森を回った後、金沢市民の森・瀬上市民の森・氷取沢自然の森・金沢自然公園・六国峠ハイキングコースを尾根沿いに縦走して金沢文庫駅に至る。これだけ長い区間、ずっと自然の中をハイキングできることに感激。こちらは横浜市最高峰の大丸山。標高は156.8メートル
金沢自然公園の「しだの谷」に生える美しいシダが映える