GOODDAYS 東京仙人生活

ひっそりと静かに生きる47歳仙人のつぶやき

国民健康保険と国民年金への別の資金の補填について

国民健康保険の赤字を市町村が穴埋めする例が急増しているということが一週間ほど前に報じられた。

本来は保険料の引き上げをするべきところなのだが、住民の反発を恐れて補填をすることでしのいでいるとのことである。

国民健康保険の未納者が10%もいて、健康なうちは未納にしておいて年をとって身体の調子が悪くなって入る輩が多いということがその大きな理由でもあるのだろうが、医療費の増加や医療費の多くを占める高年層の割合が地方においては高いこともその一因なのであろう。

逆に、住民の平均年齢が低い東京の自治体における国民健康保険料は地方の何分の一程度の額だという…。

ちなみに、大都市でも大阪市は高いと聞く。

 

まあ、そういうこともあろうが、それよりも、医療費全体を抑制する方策を急がないとマズいんだろうなと思う。

医師会は特定郵便局長会などと並んで自民党の有力支持団体なのでどうせそういった力学は働かないのだろうが…。

しかし、GDPに占める医療費の割合は日本はアメリカなどよりは断然安い。

 

未納で思い出したが、国民年金の赤字分というのは厚生年金からジャンジャン流用されているという。

サラリーマンが暴れだすようなことはまずないから、このようなふざけたことが公然と行なわれているのだ! これは橘玲氏のさまざまな著書に書いてあったことなのだが、意外にこの点についての社会的批判が少ないのはやはりサラリーマンがモノを言わぬ層だからに他ならない…。

 

そういえば、健康保険料はサラリーマンも3割になったから、ここでもサラリーマンが簒奪されていることがわかる。

ちなみに橘氏はこの状況が続き、将来の国費負担率が増えると想定するならば、国民年金は明らかに払い得で、厚生年金は大損だと説いていらっしゃる。

 

そりゃ、毎月13,300円で、段階的に値上げされ、平成29年以降は16,900円で固定になるが、払っていさえすれば、将来に1ヵ月当たり66,208円ももらえ、足りない部分は厚生年金や税で補填されるというのだから、誰がどう考えてもこっちのほうは払い得であるというものである。

そして、余談だが、一切の流用がなされないことが法で保障されている自営業者用の国民年金の2階建て部分の年金である「国民年金基金」に関して橘氏の言葉を借りれば「とてつもなく有利な金融商品」だということになる。 

 

しかし、橘氏は現制度が大きく覆らなかった場合を前提として今のような話をされているのであって、NTTの電話加入権を紙くずにすることを許可するこの国のことだから何をやってくるかわからないわけで、その辺のリスクについて考えると簡単に決定できないのだ。

国民年金保険料を支払わない人の多くは私と同じで、「今のシステムなら絶対に得することはわかっているけど、この国は何をやってくるかわからないからなあ…、どうせ支給年齢は上がるだろうし、支給額そのものが減らされるかもしれないし、減らされなくともインフレ率に連動しないかもしれないし…」などと思っているに違いない。

また、一応は年金の納付は義務であるので、遵法精神がそうさせる部分もある。

 

とにかく、本来の保険料以外の資金で補填しなくては立ち行かなくなるシステムなのだから、「社会保険料」などという逃げの言葉を使わずに、全部税金として徴収すりゃ~いいじゃん!と思う私でした。

自分が理想と思う税金について話すと長くなりすぎるのでもちろんここでは触れないが、私は、すでに中学生ぐらいの頃から累進型の所得税を嫌い、高消費税を支持していた少年であったことだけは述べておく。

 

【追記】
橘氏国民健康保険は過去にさかのぼって請求されることはないとおっしゃっていましたが、wmaskさんのご指摘・ご体験により、そうでもないことがわかりましたので追記させていただきます。