東京都で緊急事態宣言とはなめたことを言うものだ。
感染者数を減らすことも大切ではあるが、そもそもは、死者が大幅に増えるのを防ぐため、重症者が増えて医療機関が逼迫するのを防ぐためというのが最大の理由で緊急事態宣言を発出してきたはずである。
しかし、このところはワクチン接種の甲斐があって死者数も重症者数も日に日に減っていっている。
危機を煽れなくなるとテレビ視聴者やサイト閲覧者の注目を引けなくなって困るマスコミは感染者数にしか着目しないという手に出たし、近視眼的な国民もそこにばかり着目させられているのだろうが、政府までもがそうだったということに驚いた。
このところ自民党があまりに国会議員補欠選や首長選で負けまくって、さらに都議選まであの結果だったので、このままでは菅首相の続投はおろか総選挙において与党で過半数を取れるかすら危ういと思ったため、かつ、衆愚的な世論に抗しきれなかったためにたまらず緊急事態宣言を発出したのだと思うが、ここでビビって宣言を出して宣言下でオリンピックに突入するなら、これまで「コロナに打ち勝って安全安心な五輪開催」と言ってきたロジックが完全に破たんしたということを認めるということになると思う。
「緊急事態宣言下にある都市でオリンピックをやるバカがどこにいるか！」って話なのである。
あたりまえのことだが、新型コロナで亡くなっている人の大半は高齢者で、新型コロナに感染した60歳以下の人が亡くなる確率はざっと計算したところ1,300分の1以下であり、極めて少ない。
ワクチン接種数は既に5,000万回を超えていて、7月末には高齢者の大半はワクチン接種を終える予定となっている。
そうなると重症者数や死者数というのはさらに減少するはずなのだから、「緊急事態宣言を出さなくても重症者や死者は増加しない」と言い切ってオリンピックに突入して欲しかった。
自ら立候補し、競合する都市に挫折させて開催する権利を得たわけだから、オリンピックを行うことは国際公約だし、実際に日本の新型コロナの感染はずっと「さざ波」だったし、選手にはひとつも罪はなくむしろ被害者なので、俺自身はオリンピックの開催に反対という立場ではないのだが、緊急事態宣言下でのオリンピックとなってしまうと行う意義はほとんど失われるのではないかと思う。
もちろん国際公約だから形式的に大会自体はやらないわけにはいかないだろうが、それだけということになるのであろう。
日本人選手によるメダルは量産は間違いないだろうし、競技会を無事に行えればそれで十分といえるのかもしれないが、そうだとしても東京に住む者としてはあまりに残念である。
そもそも、東京が最悪な気候になる時期に行うのに、招致段階で「理想的な気候」と大嘘を言って招致活動を行った。
そして、新型コロナのせいで、予算オーバーしまくって作った大規模会場の数々は無駄になり、福島第一原発をコントロールできているかという点には今でも疑問が呈されたままで、復興五輪というのも有名無実で、「お・も・て・な・し」と言ったは良いがむしろ逆にならざるを得ず、観光等での経済効果もゼロどころか禁酒令を出している時点でマイナス、バブル方式なので都民にとって高揚感もゼロで、無観客ならなおのこと東京でやる意味がなくなってしまう。
それに被せて緊急事態宣言下で開催をするわけだから、ただ、やるだけの、意義の薄いオリンピックになってしまうわけでまことに残念である。
立憲民主党が自民党よりもダメ政党であるばかりに自民党と公明党を下野させられないのが腹立たしい。
日本維新の会と国民民主党は立憲民主党よりずっとまともな政党だと思うのだが何故か全然人気がないし、仮に急に小政党の議席が伸びた場合、特に小選挙区制では質の低い人材が議員になってしまう傾向があるので、全く困ったものである。
個人的には、緊急事態宣言が出たところで俺の生活にはほとんど関係ないと毎度のように豪語したいところだが、実はオリンピックに関しては多少の影響を受ける。
まず、選手村の近くに住んでいるので交通規制等の影響をかなり受ける。
また、オリンピックの開会式のチケットに当選して持っているのだが、とっくに諦めているし、ボクシング決勝の観戦チケットも持っているのだけど、観戦できるのかどうかということぐらいは早く知りたいところである。
この時期の隅田川のテラスにはカニがたくさん出没することも…。あまりに多いので下を見て歩かないと踏みつぶしてしまいそうになる
