貴乃花親方の周囲にはあまりに多くのことが起き過ぎた。
相撲だけでも、貴ノ岩関への暴行事件、理事会との悶着、貴公俊関の暴行の件、今回の相撲協会退職と部屋の閉鎖と次から次へと出来事があり、ご本人のプライベート関連でも、そもそもの母・兄との断絶、息子さんの結婚と離婚協議の件、8月にぶっ倒れた件、夫人との不仲説と話がありすぎにもほどがある。
ところで、貴乃花親方は夫人のプロデュースで、シコア=SHICOREという哲学を提唱されている。
俺は哲学の部分はスルーしてしまっているものの、確かに四股の効果はすごいとずいぶん前に感銘を受け、それ以来、左右3回ずつだけだが、地道に四股を踏み続けている。
昨今の貴乃花親方周辺のあまりの動きの早さにとまどいつつも、貴乃花親方のシコアの教えを守ってこれからも四股を踏み続けていきたいと思う。
先日のRIZINの那須川天心選手と堀口恭司選手の大一番は珠玉の試合だった。
総合格闘家がキックボクシングルールでやる時は常にそうなのだが、「2度以上は通用しないけど、1度目だけは通用するかも」と思われる手を徹底的に考え、駆使してくる。
俺も昔、須藤元気さんのスパーリングパートナーをやったときもそうだったが、総合格闘家はありとあらゆる引き出しを事前に用意してキックボクシングのリングに上がる。
そのことは受けて立つキックボクサー側もわかっているし、かつ、引き出しも出尽くしている感があり、那須川選手もそういったシミュレーションを十分にしていたと思われるのだが、堀口選手はこの大一番で那須川選手や観客の想像の上をいくパフォーマンスを見せ、試合のリズムを上手く崩すことに成功したので心底驚いた。
お互いに主導権が握れないまま贅沢な時間が過ぎるが、那須川選手は総合格闘家の弱点になりやすいローキックを軸にして地味に攻めることを良しとせず、ファンタジスタとでも言うべき閃きと創造性溢れる大技の数々を電光石火の速さで繰り出すことで受けて立ち、最終的には地力の差で勝利を収めたが、極度の緊張感に包まれた一度限りの大勝負を見せてくれた両雄に感謝したい。
特に、今回虎穴に入った堀口選手は、リスクを取って総合格闘技のリングに立った那須川選手やRENA選手と同じく、また、魔裟斗氏と名勝負を繰り広げた故・山本“KID”徳郁さんのように、本人が望む虎子を得ることになっていくのだろうと思う。
沖縄県知事選挙は予想以上の差が出たが、それだけ県民の想いが強かったということだろう。
基地の設置や移転は本質的には国と国の問題であり、また、辺野古移転訴訟は既に最高裁判決で沖縄県が敗訴しているが、この民意は無視できるものではないだろう。
なお、自民党が弱い沖縄県とその他の都道府県とで同じようになるとは思えないが、それでも、野党が連携すれば与党を倒すことができる可能性があるというのは首長選や小選挙区制のすばらしい特長である。
このメカニズムこそが政権担当者に緊張感をもたらし、より良い政治をもたらすことになるものと信じたい。
安倍首相は第4次安倍改造内閣は「全員野球内閣」と銘打っていたが、これまた既視感の強い言葉である。
全員野球とは補欠もみんな心を一つにしてがんばろうということだが、大臣を補欠と交代させずに済むような安定した政権運営を望みたいものである。
麻生氏はどうなるかなと思っていたが、続投だった。
森友問題で土俵際まで追い詰められたのに、首相だけでなく自分まで守り切り、先日の総裁選においても早々と安倍氏勝利を決定づけた麻生元首相の力量は本人がご高齢とはいえ、安倍政権にとって不可欠だったんだなあと思った次第である。
チベット・ヤルツァンポ川の秋