GOODDAYS 東京仙人生活

ひっそりと静かに生きる48歳仙人のつぶやき

そもそも体育科って何?

桜宮高校のバスケットボール部の顧問による体罰で自殺者が出て、職員を入れ替えるだとか、入試をやるだとかやらないだとかがニュースになっているが、世間知らずの俺がビックリしたのは公立高校に体育科などというものがあったのかということに尽きる。

 

そもそも公立高校の体育科とやらの目的って何なんですかね?

スポーツができるようになることを目標にするスポーツマン養成校ということなんすかね?

そんなことを目的とする学科があるから体罰とスポーツでの行き詰り程度のことで自殺に走ったのではないかと思ってしまいますな…。

 

もちろん体罰全般が許される世の中ではないという前提はあるが、部活動での体罰については、生徒に人間として道義的な落ち度があって殴るのならばまだ少しは理解できるが、「発破をかける」だとか、結果を出させるために殴ったのだとしたら、目的そのものが完全に間違っているといえるだろう。

勝利至上でやることに価値があるのはプロ・実業団・リトルリーグのような校外のスポーツ組織であって、スポーツ強豪校であったとしても、学校というのはあくまで教育を目的とするべきであり、勝利至上でやるのは目的を誤っている。

 

そもそも体育大の存在価値というのも俺にとってはナゾ。

まず、体育大にまで行って、体育大でない大学にスポーツで負けたら悔しすぎだし、プロ選手や実業団選手になれるのならば別として、アマチュアで終わるスポーツで勝つために体育大にまで行くのだとしたらその意味がわからん。

プロに価値があって、アマにないとは言わんが、飯が食えるかどうかというのは決定的に差があると思う。

あとは、体育の先生の養成とかスポーツインストラクターの養成とかその程度の需要は思いつくが、その割には受け皿が多すぎやしないかと思うのと、他と交わらないスポーツバカの中で養成されるスポーツバカが体育の先生になることに違和感を禁じえないのは俺だけなのかとも思う。

これまでの人生で、もちろんいい体育教師もいたものの、全般的に体育の教師にろくなのがいなかったから余計に個人的な偏見を持つのだとも思う。

 

あと、オリンピックの時にも書いたが、国民の健康・趣味スポーツ環境の充実に資するために予算を拡充したり、「スポーツ省」とやらを創設するのならば理解できるが、単純にオリンピック選手を養成や選手の強化のために予算を拡充する意味は俺にはさっぱりわからないというか反対だ。

 

ところで、俺は昔から学校対抗で争うトップスポーツを見る気がしないのだが、かつての池田高校の野球のように、たまたま集まった生徒が学生の本分を忘れずに勉学にも励み卓越した工夫やチームワークでがんばって勝つのなら見る醍醐味もあるものの、全国津々浦々から集めたスポーツバカで結成されたチームが勝つことに空虚さしか覚えないから見る気がしないのだ。

特に関西出身の選手が東北地方の高校から甲子園に出ているようなパターンが多すぎて心の底からげんなりするのである。

っていうか、たかが高校生の野球大会なんかを天下のNHKが全試合放送することのバカバカしさといったらこの上ないだろう。

韓流ドラマの放送と並んで受信料の支払いをしたくなくなる要素である。

 

子供の頃から野球しかせず、それにすべてを捧げてきた者が、甲子園で勝とうが負けようが、プロ選手や指導者になってご飯を食べられればまだいいが、そのまま挫折して別の道で生きる大人になるほうが大多数で、そりゃキツい練習や人間関係から得ることも数多くあるだろうが、得ておくべきものを得ず大人になってしまう事例も多いだろうにと哀れに思う。

 

そういえば、俺の地元宮崎の鵬翔高校が2勝4分、しかもPKは4勝0敗という渋い成績でサッカーの全国大会を制覇をして大したものだと思ったが、「鵬翔には体育科なんてのはなかったよな?」と思い、一応、念のために調べたら、英数科スポーツコースなどというものがあり、「英数科なのにスポーツコースっすか?」と思わずツッコミを入れてしまった。

まあ、特に勉強ができる生徒を特待生待遇で迎えるタイプの学校だったらから仕方ないか…。

 

でも、何をやってもダメな宮崎県が何かのスポーツで頂点に立つというのはこれまで述べたことと矛盾はするがうれしいといえばうれしいわね。

人生の半分以上を東京および東日本で過ごしているというのに、宮崎はおろか九州や西日本の学校と東日本の学校が試合をしていたらほぼ無条件で西日本側を応援してしまっている自分がいるのが不思議だが、地元意識というのはなかなかなくならないものだとは思う。

とはいえ、俺は東京が大好きだからホームシックには全くかからんが…。

 

ちなみに俺も大学で体育会系の部活に所属してやっていたキックボクシングはマイナー競技ではあるものの、最終的には学生チャンピオンになったが、部の先輩や仲間のことは好きだったものの、体育会系的な風土というものは虫唾が走るほど大嫌いで、仮に体育会系とやらが企業の就職に有利になるのだとしたら、その体力と忍耐力と服従性と無批判性が評価されているだけで、そんなものを評価されるなんて悲しいことよ…と何よりも「自分できちんと考えること」と「おもしろみがあること」を大切にする俺は思うのであった。

 

あと、冒頭の俺の主張に対して「美術科は?」「音楽科は?」と言われると「これらはあってもいいと思うな~」と論理性のない回答をしてしまうのだが、それをスポーツバカ差別、体育会系差別と言われてしまえばもはや反論できないのであった。

 

gooddays.hatenablog.jp