GOODDAYS 東京仙人生活

ひっそりと静かに生きる47歳仙人のつぶやき

そう簡単にノマドにはなれないわな

仕事場で仕事をせずに好きなところにいて仕事をするノマドワーカーという言葉がある。


今のネット環境を考えると、決まった場所でなくても仕事をできるわけで、それがテレワークやノマドワークといったスタイルにつながっていくのだが、会社でしか仕事ができない人や気持ちの良い季節にはオープンエアの場所で仕事をしたいなあと思うような人からすればそれはうらやましいとしか思えないであろう。

 

とはいえ、場所を変えて仕事をすると慣れないこともあって色々と疲れるようにも思えるのと同時に、外や家で仕事をして良いということは過程は全く問われず、結果のみを問われるということだから、随分と大変だろうなとも思う。

また、ライフスタイルとしてのノマドという概念もあり、これは、好きなところを旅したり住んでみたりしながら仕事を行うライフスタイルを指しているようである。

 

ノマドのスタイルを実践して推奨する人には本田直之氏、佐々木俊尚氏、四角大輔氏、高城剛氏、広義の亜種としてイケダハヤト氏や高坂勝氏を思いつき、解釈によっては堀江貴文氏のような人もその範疇に入るのかなと思う。

彼らの文章を読むと、ノマドスタイルでどのように過ごしているかだとかガジェットはどうであるかといったことには具体的な言及があるのだが、どうやってそのようなライフスタイルを手に入れたかといえば彼らの並外れた努力と圧倒的な能力によってなされた面が強い。

例えば、本田直之氏の文章には20年もの準備期間をかけて、時にはハードな仕事をこなす時期を経てコンサルティング業として成功するに至った経緯などについて触れているが、逆を言うと、ここまでスペシャルな人材にならないと簡単にはできない生き方ということになる。


そして、その境地に達するためには普通のサラリーマンとは全く違う目的意識と鉄の意志を持ってがんばり抜くことが必要なのである。


その意識の高さを見せつけられると「やはり、そこまでがんばらないとそういった贅沢な生き方は手に入らないのだな。自分はその域に達する能力も気概もないからこのままだろうな」という気にさせられる人は多かろうと思う。


ノマドの生き方をする上でどうしても必要になるのは、会社に属さずに自らの力で仕事を受注し、ネット上の作業とやりとりで成果を出せるようなフリーランスのスタイルなのだが、さらにそれを受け手に伝えている人というのは、実際に本を出したり、良く読まれるブログを運営している人になってしまう確率が高いので、ブログや書物の執筆やそれによるアフィリエイトといった作家業、もしくはノマドスタイルを啓蒙する啓蒙作業そのもので飯を食べているという側面を持つ人が多い。

作家や評論家というのもずば抜けた才能と運がないとできるものではないので、人に推奨するには不適当な稼業である。


会社に縛られない、しがみつかない生き方というのは多くの人にとっての憧れであり、本業としてやっていけるようになると思う業務を試運転させて本格的に軌道に乗せていくことでノマドスタイルを確立するのが王道だと思うのだが、本業としてではなく副業として奨められることが多いビジネスに対して僕は懐疑的である。


所詮、それではまず食べられないからそれらは副業として推奨されるわけで、例えば、せどりという転売ビジネスで実際に飯を食べられる人が少ないのと同じく、ネット上での執筆アフィリエイトが推奨されることがあるが、どうしても僕にはそれで飯を食べられる人がまともな人数だけいるとは到底思えない。

さらに穿った見方をすると、「それらの情報商材の売買で食べようとしていんじゃない?」とすら思うことがある。

それで成功するためには情念ともいえる情熱と、マスの心をつかむ才能に長けている必要があり、これならば株式投資で成功する人のほうがずっと多いだろうし、何より、普通に働くほうがずっと確実だと思う。


一人で営業活動をし、ネット上のやり取りでアウトプットを終わらせられるという能力と仕事内容について考えれば考えるほどノマドライフは高嶺の花であり希少性の高い存在だと思わされるのである。