- バンコクとは…
- バンコクでの基本的な過ごし方…
- 欲望むき出しのピンクのバンコクとは…
- バックパッカーの聖地にして究極のテーマパークであるカオサン
- ムエタイスタジアム
- バンコク市内の寺院
- アユタヤー
- パタヤー
バンコクとは…
世界中に多くの都市がある中で、コストと楽しさと美味しさをミックスしたうえでの総合的なパフォーマンスを算出した場合、堂々の一位に輝くのはバンコクであろう…。
だから、「海外旅行に行ったことないんだけどどこが良いかな?」と聞かれた場合、小金がある人、もしくは、芸術や世界史への造詣が深そうな人には「パリかイタリア3都市、ローマ・ヴェネツィア・フィレンツェあたりかな?スペインやウィーンも捨てがたいね~」、金がなさそうな人には「バンコクに決まっとる!」と答えることにしている。
バンコクがすばらしいと思われる理由には大きく以下の4つの要素があると思われる。
① 物価が安いという魅力
② オリエンタルで情緒的なアジアの都市としての魅力
③ バックパッカーの聖地としての魅力
④ ピンクシティーとしての魅力
私の場合、①②③→④の順で比重が大きいし、私のとある友人の場合は①④→②といった順で比重が大きいようである。
また、私の周囲にはキックボクシング競技者が多く、ムエタイ修行で行く人も多かったりするのだが、彼らがバンコクを訪問する目的は多少特殊であろうといえよう…。
バンコクでの基本的な過ごし方…
ピンクなバンコクについては後で説明するとして、まずはバンコクでの基本的な過ごし方について説明する。
私がバンコクに行った時のとある一日はこんな感じである。
まず、1バーツは2.7円程度ということを理解して以下を読んでいただきたい。
バックパッカーが集うカオサン通りにおいて、カオサンの中では中の上程度にあたる宿、例えばD&D INNなどの500~600バーツの2人部屋に泊まり、朝起きたら、カオサンあたりのカフェでぼーっとして、何もせずに無為に時間を過ごす。
気が済んだら、もしくは暇になったら、街をぶらぶらと散歩してみやげ物屋を物色したり、屋台で10バーツ程度のおやつを食べたり、マッサージに行ったりしてこれまた無為に過ごす。
なお、マッサージは30分で80バーツ、2時間で250バーツぐらいである。
そして、午後になってからの話だが、遠くに行く気が起きたら、タクシーもしくはトゥクトゥクで外で繰り出す。
タクシーはメーター制なのだが、トゥクトゥクは交渉制で、日本人が相手の場合、よほど近場ででもない限り、タクシーより安くなることはほとんどない。
しかも、「アタミ」とかいう名前のソープランドや、「スタンディング・ブッダ」という変な寺院などに連れて行かれる可能性があり、また、バンコクは排気ガスだらけでクソ暑いこともあって、コストも快適さもタクシーのほうが上なのだが、トゥクトゥクは乗っていてとても楽しいのでクセになってしまうのである。
仮にだまされたとしても日本のぼったくりバーなどに比べれば全然カワイイ被害額で済むので笑っていられるというものでもある。
私はだまされたことがないからそう言えるだけだと思うが…。
タクシーの場合、初乗り35バーツぐらいで料金の上がり具合は驚くほどゆっくりである。
15キロぐらい乗っても100バーツとかしかかからなかったりするから驚いてしまう。
バスには3.5バーツで乗れるのだが、普通の日本人であればこの値段だったらまずタクシーに乗るだろう。
乗らないのは「ケチであることがカッコいい」と勘違いしていて、バックパッカーをやることが目的のバックパッカーだけだと思う。
高学歴で他との差異化を図りたいタイプなどにありがちなタイプですわな…。
昼であれば、異国の街路散策をしてもいいし、真面目に寺院見学をしてもいいし、ショッピング街のサヤームスクエア方面へ繰り出してもいいし、ムエタイを見に行ってもいいし、チャオプラヤー川をクルージングしても良い。
また、ちょっとがんばれば、バスで2時間程度移動したところに遺跡のあるアユタヤーや歓楽的なビーチで有名なパタヤーへ足をのばすこともできる。
夜であれば、夜のにぎやかな街を散策してもいいし、屋台を物色してもいいし、コピーCDやニセモノ商品が豊富だったりするパッポンストリートへ繰り出してもいいし、ディスコに繰り出してもいい。
こんな感じで数日間を完全に無為に過ごせば、身も心もリフレッシュするか、もしくは、社会復帰が難しくなるかのどちらかとなってくれる。
バンコクライフはこうやって無為に過ごすのがオススメである。
上:ウィークエンドマーケットのフルーツミッスクシェーク屋さん
下:同じく揚げ物屋さん
上:バンコクの新交通システムBTS
下:トゥクトゥクの客席から
上:そごう前にあるエラワン・プームという有名な祠
下:チャイナタウンの入り口
上:チャイナタウンのメインストリートであるヤワラー通り
下:混沌とした活気があふれるチャイナタウンの市場
上:バンコク市庁舎前(あと26秒で国歌吹奏が始まるところ)
下:チャオプラヤー川沿いでエアロビクスに興じる人々
欲望むき出しのピンクのバンコクとは…
人と話すときは適当に話を合わせてはいるし、私は「貧困あるところに売春あり」「売春なくして貧困からの脱却はない」とクールに考えるほうなので、別に買春行為をする人を非難するつもりは全くない。
しかし、私が女性に対してスケベ心を抱いた場合、金銭など一切介さずに「どう言いくるめてその女性と関係を持てるか」という過程のほうがむしろ楽しいのであって、金銭を用いて結果だけを手にすると、女性のことがモノみたいに思えてしょうがなくなるタチなので、今ひとつピンク産業を利用する気が起きないのだ(中国での出来事はハプニングということで…)。
なお、多くの友人と飲んだ後に全員で大挙して行くことが多いので、これまで風俗に行くことが無くもなかったにせよ、行く場合には、ヘルスのような本番行為厳禁の業態の店において、風俗嬢に本番行為をやってもいいよと言ってもらうことに意義を感じるタイプであった…。
もちろん病気対策はしていたのだが、黒服に見つかったら大変なのでよく考えたらハイリスクである。
だから、初めから“本番ありき”の売春にはほとんど興味がなく、ソープランドや裏ヘルスには行ったことがない…。
また、キャバクラなどはヘルスなどよりもっと嫌いで、私は、友人や知り合いから誘われたりした場合、「つき合い悪いなあ…」と言われようと基本的に断る。
「何で、大して気も利いてないし、その気になっているわけでもない女性と話すだけで金を取られなきゃならんの?それどころか逆にこっちが気を使う分時間とカネの無駄」と真剣に思ってしまうのだ…。
私は決して真面目な人間ではないのだが、ピンク産業とはあまり相容れない人間なようなのである。
話がそれすぎた…。
ところで、バンコクにはありとあらゆる種類の業態のピンク産業が存在する。
中でも、ゴーゴーバーとライブショーバーには一度は行く価値があるであろうと思う。
この二つはバンコク名物のショーバーだが、似て非なるものなのでそれぞれについて説明する。
なお、こういった歓楽街はたくさんあるが、最大の歓楽街はパッポン通りという歓楽街である。
そして、玄人はナナプラザをはじめとするエリアを利用し、かつ、その付近に連れ出し用のための宿を取るようである。
ゴーゴーバーはお立ち台の上を大胆な水着を着たかなりの数の女性達が踊っていて、それを周囲の席から延々と眺めていると、踊っている女性、特に目が合った女性がかわるがわるにコーラやビールをおねだりしつつ話しかけてくるので、お立ち台の方に目をやりながらそういった女性と話をするバーである。
90バーツのコーラを買ってあげれば、かなり長いこと彼女達と話すことができるし、彼女達がベタベタしてくる。
また、色白で金のある日本男児はモテるようでもある。
自分と女の子のコーラ以外には全くチャージがないのもゴーゴーバーの特徴である。
ちなみにこちらではコーラのことを「コラー」と発言する。
私が言われたのは500バーツ~1,000バーツぐらいで、人によってはもう少し高かったりするようであるが、気に入った女性がいれば、本人と交渉し、交渉が成立したら、店に500バーツ程度の連れ出しチャージを支払って連れ出すことができる。
連れだしたらホテルに行くので、別途、ホテル代が400バーツぐらい必要なようである…。
私は売春をしたことがないため、これは全て友人からの伝聞である。
それにしても、全て足しても一晩で3,800円~5,100円程度なのだから驚く。
なお、ニューハーフも多いから要注意なのだが、日本なんかでの元男性とわかるニューハーフと違って、本当に超がつくぐらいの美人のニューハーフがいるから要注意である。
何せ私も「この子本当にかっわいいな~」と思ってずっと話していた子が実はニューハーフだと知って度肝を抜かれたことがあるのだから…。
そして、何故、私でも楽しめるのかといえば、この空間にいるとちょっとこの世にいるとは思えないような不思議な気分にトリップすることができるからである。
だってこんな変てこな空間ってないでしょ…。
なお、誰でも働けるそうだが、客のつかない女性(不美人?)は淘汰される仕組みになっているようだ。
ライブショーバーは、周囲の席についてはゴーゴーバーと同じような感じで、連れ出し可能の女性がコーラやビールをおねだりしながら話しかけてくることには変わりはなくいが、中央のお立ち台状のショースペースで延々とショーを繰り広げているのが大きな違いである。
そのショーはなんと女性器を使って行われる…。
女性器から何メートルもある万国旗を取り出したり、バナナやピンポン玉を飛ばして、そのバナナがこちらに飛んで来たり、女性器を使ってラッパをならしたり、吹き矢を吹いて風船を割ったり…といったショーが延々と行われる。
一体何種類のショーがあるのかはわからないけど、何の意味があるのかさっぱりわからないところがすごい。
しかも、どちらかといえばルックスの良くない女性がショーを担当しているようなのだが、たぶん、客のつかなくてこのショーの手当がないと食べていけないような女性がやるのだと思う。
また、ショーで客を呼べるせい?もあって、ライブショーバーの女性のルックスのレベルに関しては、それだけで勝負しているゴーゴーバーに比べると若干劣る気がする…。
これを見て嫌悪感を抱く人はダメなのだろうが、このあり得ない空間に異国…いや異次元空間を感じることができることもまあ間違いないわけで一度は見てみるのも良いかもしれない。
しかし、一度行った店に一年後ぐらいに訪れた際、同じ女性が全く変わらずに同じようにショーをやっているのを見て、ちょっと切ない気持ちになった…。
また、白人の老夫婦の団体が笑いながらこれを見ているのを見た時にも切ない気持ちになった。
それにしても、ライブショーバーほど何のために存在しているかがさっぱりわからず、人権もへったくれもなく、あまりにもあからさまで、酔っぱらっていれば異次元空間を楽しめ、真面目に考えたら悲しくなり怒りすら込み上げるも、こんなところに来てまで社会派になってしまっていることに対して我に返ってしまうような魔訶不思議空間は他にない。
なお、ゴーゴーバーもライブショーバーもぼったくりの店があるので「キングスグループ」の店を選択することを薦めたい。
他に特筆すべき業態には、1,000バーツから4,000バーツの間で数色のゾーンに分けられたひな壇に座っている50人前後の女性から好きな女性を選んで、2時間もの間にわたって色々と楽しめる?マッサージパーラーがある。
興味本位で見に行くだけ見に行ってみたのだが、値づけされているのが痛々しいものの、確かに4,000バーツの女性はうなるほどにいい女でビックリした…。
知人によるとサービスもうなるほどに良いのだとか…。
バックパッカーの聖地にして究極のテーマパークであるカオサン
カオサン通りとその周辺一帯に世界最大のバックパッカー安宿街が広がっている。
バックパックをかついで世界中を節約しながら旅をするスタイルの旅人達をバックパッカーというのだが、世界の国々には安宿を求めるバックパッカーが集う安宿街というのが存在する。
その中でも世界最大の安宿街がカオサンなのである。
何故、カオサンが世界最大の安宿街として存在し続けているのかといえば、カオサンそのものの魅力と、バンコクおよびカオサンの利便性のためである。
カオサンは航空券が世界でもトップクラスに安い。
なので、私がインドに行ったときは、東京とバンコクの往復の航空券だけを日本で購入し、バンコク→デリーおよびカルカッタ→バンコクの便はカオサンにて購入した。
また、ベトナムから中国に行った際も、チケットはバンコクで購入し、バンコク→サイゴンおよびハノイ→バンコク→北京と飛んだ。
このような買い方をした方が安く上がるうえ、何度もバンコクにも訪問できるという特大のおまけがつくので、実際に世界中のバックパッカーはこのような移動の仕方をしているのである。
便利なことこの上なく、勝手知ったるカオサンは、見知らぬ次の旅先へ行くための安らぎを得る地、および、装備・情報などの収集地として機能しているのである。
つまり、カオサンは世界中のバックパッカーにとって母港であり中継地であり続けているのだ…。
話は変わるが、私は基本的にテーマパークが好きではない。
「ここで遊びなさい…」と用意された空間で遊ぶことにそれほど興味が持てないへそ曲がりだからである。
もちろん、実際にはテーマパークではないが、カオサンは最高のテーマパークだと思うし、ここは大好きだ。
無国籍なことこの上ないカオサンに来て、世界中からやって来た世界中を旅している若者に混ざると、自分も同じ人種になったかのような錯覚を抱くことができるし、2回目以降にカオサンを訪ねた者にとっては、「帰ってきた~」という感覚を抱く母港となるのである。
サーファー&ビーチ文化やダンサー&クラブ文化のような文化と同じように、バックパッカー文化というのは若者達にとって魅力的な文化であり続けているわけである。
なお、バックパッカーはただ世界を回りたいだけであり、政治的なメッセージ性は何もないので、かつてのヒッピー文化とは一線を画すものだと思っている…。
しかも、安宿以外には、にぎやかな音楽を流し続けるウエスタン風なのにオリエンタルな魅力のあるカフェの数々、焼き鳥やバミーナームなどおそろしく美味で店もある多種類の屋台、日本では考えられないほど安いアジア雑貨屋およびシルバーアクセサリー屋、ファストフードやコンビニエンスストア、破格の旅行代理店やマッサージ店などなどが所狭しと並んでいるこの空間はあり得ないほどに魅力的である。
なので、私にとってバンコク滞在の半分以上はカオサンにて無為に過ごすことに費やされる。
バンコクの魅力の半分はカオサンでの怠惰極まるライフに隠されているのである。
まだ、好奇心旺盛な日本人旅行者は現地の人と関わりを持ったり、屋台などで現地のものを食べようとするのだが、欧米人のバックパッカーは、現地の食べ物になど目もくれずにこカオサンのカフェで欧米の食事をし、カフェで上映されているハリウッド映画を見てバンコクでの日々を過ごしているぐらいだから笑えてしまう。
とはいえ、そういう暮らし方も一つのカオサンでの暮らし方なのだとは思う…。
しかし、昔は貧乏旅行を好むバックパッカーしかいなかったカオサンが最近は富裕層のタイ人若者のクールな遊び場になっているようで、昔と違って少し高級チックになると同時にカオスが薄れてきた気がするのがとても心配である。
おそらくはこのエキゾチックな場所はタイのリッチな若者達にも支持され始めたのであろう。
外国人が現地人であるタイ人にごちゃごちゃ言うのは変な話だが、カオサンの良さが失われるようなことだけはあって欲しくないものである…。
D&D INNの屋上プールから見たカオサン通り
ムエタイスタジアム
ムエタイにはスタジアムが認定するタイトルが複数存在するが、ラジャダムナン・スタジアムが認定するタイトルと、ルンピニー・スタジアムが認定するタイトルがムエタイの2大タイトルである。
また、キックボクシング・ムエタイの世界には他にも数多くの世界タイトルが存在するが、K-1 WORLD GPとK-1 WORLD MAX以外のタイトル以外は全てこの2大タイトルより実質的に格下タイトルであると言えよう。
そういった意味では、キックボクシング・ムエタイの世界において、このムエタイ2大タイトルはボクシングのWBA・WBCに匹敵する権威を持っているといえるのである。
また、スーパーライト級ぐらいまでの軽量級の世界において外国人がムエタイの牙城を崩すのは至難の業であり、世界各国におけるキックボクシングの歴史は、それすなわち、ムエタイへの挑戦の歴史だったともいえるわけである。
しかし、実際のところ、ムエタイの興行は長くて退屈に見えるはずである。
判定基準が独特なため、K-1のように相手を倒しにいく姿勢が見られず、わかっていない人にとってはあまり楽しめないかもしれないからである。
選手は最初から判定しか狙っていないからKO決着の試合もほとんどない。
むしろ、判定勝ちこそが美徳とされているぐらいである。
しかも、毎試合ごとにワイクルーという踊りがあって、試合のラウンド間のインターバルも2分あるから、はじめはそうでなくても、後になるとかなり冗長に感じる人も多いであろう。
相撲の仕切りよりはマシだけど…。
そして、メインイベントが真ん中ぐらいにあるのも特徴である。
上:ラジャダムナンスタジアム
下:この日のメインイベント
バンコク市内の寺院
世界で最大の仏教大国は日本や中国やインドなどではなくタイとミャンマーである。
タイ人はあれだけおちゃらけた国民性なのに全員が国王を尊敬していて、南部にイスラム教を信仰している地域もあるようだが、ほとんどがものすごく敬虔な仏教徒である。
売春婦ですらものすごく敬虔な仏教徒だとのことで、行為の前に合掌をしてくるというから何ともいえない気持ちになる…。
おちゃらけと言えば、神仏混合的な考え方や大乗仏教の中でも浄土真宗的のような仏教こそ、良い意味でおちゃらけ宗教の最たるものだろう…。
私は日本のその辺に関するおおらかさが好きである。
ちなみに、私個人は無信教で、私の家の宗教は神道だから、私は全く仏教徒ではない。
しかし、ご都合主義的な大乗仏教とストイックな上座部仏教とで、「どちらが真の仏教と思うか?」と聞かれたならば、私なら「上座部仏教のほうじゃないだろうか…」と思う。
まあ、自分で自分を救済するという考え方に立たなければ大乗仏教ということになるんだろうけど…。
タイは仏教大国であるがゆえにやたらと寺院が多い。
タイでは私設寺院の建立というのが最高の自己実現手段とされる向きもあると聞くぐらいだからその数が少ないわけがない。
そして、首都のバンコクともなると「寺院だらけ」となるのもうなずくところなのである…。
中でも最も位が高い寺院は王室専用の寺院であるワットプラケオであるが、ここは仏教徒だけでなく、観光客にも開放されている。
なお、この寺院の本尊は「エメラルド仏」と言われる体長66cm程度の小さな仏さんなのだが、そのため、この寺院はエメラルド寺院とも言われる。
実は、エメラルド製ではなくひすい製というのだが…。
この仏さんは戦争に乗じて戦利品としてラオスのワットプラケオから持ち帰ったらしいのだが、出自等は全くの謎につつまれているという。
しかし、ガイドブックには「その霊力は計り知れない」と書かれている。
一体、どう霊力が計り知れないのかについて詳しく知りたいところではあるが、チャクリー王朝の守護神でもあるこの仏さまは小さいのにとにかくありがたい仏さまだということだけは確かなのである。
また、エメラルド仏さまは金色の僧衣を着ているのだが、この僧衣は国王の手によって年に3回取り替えられるらしく、その「御召し替えの儀式」は国家的行事に指定されているという。
しかし、小さいうえ、遠くにあってかなり見えにくいこの仏さまはラオスにとっても本尊であり、ラオスとしてはいまだに所有権を訴え続けて返還を求めているというのだが、タイが返還に応じるわけがなく、外交問題として存在している仏さまなのでもある…。
上:ワットプラケオ外観
下左:外からやっとのことで撮影したエメラルド仏さま
下右:エメラルド仏さま部分の拡大図
ワットプラケオ
上:王宮
下:衛兵交代式の様子
タイと聞けば、普通は、国家的な本尊であるエメラルド仏さまではなく、涅槃仏を思い出すであろう。
ワットポーにはこの涅槃仏がいらっしゃるのだが、エメラルド仏さまと違って大きな身体をしていらっしゃる。
もちろん、その霊力はエメラルド仏さまのほうか数段上であることには間違いなくとも、インパクトという面においてはワットポーの涅槃仏さんのほうが上でありましょう…。
このお寺は回廊状になっていてなかなか広い。
また、マッサージの総本山でもあったため、現在においてもマッサージ学校があり、実際にここでマッサージを受けることもできる。
料金はカオサンより高めで30分150バーツ程度である。
上:ワットポー外観
下:涅槃仏(扁平な足の裏に注目)
下:涅槃仏の頭の拡大図
下:ワットポーの本尊は涅槃仏ではなくこの仏さまである
三島由紀夫の「暁の寺」で有名になったワットアルンだが、船に乗って行ってみると巨大な仏舎利が立っているだけで他にはそれほど見るべきものはない。
しかし、ヒンドゥー教の破壊の神であるシヴァ神が住むカイラス山を形どっているといわれ、仏教色が薄いのが特徴であるが、現在のチャクリー王朝の前にあったタークシン王朝のワット・チェーン(ワットプラケオ的な存在の王室寺院)だった寺院でもある。
なお、エメラルド仏さまはタークシン将軍が戦利品として持ち帰ったものであり、ラオスから持ち帰られた後はこのお寺の本尊・王朝の守護神として存在していた。
しかし、タークシン大王が発狂して、部下のチャクリー将軍が王朝をかすめとって、タークシン王朝は滅びたわけなのだけど、その中でエメラルド仏さまがタークシン王朝に対して果たした役割は何だったんだろう…。
上:ワットアルン
下:チャオプラヤー川から
上:さらに遠くから撮ったワットアルン
下:船着場
バンコクに存在する寺院で他に特筆すべき寺院は、そこからの展望がすばらしいワットサケットと、巨大な礼拝堂に収まる大仏さんが立派なワットスタットあたりであろう…。
上:ワットサケットの仏舎利
下:ワットトライミットの時価120億円の黄金製の仏さん
上:ワットスタットの回廊
下:ワットスタットの本殿
アユタヤー
バンコクから2時間もかからないところに、アユタヤーの5王朝の首都であったアユタヤー遺跡がある。
ここに行ってみればわかるが、遺跡が遺跡らしい遺跡だからか、クソ暑いからか、静かだからかはわからないが、なんとも神々しい気分になれる。
イメージとしては「天空の城ラピュタ」の上にいるような気分に浸れるのである。
私は3度もここに行っている。
しかし、毎度ながらある意味で「ウソつき~」と思ってしまうのだが、それは、ビルマ軍に徹底的に破壊されたこの遺跡の老朽化が著しい割に実際はそれほど昔からある遺跡ではないことに対してである。
イタリアに行った時に行ったフォロロマーノとかと同じような雰囲気を醸し出しているくせに、アユタヤーの5王朝は1350年から1767年の間に存在していた王朝で、これらの建物もその期間に建てられたものである。
ちなみに、フォロロマーノは2000年以上も前のものである。
街を回るときはしっかりと交渉して、貸切トゥクトゥクで回ると良い。
上:象乗り場
上:ワットロカヤスタ
下:ワット・ヤイ・チャイ・モンコンの仏塔
下:木に埋もれた仏像の頭部だが、なんとなく霊力を感じた
上:高くそびえ立つワット・プーカオ・トーン(私と比べた塔の高さに注目)
パタヤー
下の写真の海を見る限りすごくステキなところに思えるかもしれませんが、パタヤー自体の海はそれほどキレイではない。
近くのラン島に行けばキレイなのだが…。
パタヤーは元々ベトナム戦争帰休兵のための休養・娯楽地として開かれたビーチリゾートであり、現在は大歓楽街にして大売春街である。
下の写真を見てもらってもわかるように、異様なほどにハイテンションな雰囲気が漂ってはいるのでそういった意味では楽しめる。
客層に多いのは欧米人男性と香港人や中国人の家族連れである。
欧米人のおじさんとタイの売春婦の2人連れが街中にやたらとあふれている街でもある。
上:パタヤービーチのサンセット
下:ナイトタイム