注目カードといえるカードはメインイベント以外にはあまりなく、特に後半は顔見せの有名選手と対抗選手という構図のカードが多かったが、全カードが超豪華なことには変わりはない。
番組の放送順は違ったが、一応、試合順に感想を書く。
- 各試合ごとの感想
- ○アンディ・オロゴン VS ●金子賢 (判定3-0)
- ○永田克彦 VS ●勝村周一朗 (1RKO・パウンド)
- ○金泰泳 VS ●石澤常光 (1RKO・左ハイキック)
- ○所英男 VS ●ホイラー・グレイシー (判定3-0)
- ○ジャイアント・シルバ VS ●曙 (1R1本勝ち・アームロック)
- ○バダ・ハリ VS ●ニコラス・ペタス (2RKO・左肩負傷?)
- ○武蔵 VS ●ランディ・キム (3RKO・右ストレート)
- ○セーム・シュルト VS ●ピーター・グラハム (判定3-0)
- ○須藤元気 VS ●ジャクソン・ページ (1R1本勝ち・三角締め)
- ○山本“KID”徳郁 VS ●イストバン・マヨロシュ (1RKO・左ヒザ蹴り)
- ○チェ・ホンマン VS ●ボビー・オロゴン (1RTKO・パウンド)
- ○魔裟斗 VS ●鈴木悟 (2RKO・右ローキック)
- ○秋山成勲 VS ●桜庭和志 (1RKO・レフェリーストップ)
各試合ごとの感想
○アンディ・オロゴン VS ●金子賢 (判定3-0)
「金子選手の弱点は気持ちの弱さ」というアンディ選手の鋭い指摘がそのまま結果になったような試合だったような気がする。
とはいえ、グラウンドになったときに金子選手が攻めあぐねたのは事実だが、何度か早めにブレイクされたのはかわいそうだった。
立ち技をやる人間としては、「左手のガードが低くてサウスポーの金子選手には左ローキックと右ハイキックが有効だろう…」と試合開始直後に思って見ていたが、アンディ選手も同じ攻め方をしていたのにはビックリした。
○永田克彦 VS ●勝村周一朗 (1RKO・パウンド)
勝村選手は非常にすばらしい試合運びをしていたが、最後は体重差と超一流選手の身体能力に圧倒されてしまった。
去年に永田選手が対戦したのは絞って85kgの秋山選手なのに、今年は上達しているうえ、絞ったら60kg以下にまで落とせる勝村選手だったのだからさぞやりやすかったろう。
○金泰泳 VS ●石澤常光 (1RKO・左ハイキック)
金泰泳選手のハイキックがすごすぎた。
ローキックの軌道からああやって変化されたらそりゃ~ぶっ倒れるわな…。
○所英男 VS ●ホイラー・グレイシー (判定3-0)
所選手は強いし、ヒザ蹴りやパンチの思いっきりも良かったなあ…。
本当にいい試合だったわ…。
いい試合だったとはいえ、ホイラー選手はこれで納得して引退できるのかなぁ~?
○ジャイアント・シルバ VS ●曙 (1R1本勝ち・アームロック)
戦闘竜選手を腕ひしぎ十字固めで破ったジャイアント・シルバ選手の勝ちは100%揺るがないと思っていたから予想通りの結果となったが、もう少し長く見たかったですな~。
○バダ・ハリ VS ●ニコラス・ペタス (2RKO・左肩負傷?)
バダ・ハリ選手の調子は良かったですな~。
いい試合だったけど、ペタス選手が途中で肩を痛めてしまったのは残念でしたな…。
セコンドには新田さんがいましたなあ…。
○武蔵 VS ●ランディ・キム (3RKO・右ストレート)
ランディ・キム選手の善戦ぶりにビックリしたが、武蔵選手が左ストレートでもなく右ストレートで失神KO勝ちしたのにもビックリした!
○セーム・シュルト VS ●ピーター・グラハム (判定3-0)
ピーターグラハム選手の男っぷりと礼節ぶりと善戦ぶりが胸にジーンとくる一戦でしたな…。
○須藤元気 VS ●ジャクソン・ページ (1R1本勝ち・三角締め)
今までで最も予算がかかっていそう、かつ、お見事な入場シーンだった。
試合ではジャクソン選手の危険なパウンドに手こずったものの、きちんと一本勝ちをする極めの強さは須藤選手の真骨頂!
…とはいえ、この試合の直後に引退表明をしたのには本当にビックリした。
まあ、試合前に表現しきれる限界にまで出し切った感のある入場シーンといい、長引く怪我といい、本人の格闘技以外の分野への興味の強さといい、そのあたりを考えると絶妙な引き際だったようにも思う。
中田英寿選手ではないけど、世界を旅して回るらしいが、今後の須藤さんの行動に期待したいものだ。
○山本“KID”徳郁 VS ●イストバン・マヨロシュ (1RKO・左ヒザ蹴り)
やはり、総合とレスリングは違いますわな…。
しかも、KID選手は一流のレスリング選手なのだから、相手がレスリングの金メダリストとはいえ、光を消されることは事前より予想できたことで、まあ、ああいった感じになるのでしょうな…。
ところで、入場時に着ていた1億円の着物って、あれ、貸衣装じゃなくてオーダーメードという話だけど、「どこにそんな金があるの?なんで衣装にそんな金をかけるの?」と思ったのは私だけではあるまい…。
○チェ・ホンマン VS ●ボビー・オロゴン (1RTKO・パウンド)
この試合だけもこういう展開になることが事前に予想できてましたなあ…。
まさかここまでの秒殺になるとまでは思わなかったけど…。
チェ・ホンマン選手が体重が軽くても関節技を使える総合選手とやるのならばともかく、ボビー選手とやっても勝負になるわけないわな…。
○魔裟斗 VS ●鈴木悟 (2RKO・右ローキック)
結果は初めから予想できていたし、予想通りの内容となった。
リーチが長い鈴木選手は1Rにはいいストレートをを当てていたが、確かにクリンチ気味にからんで嫌がっていたとはいえ、あれで魔裟斗選手が倒れるということはまずないわけで、最終的にああなるのはわかっていたことですな…。
鈴木選手はきちんとカットしていたが、カットしているひざとスネを壊されたと言っているわけだからボクサーには受難だわ…。
○秋山成勲 VS ●桜庭和志 (1RKO・レフェリーストップ)
桜庭選手は、秋山選手の身体が滑ることが気になって仕方なかったようで、以下のような状況で試合が続いていたらしいが、そんな状況では試合になんぞ集中できるわけがないだろう…。
試合中に何度もタイムのポーズを取り、レフェリーにチェックを求めたが、要求は通らなかった。
レフェリーに動くようにせかされても「動けるわけない。確認しろ」と訴えた。
試合どころではない状態で、殴られるだけ殴られた。
これまで桜庭選手がいいわけじみた試合をした場面を見たことがないだけに後味の悪いメインイベントとなった。
秋山選手が試合前にいきなり裸になったことや、柔道時代に再三「柔道着が滑る」と抗議を受けたことがあったりしたことや、韓国系の選手であるせいがあるのかもしれないが、梅木レフェリーのブログが炎上していて9,000件以上の書き込みがあったのにはビックリした。
しかも、梅木レフェリーは去年の山本選手VS須藤選手ではやたらと早く止めたのに、今回は妙に止めるのが遅かった気がしたのは私だけではないだろう…。
とはいえ、後味悪いといっても、戦前も戦後も秋山選手のほうが打撃戦で明らかに有利に思えたことには違いなく、再戦する意義はあまり無さそうな気もちょっとしますな…。
バンコクのルーフトップバー