GOODDAYS 東京仙人生活

ひっそりと静かに生きる47歳仙人のつぶやき

匿名性と「生産性」

ちきりんさんという有名ブロガーがいらっしゃって、とても内容があるので、ブログを読んだことも多々あれば、本も数冊購読したことがある。

 

ちきりんさんは匿名性を大切にしているため、対談や講演などでもお面をかぶって顔を出さないようにしているらしい。

また、肩書による信用補強がなくても読む価値がある文章を書いているか知りたかったともあり、実際に匿名で大ヒットするのだから力量抜群ということを実力で証明しているわけである。

 

ところで、ちきりんさんとマッキンゼー出身の伊賀泰代さんという方と経歴があまりに似ているので、この方がちきりんさんなのではないかと噂が長らく出ているのだが、ちきりんさん本人はそのような無用な疑惑に関しては肯定も否定もしないことで噂をスルーして乗り切っているというふうに受け取れる。

もちろん、俺もそんなことを追求するのは野暮なことだと思ってきた。

 

しかし、このたび、ちきりんさんの「自分の時間を取り戻そう」という本と伊賀泰代さんの「生産性」という本がほぼ同時にダイヤモンド社から発行され、装丁のデザインや本のサイズや材質が似ていて、新聞広告を含め、これでもかというぐらい抱き合わせで並べられていて、ちきりんさんのブログにも双方の写真が写してある。

しかも、むしろ「生産性」の露出のほうが大きい。

ここまでやってしまうと同一人物と認めるなと言うほうが無理かもと思ってしまうのだが、このたび、敢えてそうされたのであろう。

 

俺が購読したのは「自分の時間を取り戻そう」のほうだけなのだが、この本にはこれでもかというぐらい生産性について書かれており、逆に「生産性」のほうは目次を読む限り人事のことについてばかり書かれている。

俺が会社で人事に関わることはなさそうなので人事への興味がわかず、今のところ読んでいない。

 

「ちきりんさんは橘玲さんなどと同じで匿名性というものを大切にしているのだな。そうだろう、そうだろう。今の暴力的と言ってもいいぐらいのネット社会において有名になって顔が割れていいことなんて何一つないもんな~。かしこいかしこい」と思ってきたのだが、今回からどう考えても路線を変更したように思った。

 

新たなシナジーを作るマーケティングだとすら思ったぐらいだが、もしかしたらもうバレバレなので、「こうなったらシナジーを発揮するか!」と思われたのかもしれん。

実際、ものすごくシナジーは発揮されたと思う。

 

ちきりんさんが伊賀さんなのだとしたら、ちきりんさんご自身の文章にある通り、いかにも悠々自適に過ごしている風にも見えながら、誰よりも生産性について考えて、本にある通り、ここぞという場面では自らをとことん追い込んでいるのだろうし、やはりマッキンゼーに17年間も残れたぐらいなのだから自己実現のために何かとインパクトを残す仕事をせずにおられない方なんでしょうな。

何せ一人でダブルキャラクターを演じて二人分のパフォーマンスを挙げてらっしゃるのだから生産性の高いことこの上なしである。

 

 

隣の国のことより自国と中国のことを

日本人はとにかく韓国に危機が迫るのを見るのが好きな国民なのか、そういったニュースは常にランキングの上位に表示される。

 

THAADミサイル配備を理由に中国と韓国の関係が一段と悪化し、韓国は経済面・文化面などで相当なダメージを受けているようである。

それを嬉しそうに報じる記事が多いのだが、個人的には中国のダーティーさに対する不気味さばかりがつのる。

 

日本も慰安婦像の件で韓国といざこざがあるが、韓国との関係が悪化しても日本にとってはさほど痛くも痒くもないのでどうでも良い問題である。

 

アパホテル会長がアパホテルに自らの著書を置いてある件に関して、中国政府が一民間企業の行為に対してコメントを出す始末だが、これに関してはコトが大きくならないか心配な面もある。 

確かに南京大虐殺の死者数は、当時の情勢を見るに、三国志で当時900万人しかいなかった中国で赤壁の戦いで100万人が死んでしまったと書くのと同じようなレベルに誇張されたものだと思えるが、実際のところどうだったかは俺にはわからない。

 

しかし、過去に何度も述べているように戦前の日本人の国内外における人の命を命とも思わない所業組織力・トップの無様さのどれをとっても全く褒められたものではないのでこれらをかばっても仕方がないとも俺は思う。

かばっても仕方ないものをかばうことはないと思うし、外に向けて発信すれば良いのに内弁慶なのもどうだかと思う。

 

中国も本音では難癖をつけたいだけだとも思うが、建前上、中国がしているのは一応は過ぎてしまった歴史に対する批判ではなく歴史認識に対する批判である。

一部誇張されたりねつ造されて腹が立つにしても戦争に敗れたのだから、過去は切り離して否定するなり、認めて終わりにしてしまえば余計な苦労せずに済む話なのだ。

 

中国が韓国と同レベルの国家であれば関係悪化も辞さなくて良いであろうが、今日の世界において経済力・軍事力において全くそのような状況ではない。

トランプ氏やプーチン氏や中国の跋扈ぶりを見てもこれからの世界はきれいごとでは済まされない。

世界各地の人権弾圧を見て見ぬふりをする世界になっていくのだろうが、せっかく選挙をさせてみても民主主義が根づかないところにあれこれ手を入れても痛い目に遭うだけなのだからもはやほっとくしかないのだろう。

 

購読している読売新聞の社説や論評にはトランプ氏に対する説教口調のような文脈で書かれていたり、アメリカが世界の警察官であり続けるのが当然と言わんばかりの文章が目につくのだが、中露を見ても米英を見てもEUを見ても理想を語ってもしょうがない恐ろしい時勢になってきている。

 

つまらぬことにムキにならず、冷静に損得を考えて行動しないと痛い目に遭う嫌な世の中である。

そうでなくても中国の領土領海への野心、独裁国家との連携ぶり、資金をちらつかせての港湾利用、情報統制等々、全力で注意しなければならないことばかりで、歴史認識になんぞ構っている場合ではなさすぎる。

隣の国を見て自らの国の危機を未然に防いでいかないと大変だと思う。