そんじゃそこらでは負けないと思う自分の強みについて述べるが、自分では掃除と整理整頓にだけは自信があるつもりだ。
単純に俺よりも掃除と整理整頓を徹底的にしている人間を見たことがないからそう思うのだ。
もちろん、これを神経質の超A型の潔癖な性格と言ってしまえばたちまち弱点にもなる。
10日に1度程度の元気がある日に、Podcastの番組を聴きながら、90分かけて床・レンジ周り・ベランダの手すり・窓の桟などを全て拭き掃除をしているし、掃除機は毎日かけているし、モノも一切散らかしたままにしないようにしているので、いついかなる時に人が来ても片づいた状態で応対できるし、そもそも、来客があるからという理由で特別な掃除をすることを自分自身に禁じている。
俺はこの90分掃除を「家事スポ」と呼んでいるのだが、スポーツほどではないにせよそれなりに体力を消耗量する。
でも、70㎡弱のマンションの部屋だからやれるだけで、一軒家で我が家より断然広い実家で同じことをやれと言われたら絶対に無理である。
うちのご主人は断捨離だとかシンプルライフの本は読みつくして何週もしているような人間なので、その種の分野に関しては似た者同士である。
ちなみに俺は徹底した拭き掃除志向で、使うのは数枚の雑巾とモップハンドルとはたきとアルコールとカビキラー程度、うちのご主人は重曹・クエン酸・塩素系&酸素系漂白剤といった粉や液を駆使するタイプなので相互補完ができているのだが、水拭きとアルコール拭きで満足する俺に甘いと思うこともあるらしい。
なお、機器を解体しての掃除などもうちのご主人のほうが得意である。
なので、掃除魔とはいっても俺はダスキンのような仕事には不向きだろうと思っている。
掃除分野では似た者のうちのご主人に俺の強みを聞くと、俺の認識とは違う回答が得られた。
「不快なまでの嗅覚の良さ」と蓄積的な意味で「地図・地理・街散策を愛する情熱はすごい」との回答だった。
確かに嗅覚には絶対の自信がある。
でも、誰もわからないような臭いに一人だけ反応して臭い臭いと言っていることのほうが多いので、これはむしろ有害だと思っている。
地図・地理・街散策に関してはネット上で、もはや情念としか思えないほどに極めたる猛者を見ることがあるので個人的にはまだまだと思っている。
両方ともうちのご主人の得意分野でないがために突出して感じられたのだろうと思う。
ちなみに俺がうちのご主人のここがすごいと思うところは、「地獄耳」と「これはと思ったことがあればしつこく調べ続ける能力」だとと思う。
飲食店で隣の人が話している内容なんて、俺はそんなに耳が良くないし、目の前の人と話しているときですら考えごとをし始めると上の空になるシングルタスク人間なのに、うちのご主人は俺と普通に会話しながらでも隣の席の人の会話の内容を毎回完全に聞き取っていて、帰り道に話の内容をわかりやすく再生してくれる。
しかも主語や目的語や話の背景が抜けまくる俺と違って順を追って話すことができる。
隣の席との距離があって俺にはほとんど聞こえていない場合でもそうなので心底驚くのだが、要は俺は嗅覚と裸眼視力が、うちのご主人は聴覚と話の再生力が異様に良いというだけの話である。
また、俺もうちのご主人も「知ること・学ぶこと」が何よりも好きな人間だが、俺は意識や対象が散漫なのに対して、向こうは集中力と執着力があるのでかなわんなと思う。
掃除で俺が全箇所網羅拭き掃除志向なのに対して、うちのご主人が各所根治志向なのと似ているかもしれない。
また、俺の強みに関して、うちのご主人から「体格の良さと格闘技をやっていたことによるフィジカル面についてはそうなんじゃない?」と言われたが、長らく格闘技をやっていたら格闘技が強くなるのはあたりまえだし、骨太で身長が高い人間が格闘技をやったらゴリになるのはあたりまえだし、それでもアムステルダムを歩いたらたちまち普通の人になってしまうわけだし、そもそも身長が高くてゴツいと、座席は狭く感じるわ、フェミニンな男子がモテる日本では相手に無用な威圧感を与えるわでメリットを感じることがないので、これも嗅覚の場合と同じである。
ついでなので、リングではなく路上で取っ組み合いになったと想定した場合に、俺がどういった事前脳内シミュレーションをしているかということについて、次回に述べたいと思う。
また、俺とうちのご主人の共通の強みは住む部屋に対する自己満足度の高さではないかなあと思う。
万人がそれぞれそうであって欲しいと思うおめでたい部類の話である。
同居して10年強で、今のマンションの部屋を購入して住んで7年弱になるのに、完全に満足してしまっているがために、部屋のモノや内装は百年一日のように変化がなく、変化がないのに自己満足度も極めて高いままである。
リノベーション直後に浮足立って自己満を語ってもしょうがないと思っていたのだが、7年近く全く変化のない状態を保てていればそろそろ良いかなと思ったこともあって、今後、少しづつ我が家のリノベーションとインテリアの詳細についてシリーズで述べていこうかと思う。