閉会式も壮大で立派ながらもやたらと冗長でしつこかったが、無事終わるかが何よりも問われた北京オリンピックがおおむね無事に終了しましたな…。
金メダル9つのうち7つは連覇というが、ニュースターが少ないのは、子供が多くて競争の激しい世代から、子供が少ないゆとり世代が選手の中心をなすようになった影響があるような気もする。
しかも、就職もうちらは超氷河期世代で、今の子は買い手市場のようですな…。
でも、メダルが少なかったってどうでもいいではないかと思う。
もし、問題があるとすれば、エコノミックな意味での国力に資する貢献力をゆとり世代が示せない場合であろう。
国が豊かで国土も広くスポーツ環境にめぐまれていて、大人も子供もスポーツを楽しみながら生活をするオーストラリアが毎回強いのはカッコいいと思うけど、必死さばかりが目立つ中国や韓国のメダルの多さをカッコいいとはちっとも思わない。
ゴルフなんかでも一生懸命ながらもなんだかんだで楽しんでゴルフをやっている日本人より、一族の期待を背負ってハングリー精神もろだしで必死に戦う韓国人が圧倒的に強いがあれを見ていると痛々しく思う。
日本も最近は子供にゴルフの英才教育を施す親が増えているというけど…。
そもそも身体能力では黒人・白人に到底かなわない黄色人なのだから、スポーツが弱くても、経済力や国力や文化力が豊かであればそれでいいではないか。
現在およびこれからの日本の国力の源泉は「フタを開けたら大事な部品は全部日本製」という現状を支えている素材・部品産業などにおける競争力だが、そういうところでさえ負けなければスポーツなんぞどこ吹く風だ。
毎度毎度出てくる論調が、「次回以降のメダルを増やすためにどうすれば良いか」だとか「国としてのサポート体制の強化」だとか「スポーツ省の創設」なんて話だが、健康を目的化するのならともかくなんでスポーツを目的化せにゃならんの?と激しい違和感を覚える。
個人的にはオリンピックのメダルの数になんぞどこ吹く風でいる国のほうがよほどカッコいいように思う。
10年ぶりにパリに行ってビックリしたのだが、パリの市民の何割かは黒人が占めていた。
ワールドカップのフランス代表選手もほぼ全員が有色人種である。
特に少し治安が悪いという郊外に向かう地下鉄なんぞほとんどアフリカ系黒人しか乗っていなかったのだが、あの混雑した地下鉄に乗って、183cm・80kg・格闘技プロレベルの自分ですら多少の圧迫感を感じた。
普通の日本人が乗ればそれこそ圧迫感はその比ではないはずである。
ヤツらが本気を出せば日本は絶対にかなわないと思う。
でも、フランスの金メダルは日本より少ない。
フランスは自国の文化の保持にはどの国よりも必死だが、おそらくはスポーツを目的化していないのだろう。
真偽のほどは知らないが、それでいいのだと思う。
しかし、今回大躍進したイギリスはスポーツに巨費を投じたらしいから残念である。
ただし、日本のプロスポーツ中のプロスポーツである野球にだけは参った。
24人で4,000,000,000円以上もの年俸をもらっておいて負け越したうえに、韓国・キューバ・アメリカ相手に0勝5敗ですか…。
確かにそもそも野球は6割勝てば優勝できるようなスポーツだし、ストライクゾーンが云々だとか、調子が云々だとか、色々と言い訳はあるようだが、日本におけるプロ中のプロがアマチュアにコテンパンに負ける光景だけは正直見たくなかった。
仮に前のWBCで優勝してなかったら二度と野球を見る気がしなくなるところだ。
日本のプロ野球、バカみたいに大げさな扱いで行われる甲子園大会、それこそ無数にある少年野球チームの価値が一気に激減するような無残な敗北だったが、あれで日本人選手の大リーグ志向が高まることだけは間違いない。
そして何より見たくなかったのは早速次回のWBC監督を星野氏に要請するNPB関係者の姿勢である。
名著「失敗の本質」を地で行く責任の所在のなさがまず嫌だし、やれ、長嶋だとか星野だという顔重視の人選が、いつかの大艦巨砲主義を彷彿とさせるようでもっと嫌だった。
あと、最後に…。
いつも思うのだが、体操の女子選手の発育ぶりを見て不自然に思わない人っているのだろうか。
ああいうふうになってまで栄光を求めるスポーツってのは特に嫌だ。