今日は学生キックを観に行った。
年に数回の大会をやっているのだが、後楽園ホールでの大会は春と秋にあって、秋の大会では各階級のチャンピオン決定戦がある。
予選が以前の大会で行われて、この日にその決勝戦が一気に行われるわけである。
私の大学の後輩はたった2人の出場だったが、そのうちの1人は予選トーナメントにおいてドローながらも残念ながらも優勢判定で敗れたため、ワンマッチでの参戦となったが、かなりの高レベルの攻防を見せて、見事3RKO勝利を収めた。
もう1人は、テクニック的には相手を完全に上回っていたが、相手選手がパンチをまとめて印象点を取るのが上手かったことと、金的攻撃によるイエローカードをもらったことが原因で借敗してしまった。
4年生の最後の試合だっただけになんとしても彼には勝って欲しかったのだが、勝負とは残酷なものである。
メインイベントのバンタム級の決定戦はアクシデントによる続行不可能のために途中までの集計となって選手がかわいそうだったが、特にフライ級とフェザー級の決定戦は3回戦のプロのレベルよりは断然上といえる内容の試合であった。
セミファイナルのフェザー級の試合ではこの日一番の盛り上がりを見せたが、結末の大逆転のKO劇はそれ以上に劇的だった。
今日はかなり久々に他大学OBの某氏と会って、ちょっとお茶したのだが、氏は「やっぱ、チャンピオンになるのとならないとでは天と地だよ」と私に言った。
氏は、後楽園の大会のメインイベントを務めたことがあるぐらいに実力のある選手だったが、時の運が味方せずにチャンピオンにはなれなかったわけで、それだけに氏の言葉は重いと思った。
確かに、学生キックのチャンピオンになったことは今までの私の人生において大きな勲章となっているから、学生キックにはものすごく感謝しているし、その感謝の気持ちがあるから、大学を卒業して8年も経って、現役選手にしたらただのおっさんになった今でも秋の大会にだけは足を運んでいるわけである。
今日、チャンピオンになった選手達は今日の喜びとは別に一生モノの勲章を手に入れることができたことを後になっても感じ続けることであろうと思う。
ただ、キックボクシングという最高に過酷な競技に対して一生懸命に向かい合った経験というのは、誰にとっても同じ価値があるわけであって、そのことにはチャンピオンになること以上の価値があるように思う。
今の私もそれがなかったらタダのニートになっているところだったわけである。
それがあってもタダのニートかもしれんけど。
ところで、氏は今はフリーでガンガンと仕事をやって、ガンガン稼いでいるみたいで、かなり刺激になったし、いろいろと話を聞いて勉強になった。
また、氏は私のブログに目を通してくださっているみたいで、なんだか気恥ずかしくも素直にうれしかった。
あと、今日は、私とチャンピオン決定戦で対戦した相手にして、今、全日本キックで活躍している小松隆也選手と数年ぶりにお話できたのも大きな収穫だった。
その時は私に経験値と運があったこともあって、私がチャンピオンになれたが、プロとしてバリバリやっている小松選手への応援は続けたいと思っている。