先日、民主党の党首に前原氏が選ばれたが、このことは民主党にとって良かったのではないかと私は思う。
また、前原氏の考えを新聞等で読んで、「日本の野党もここまでまともになったか…」と感慨深い気持ちになった。
前原氏が掲げたという内容ですばらしいと思ったのは以下の内容である。
ちなみに、マスコミが着目した「戦う集団に変えていきたい」というセリフには、私は着目はしておりませぬ…。
- 労組とは是々非々の立場を取り、信念を曲げることはしない。
- 「すべて反対、何でも反対」の野党にはならず、重要政策では建設的な対案を示す。
- 審議拒否や牛歩戦術といった手は取らず徹底審議をする。
- 重要法案には必ず対案を示す。
- 憲法9条2項は削除し自衛権を明記する。
- 経団連からの企業献金は断り、企業献金は透明性があって利益誘導にならないもののみとする。
これらは、「うむ、この人は、自らの党のどこがいけなかったかを的確にわかっておるのだな…」と思いたくなる内容である。
先の郵政法案審議において審議拒否を指示した菅氏とは大違いである。
ところで、前原氏は「線が細い」と言われているようだが、仮にその下馬評を覆してきちんとこれらの方針を実行できたなら、民主党は十分に政権を担える党に生まれ変われるのではないかと思う。
ちなみに、私は岡田氏のことは嫌いではなかったけど…。
また、直前の演説が決め手となって前原氏は代表になれたともいうが、このように演説が得意な人がトップになるのはすばらしいことだと思う。
自民党が大勝し、せっかく形づいてきた二大政党制が壊されかねない状況にあるので、それを維持するためにも民主党にはもっともっとがんばってもらわなければ困るのだが、さすがにこれらの内容には期待したくなってしまった。
一度は政権を奪われないとまともにならないと思われた自民党も多少は自己浄化ができたが、民主党も今回の惨敗をきっかけに自民党を超えうる政党になって欲しいものである。
ちなみに、私もどちらの党を支持しているとかいうようなものはなく、適切な改革を大胆に行える党を支持するだけである。
なお、前原氏も同じようなことを言っていたが、自民党の改革は常に中途半端であり、仮にその部分において民主党が妥協をしないのであれば、今回大きく自民党寄りにブレてしまった無党派層の民意が民主党に戻ってくるのではないかと思う。
あとは、「小沢氏や横路氏あたりがいつまでもわけのわからない影響力を持ち続けるようなことがなければ良いのだが…」と強く思う。
ところで、自民党も油断はできないであろう。
今回の選挙において国民は、今後の小泉首相の行動に対する期待値が高いがゆえに自民党を勝たせただけであり、これまでのような骨抜き&ごまかしをやるようであれば、すんなりと民主党が政権を奪うことも考えられると思う。
何せ、比例選挙区での得票率は自民党が37%台だったのに対し、民主党は31%台もあったのだから…。
なお、前原氏が、旧社会党勢力を思いっきり冷遇したのはすばらしいことである。
むしろ、民主党を改革するために、小泉首相よろしく、社会党系議員をすべて排除して対立候補を擁立して欲しいぐらいである…。
冒頭に、「日本の野党もここまでまともになったか…」と書いたが、「自民党をダメにしてしまったことも含めて、一体、社会党のせいでどれだけ日本が損失を被ったのだろうか…」ということについて回顧すると本当に感慨深い気持ちになる…。
「非武装中立」などといったバカな主張を唱え、かつ、朝鮮労働党の友党であった政党が野党第一党を占め、改憲を口にしただけで大臣の首が飛び、日教組による教育が百花繚乱していた時代を思い起こすと現在の状況は隔世の感がある。
世の中には「与党と野党の違いがない」だとか「日本は右傾化している」などと言う人がいるが、「野党第一党は建設的であるべきであって、与党と似ていて何が悪い!」と言いたい。
自民党が政権を執っても、民主党が政権を執っても国が回る状況になったことは国民にとってかなり幸せなことである。
私もwmask先生もこの時期ほど政治に興奮した時期はないということで意気投合した、日本の政治の世界が大きく変わった1993年以降、当選回数の多い国会議員のほとんどは現・旧自民党系の政治家が占めるようになったのではないかと思うが、これも本当にすばらしいことである。