GOODDAYS 東京仙人生活

ひっそりと静かに生きる47歳仙人のつぶやき

2005年総選挙時における日本の政治について⑤ 小選挙区制の効用

甲子園の決勝を見ながらですが…。

 

小選挙区制の効用

細川内閣が誕生した時に、当時高校生でまだ純粋だった私はとてつもなく興奮した。

小選挙区制になれば日本においても政治主導でスピードのある大胆な政治が行えるようになる」と思ったからである。

 

しかし、当時の世の中には、「余計に金がかかる」だとか「良い政治家が生まれにくい」などといったあまり筋の通らない意見を述べ、小選挙区制に否定的な声を寄せる者がかなり多かった。

それどころか、「旧田中派の権力闘争の道具だ」だなどとあまりとは建設的とは思えない論調をまことしやかに語るマスコミも多かったように思う。

今回の小泉首相解散・総選挙を「怨念・報復」と書き連ねる大衆向けマスコミの論調も同じレベルだが…。

 

本文からはわき道にそれてしまうもののこの際言わせてもらうが、マスコミにも一般人にも身近な知り合いにも、良く考えもせず、または建設的な意見を述べもせず、このような知ったふうなことばかりを述べる人がやたらと多いが、私はそういうのは嫌いである。

「知ったふうなこと言いおって!」と思った知り合いなどに、「どうしてそう思うの?」「その理由は?」と深く突っ込んでいくと大抵がタジタジになるからおもしろい。

意見を言う時は、自分で咀嚼してから地に足のついた意見を言うべきだと思う。

ちなみにブログというのは自分の意見をまとめるツールとしてはすばらしいツールなのではないかと思う。

 

話を元に戻す…。

10年ちょっと前になる当時に「高校生SHUMAI」は、「10年経てば絶対に小選挙区制の効果が出てくる」と思っていた…。

かくして、本来はバブル後の経済政策を急ぐべき時期なのにもかかわらず、おそろしく高いコストを払って政治が成し遂げた「政治改革=小選挙区制への移行」だったわけだが、現在になって、その効果が少しずつ出てきたように思う。

なので、私は小沢氏の出現と今はさておき、当時の行動の歴史的意義を認める人間でもある。

 

ということで、「高校生SHUMAI」の考えがそれほどには間違っていなかったということも明らかになってきた。

 

小選挙区制が派閥政治を壊し、政党重視=マニフェスト重視の政治を作ったといえる部分は確実にある。

いまだに色々と小選挙区制の悪口を言いたがる人は多いが、これは疑いようのない事実である。

 

確かに、派閥政治は小泉首相本人に壊されてきた一面も強いが、小泉首相が首相を退任した後に派閥政治が復活するかといえばそれは否であろう。

それは小選挙区制という選挙システムと派閥システムが相容れないからであり、もはや時計の針を逆戻りさせることはできないからである。

 

なお、小選挙区制が、既得権益層票だけを取り込んで当選しようとする利益誘導型政治システムを壊す役割を一定割合で果たしていることも間違いがない。

地元の地盤が強い利益誘導型政治家までは突き崩せないのが残念だが…。

 

また、本来ならば衆議院は単純小選挙区制になることが望ましいのであろうが、自民党公明党連立政権を組んでいる限り、こればかりは実現不可能であろう。

しかし、健全な二大政党制に移行するためにはこの選択は避けられない選択になるのではなかろうかと思う。

とはいえ、創価学会自民党に組み込まれた挙句に最大派閥になったりしたらそれこそ悪夢である…。

また、一票の格差は徹底的に是正するべきだし、見直すべきである。

ところで、「総裁や党執行部が公認やカネの配分で独裁的な力を持つ。

「それでいいのか」と小選挙区制導入に徹底して反対したのは当の小泉首相だったし、一貫して非主流派を歩んできたこの人は昔は平気で党議拘束を破っていたような議員だったような気もするのだが、小沢氏顔負けともいえる現在の剛腕ぶりとそこに至るまでの変貌を見るにつれ、「時代の移り変わりというのはおそろしいものだなあ…」とついつい思ってしまう。

まあ、小泉氏は小沢氏のようにマキャベリズムを発揮しているわけではなく、原理主義的・頑固一徹的なやり方なのでその辺は少し違うのだが…。 

 

「二大政党制には多様な意見が反映されにくい」という欠点があるとはいうが、小さな政党がキャスティングボードを握る悪夢について考えれば、それぐらいのコストは払っても十分におつりがくるであろう。

それに、そのようなことを言う人というのは、そのご本人が自民党でも民主党でもない政党の支持者であることがほとんどであるし、「どうせ彼らの提案した法案は一つも通らないし、意見もほとんど反映されないのだからええやん…」って思うのは横暴なのだろうか…。

 

そして、これはあたりまえといえばあたりまえの話なのだが、私は、今回の総選挙で自民党公明党もしくは民主党が半数を取るシナリオであればOKだと思う。

あってはならないシナリオは反対派の無所属議員や共産党がキャスティングボードを握るシナリオであろう。

 

ただし、民主党衆議院過半数を取って政権を握ったとしても、これから少なくとも2年間はあらゆる法案を参議院で否決されるので、仮に民主党が政権を取ったら現実としては大変なことになるであろう…。

 

あと、小選挙区制の根本的な弱点として、一選挙区から一人しか公認が出せないことから、前職優先を基本とする慣例がまかり通る可能性が高く、そのことによって若返りや新陳代謝が進まない原因となっていることは見逃せないのかもしれない。

しかし、そのようなことをやっているといずれ手痛いしっぺ返しを食うであろうことは、自民党の公認候補が硬直している間に優秀で若い人材が次々と民主党から立候補し、彼らが無党派層を取り込んでいった事実から見ても明らかであろう…。

 

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