私はトレーダーを職業にしているのだから、日経新聞(販売300万部)を読めば良いのに、産経新聞(販売200万部)と朝日新聞(販売800万部)を読んでいる。
日経はあまりにつまらないので、インターネットの「NIKKEI NET マネー&マーケット」というサイトの気になった記事を読んで日経のエッセンスを読んだことにしてしまっているのである。
ところで、何故、この2紙を読んでいるかというと、それはこのような理由からである。
そもそも意見が近い産経のみを取っていたのだが、私が住んでいる地域では、産経の販売を朝日の販社であるASAが引き受けていて、そこの販売員が「タダでいいんで朝日も取ってもらえませんか…」と言うので、胸糞悪い気分になるかもしれないリスクを承知で「仕方なく」大嫌いな朝日も読むこととしたのだ。
ところで、「どれか1紙を読め」と言われたら、おそらくは読売新聞、もしかすると安い産経新聞かトレーダーらしく日経新聞かにするのだが、今度は、「どれか2紙を読め」と言われたらやはりこの産経もしくは読売と朝日の2紙を選んでしまう。
それは言うまでもなく、この2紙を比較して読むと、2つの意見を比較・検証しながら読むことができるからである。
とことん頑固に右寄りな産経と、本音はとことん左寄りなのだが、多くの層を意識しているためにそれをにおわせない工夫をして、やせ我慢な作りになっている朝日の関係がおもしろい。
何かあれば朝日対して名指しで食ってかかる弱小産経と、産経新聞を批判するときも婉曲的に皮肉って「相手していないよ」と言わんばかりに余裕を見せながらも内心腹を立てている”大”朝日新聞のバトルはかなりの見モノである。
また、朝日は相変わらずトボけたことばかりを言っているのだが、産経も負けじと右翼ばりに極端なことばかりを言っているのが「同じマスコミか」という感じがしておもしろい。
朝日が日教組組合員が読む新聞なら、産経は校長や教頭が読む教育委員会側の新聞で、新聞としては朝日に比べて地位の低い産経を地位の高い人が読んでいるところもおもしろい。
ところで、一般ウケなど毛頭狙っていない産経の偏り方には、例えば、イラク戦争で大量破壊兵器がなかったのはさすがに戦争容認派といえども多少はマズかったなと思うところを、小泉首相ばりに開き直ってみせるところなど、多少苦笑してしまうこともあるが、左寄りで綺麗ごとばかりを並び立てるマスコミが多い中で、これだけ堂々と「正論」を並び立てる産経新聞はさすがとも思う。
私は、隣に住む夫婦らしき住人の顔すらも知らないのだが、この住人は「産経仲間」なので多少の好感を持ってしまっているのだが、産経を読む人には親近感を持ってしまう。
逆に朝日を読んでいる人に対しては、確信犯で取っている人はもちろん、何もわかっておらずに惰性で取っているノンポリでお気楽な人にも警戒心を持ってしまう。
なお、私は朝日に1円も儲けさせたくないので、金を払っては取らない。
しかし、産経しか読まない人でこの新聞がある意味で偏っていることに気づいていない人がいたらそれはそれで怖い…。
産経ほどには極端ではない読売(販売1,000万部)は、スタンスとしてはベターだと思うのだが、「巨人・ナベツネ・強引な拡販作戦」という3大悪イメージに加え、昔、ある犯罪事件の詳細に関して私が知っていたソースを読売の一記者に提供したときに、「絶対に書くな」と言った内容についてまで書かれたことをいまだに根に持っていて、読売は今ひとつ取る気になれない。
また、毎日(販売300万部)も過去の一時期に試しに取っていたことがあるが、朝日ほどではないものの左寄りで、しかも内容が全然面白くないからこれは衰退してもしょうがないなと思ったものである。
豊海埠頭にて