GOODDAYS 東京仙人生活

ひっそりと静かに生きる47歳仙人のつぶやき

球磨地方への想い・都知事選結果・気になった泡沫候補

俺は0歳から18歳までずっと宮崎市に住んでいたが、熊本県人吉市の病院で生まれた。

人吉盆地に母方の祖父母の家があったので、想い出もあれば、土地勘もあり、盆地からそそぎ出る球磨川中流の急峻さと景観の美しさも良く知っている。

そういった縁のある場所における災害であっただけに、今回の豪雨の被害の大きさには「もう、勘弁してよ…」とショックに感じた。

 

とはいえ、ここまで天災が多く、かつ、人口が減少していく国にあっては、過疎地における災害リスクと防災コストの折り合いをどうやってつけていくのかということについて、思い切った議論と決断が必要となってくるのではなかろうかとも常々思う。

もちろん、日本人は切り捨て的な議論が最も苦手ということも良く知っているのではあるが、新型コロナウイルス禍において感染防止と経済活動の折り合いのつけ方が問われ続けている現在の状況は、良くも悪くも日本人にとって選択の訓練の場となっているとも思う。

 

東京都知事選の結果は「女帝」小池百合子氏が6割の得票率を得て圧勝したが、それだけの都民が4年間の小池都政や小池氏の新型コロナウイルス対応を支持したということであり、その意思表明の結果は重いな…と感じた。

小池氏続投を支持しなかった俺でも、これだけの人が支持していれば文句なしとしか申しようがない。

年齢が増すほど小池氏支持率が上がっていたが、全年齢層で5割超えしていたということもわかった。

左派候補者の得票に関していえば、氷河期世代の中年層は山本太郎氏、団塊世代などの高年層は宇都宮健児氏支持が多いというのは予想通りだったが、10代・20代で山本氏支持が少なく宇都宮氏の支持が多かったことに驚いた。

この両者で左派勢力を完全に取り込んだであろうと思うが、合計得票率は約25%で、この層はほとんどが選挙に行っただろうから、有権者に占める岩盤左派層の割合はおおよそ15%程度なのかなと思った。

また、桜井誠氏は得票率3%で18万票弱を獲得したが、氏に賛同する「極右層」がこれだけいるという意味において、「これは無視できない数だな…」と思った。

俺が投票したのは小野泰輔氏だったが、人物像や実績がわからなくても氏に投票したのは他の候補者よりマシ、というか、「彼以外に選択肢がない、批判票を託すことができる人がたった一人だけいた」と思ったからである。

俺と同じように感じた人が10%いたということもわかった。

俺と同じフィーリングの層というか、この層の数字は個人的には重要に感じた。

 

小池氏の一騎当千の無双ぶりがこれでもかと示された選挙結果だったが、これは二階俊博氏の暗躍で自公が相乗った結果でもあるので、来年の都議選で都民ファーストの会が勝つのは厳しいということには変わりはないものと思われる。

頭の体操として、「今回、小池百合子氏と互角に戦える人っていたのかな?」という題目で考えてみたのだが、「立候補意志が全くないであろう人を想定してもいないな…」と思った。

ビートたけし氏や太田光氏では拒否層も多いだろうな…。嵐の櫻井翔氏やタモリ氏が仮に本気を出せば善戦しそうかな…。まあ、俺自身がこの誰にも投票しないのに列挙する時点で都民をバカにしてしまっているか…」などとしか思いつかなかった己の発想力の貧困ぶりを嘆いてしまうのであるが…。

 

泡沫候補のなかで後藤輝樹氏や西本誠氏が異彩を放っていたものの、俺の中では牛尾和恵氏が特に異彩を放っているように感じられたので、その主張を調べたら、ポエムのようなブログを書いておられていて、最も重要な発表手段である政見放送に出演せずニコニコ生放送に出演した時には数言話しただけで急に泣き出してしまって、結局そのまま退出して終了したのだけど、供託金の300万円を納めて立候補したことと、それを拠出したことにとても驚いたので頭から離れなかったのだが、最下位であろうことは完全に予想できたとはいえ1,510票を獲得したようである。

彼女の涙が1,510名の方の心に響いたということであろう。

東京都知事選の泡沫候補は毎回毎回ふざけているという意見はあろうが、どんな意見も問うことができる仕組みが存在しているということの尊さを教えてくれているものだとも個人的には思う。

 

f:id:gooddays-shumai:20200705232704j:plain雨が降った日の夕方にはすごい空になることが多いですよね…

 

情報を浴び続けること、そして夢の話

今のセミリタイア生活に入って、日々膨大な量の情報に接するようになった。 

PCの前に座っている時間が異常に長く、日平均で50サイトぐらいはルーティンで読み続けているし、それ以外の時間も図書館から借りた本やKindleで読書をし、iPadでdマガジンを起動して週に15冊程度の雑誌を読んでいる。

散策や散歩や自宅トレーニングや料理をしている時でも大抵はPodcastを聴いているし、テレビや映画やドラマも情報とみなすとするならば、異常な量の情報に接し続けているといっていいだろうと思う。

俺の周囲で俺ほど一日中情報を浴び続けている人間は俺の他には見当たらない。

 

しかし、情報に接すれば接するほど真逆だったり違った見解の意見に接することが多いので、どれが妥当な意見であるかを識別するのがより難しくなっていく。

もちろん、情熱を持って自分なりに真実を追えば自分の中での確たる意見が形成されるのだろうが、これだけ多種多様な情報が頭にインプットされていくなかで全てのジャンルを追うのは無理だし、だからといって一つのことをしつこく追うほどの興味も湧かないし、しつこく追った人がアウトプットした意見をインプットしてのこの現状なのだから救いがない。

 

例えば新型コロナウイルス関連で、感染者が多い国と少ない国の差はどこで生じたかという問いについて膨大な意見が交錯しているが、この中から真実を探すことなど、科学者でもできていないのだから素人にできようはずがない。

そういう意味では池田信夫氏のように自信を持って明確なポジションを取る人というのは「商売とはいえ、リスクしょってるよな~」と良くも悪くも感心する。

ましてや専門家の西浦博氏に関しては専門家会議のオブザーバーだったのに国を動かしてみせたのだからその覚悟と心労のほどは如何ばかりかと思う。

俺などは「西浦氏やりすぎ~」と思ってきたほうだが、俺のようなド素人からそう思われるなんて…と思うと同情の念を禁じ得ない。

 

情報を浴びまくって、浴びれば浴びるほど何が正しいのかわからなくなり、浴びる傍らで次から次へと忘れ続け、一体何のために情報を浴びているのかと言われると本当に答えに窮するのだが、でもできるだけ多くの情報をインプットしておかないと自分の中で納得がいかないというか、そうしないときちんと把握できないのではないか不安になるのである。

もちろん、インプットの結果、自分の中で納得のいく意見が形成されたにしてもせいぜい本ブログでそのごく一部をアウトプットする程度で、他には何もアウトプットしないのだから生産性はゼロである。

日々の俺のインプットが一応の本業である投資活動に与える影響も1%にも満たない。

生産性がゼロなのに情報を浴び続けるのはそのこと自身がとても楽しいし、単なる娯楽だからということになるが、浴びれば浴びるほど迷いが増すだけ、浴びないと不安になるだけ、浴びた横で忘れ続けるだけなのだから全くを持って不毛だなと日々思っている。

 

昔から寝ると夢を見る人間だったが、情報を浴びまくるようになって余計に夢を見まくるようになった。

寝ている間に脳が記憶を整理するために夢を見るともいうが、どうして記憶を整理するのにあんな奇妙な夢ばかりを見るのだろうと毎朝思っているところである。

夢の世界もリアルワールドと同じぐらい楽しく苦しいので、パラレルワールドを体験できるという意味では夢とは一粒で二度美味しい仕組みだなあとも毎朝思っている。

いや、リアルワールドに苦痛はほとんどないが、夢の世界では苦痛も多々あるわけで、そういう意味では迷惑でもあるのだが、しょせんは夢なので気にしないことにしている。

寝たい時間に寝て、アラームはかけずに起きたい時間に起き、昼寝をしたくなればこれまたアラームをかけずに昼寝をするという自堕落な生活をしているが、寝るがままに任せると昔より睡眠時間が伸びて8時間は寝るようになった。

もしかしたら記憶の整理に手間がかかっているのかもしれないなとも思う。

不毛なインプットは、その結果としての夢と睡眠時間の増加を生み出しているが、不毛が不毛を生み出しているとはいえ、なかなか愉快なものだと思って生きている。

 

f:id:gooddays-shumai:20200628143607j:plain大雨が降った翌日の日比谷公園でパンを食べていたら、普段よりも寄りが強い…ミミズも地中から出てきているとは思うのだが、お腹が空いたのかなあ~