GOODDAYS 東京仙人生活

ひっそりと静かに生きる47歳仙人のつぶやき

アベノミクス選挙で思うこと

選挙は総理大臣の専権事項だからいつ行っても良いとは思うし、どのような政権ができようが民主主義選挙の手続きを経ている限りは国民に責任あるのだが、それを公正なものにしていない唯一の問題はいつになっても解決しない一票の格差の問題であるといえ、この問題だけは是正されないと困ると思う。

 

なかには、人口比で選んだら都会の意見だけが通って農村の意見がほとんど通らなくなるので、単純に人口比で選んで良いものではないと声高に言う人もいるが、それは都市住民の基本的人権を軽視した意見であり、論ずるまでもない。

 

これからの日本国は、長期的には人口が減って、労働者率が減って、年金生活の高齢者が増える。

それなのに財政赤字は増加の一途で首が回らなくなっている。

景気も大切だが、長期的にはこれをどうにかするために以下の7つの選択肢を組み合わせて最適解を作り出さねばならない。

 

  1. 高所得者からより多くむしり取る。
  2. 企業からより多くむしり取る。
  3. 税を増やさずに福祉を軽くする。
  4. 税を増やして福祉水準を維持する。
  5. 定年を法律で廃止させるなりしてリタイアを大幅に遅らす。
    専業主婦に働いてもらうよう促す。
  6. 子供を生むインセンティブをとてつもなく上げて出生率を上げる。
  7. タバコに10倍以上の尋常ではない税金をかける。


7は個人的な願望ですみません。

 

とうとうボーダレスになってしまった現代社会において、高所得者から取ると優秀な人材もしくは財産が海外に流出し、企業から取ると企業が海外に移転するのでこれらは禁じ手であり、共産党のような政権を狙う気が全くない政党しか口にできない。

なので、本来なら、3か4のどちらかを迫り、5と6の必要性を訴えるのが正しい策なのだが、全ての政党がこれを後回しにしている。

議員の定数を減らそうが、公務員の給料を減らそうが、経済成長によって税収を増やすと夢を語ろうが、最終的にはこれらに向き合う必要がある。

 

3の低福祉と4の高福祉のどちらにするかを迫ることについて、全ての政党が正面から論ずることを避けている。

 

5や6は必ずやらなければならない解なのだが、全政党が及び腰となっている。

個人的には児童手当は国民年金と同額もしくはそれ以上でいいと思うのだが、専業主婦への年金支払いには寛容な国民が児童手当にはあれほど厳しかったのは日本が儒教社会だからだろうか。

それとも若年層の投票率が低いからだろうか。

 

今回の選挙の争点となっているはずの消費税増税延期も全政党が賛成のようなので争点不明な状態だが、政党側も増税を叫ぶと選挙に負けるとわかっていて、それでそのように掲げているのだから、後にどうなったとしてもこれは完全に国民のせいでもある。

 

とはいえ、過去の消費税増税時もそうだったが、この国の国民の消費税増税後の消費の落ち込みは毎回尋常ではないので、現在のあまりに酷過ぎる指標を見ると今回に限っては増税延期もやむなしかなとは実は俺個人も思う。

その代わり今後はさらに待ったなしにならざるを得なくなる。

それでも政党や有権者がこれまでのような逃げの選択肢を選ぶのであればこの国もそれまでということであろう。

 

財政がどうにもならなくなれば福祉などと言っていられなくなってギリシャと同じで泣く人がたくさん出るだろうが国民全体で自業自得なのである。

 

もう一つの争点であるアベノミクスについて。

 

永遠のパラドックスでもあるのだが、家計にとっては浪費が悪で貯蓄は善なのに、経済全体にとっては浪費が美徳で貯蓄は悪である。

金が浪費されてどんどん回らない限りは全体のパイが増えないのだが、貯蓄しなくても良いと思える安心がないと人は貯蓄を止めない。

それでもどんどん国民の貯蓄率は落ちているではあるのだけれども…。

 

そして、このスパイラルを破壊するために、徹底した金融緩和や、円安誘導による輸出増大および原材料価格高騰による商品価格の値上げといったありとあらゆる手を使ってインフレ状態を作って物価を上げて、「貯蓄は損」の状態を人為的に作って消費を煽るのがアベノミクスということになる。

これだけ長い間デフレに苦しめられると、「物価が上がるから今のうちに買っておかないと損」という世知辛くも思える状況を作ることでしかプラス方向にスパイラルが回りだすとは思えず、そのためにはアベノミクスのアプローチが比較優位にあるのではないかとあたりまえのことを思う次第である。

 

ここでは定期昇給やベースアップについては考えないこととするが、20万円を給料にもらって20万円全てを消費する人が、去年と全く同じ仕事をして給料は19万円に減ったものの去年と全く同じ消費行動をしても19万円しかからなかったという状態が続く限りは景気は上向かないが、去年と全く同じ仕事をしていたのに給料は21万円に増えたけど、去年と同じ消費行動をしたら21万円かかってしまったという状態になれば景気は上向いていくということなのである。

この場合、「実質GDP」が変わらなくても、「名目GDP」が増えることになるが、この名目GDPが増えることこそが貯蓄性向を抑えて景気を増大させることにつながっていくのである。

中央銀行の独立性を尊重しすぎるがためにデフレを放置したこれまでの政権と違って、積極的に日銀と連動し、2%の物価上昇目標=インフレターゲットを定めて、異次元の金融緩和を始めとして思い切った金融政策行うのがアベノミクスということであり、俺はこれを支持し続けている。

 

そういうふうに考えると、かつての牛丼屋の値下げ競争は悪で、幸楽苑が290円ラーメンをやめるのはいいことなのだ。

でも、企業の内部留保ばかりが溜まりつつ、給料が上がらないというのは最悪なので、安倍氏は経済団体などに賃上げを要請し続けているようですがね。

  

そういや、美味いビールに高税率をかけ、発泡酒第三のビールといった不味い飲み物の税率を低くする税制のいびつさについては以前よりけちょんけちょんに言ってきましたが、これについては改正されそうな機運が高まっているので良かった良かったと思っちょるところです。