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社会全般について思ったことをここでつぶやいてます

日本社会が移民にとって心地良くなりようがない理由

日本において、少子高齢化に伴う移民の必要性はいまは反対派が多いにせよ、時間が経つにつれて叫ばれていくことになるだろうが、明朗な言語による主張ではなく、「あうんの呼吸」で成り立つ社会が移民にとって心地良いはずがない。
文化論的根拠を挙げたり探したりすればいくらでも出てくるだろうし、他の社会にもそういった側面はあるのだろうが、特に日本という国は「あうんの呼吸」で成り立つ部分があまりに多い社会を長い時間をかけて作ってしまった。
それには長所も短所もある。
長所は何も言わなくても相手がこちらの事情を察してくれるからほとんどノンストレスで日々を過ごせるということである。

実際、僕はこの長所の恩恵を存分に受けて、消費者としてはもとより、生産者(=自分の勤める会社)としても他人に対するストレスがない日々を過ごせている(ストレスは自分のミスに対する自分への怒りだけ)。
短所は普段ストレスがないものだからストレス耐性が極端に弱くなってしまうという逆説的な面であり、もう一つは言うまでもないことであるが、皆が空気を読み合ってコミュニティーが成り立っているため、それを破る際に「空気を読め」という圧力がかかりやすい面であろう。

かつては自由に意見を言えない空気のために無謀な戦争に突入し、突入後も引き返せなくなった日本ではあるが、今の時代においては同調圧力があったとしても、今は軍国主義の時代ではなく、また、思ったことを言っても殴られることなどないのだから(殴られたら絶対に我慢せずすぐに警察に行けば良い)、空気を読むかどうかは個々の自由ゆだねられているともいえる。
しかし、日本社会において全く空気を読まないで過ごすならばだんだんとコミュニティーからつまはじきに合うであろうことは否定できるわけがないので、おそらくはそれが得意にはならないであろう移民にとって心地良くなりようがないのである。

しかし、高齢者がリタイアせずに働き続けるだとか(=年金支給年齢を遅らせ、かつ、定年退職制度を禁じるなど)、北欧のように専業主婦を軽蔑する社会的風潮が醸成されない限り、もしくは同じく北欧のように夫しか働いていない家では家族を養えない給与体系と税率にならない限り、この国の労働者率は不足していくわけだから、いずれは外国人労働者に頼らざるを得なくなるのは間違いない。
個人的には、まず、専業主婦優遇税制および第三号被保険者が存続する年金体制を漸進的に改めてもらって、金持ち以外の専業主婦には即時働いて納税をしてもらいたいと思っているが、それをやってもいずれ外国人労働者は必要になる。

衆道徳などがそうだし、さまざまなことを想定した性悪説的なルールの制定の必要性もそうだと思うのだが、日本社会が外国人居住者にとって居心地が良い社会に変化していくことは、かなりの部分において日本人にとって居心地の良くない社会に変化していくことでもあるのだと思う。

しかし、いずれ外国人に頼らざるを得なくなる中で、個人的には逆に移民が増えることによって社会が良くなっていく面もたくさんあるのではないかとも期待している。
外国人から見たらクレイジーとしか思えない長時間労働サービス残業や低い有休消化率や「お客様は神様」といった滑稽な慣習の是正などはまず最初に期待したいところである。
あとは、仕事の範囲が重複してお互いで補い合う点は日本の会社の良いところではあるが、それによって起こる責任の所在があいまいになるという短所や、誰がミスをしたかをぼやかして組織全体でかばうという非合理的な美徳(これは歴史を顧みるに日本人の最大の弱点なのではないかと個人的には思っている)が排除されることによって生産性・合理性が上がることなどは期待できるのではないかと思う。