GOODDAYS 東京仙人生活

ひっそりと静かに生きる47歳仙人のつぶやき

我が家自慢と変わる世相と

今年は勝どきの自分が住んでいる丁目の地価上昇率が10.9%で都内で最も高かった。

といっても俺がローンを返しながら保有しているのは戸建てではなくマンションだし、売る気は全くないのであまり意味のない情報なのだが、裏を返すと過去に安く買えたという意味ではとてもラッキーだと思う。

 

自慢にはなるが、我が家は隅田川沿いで川面や東京タワーや浜離宮築地市場勝鬨橋が部屋の目の前に広がり、ゆりかもめをはじめとした多種多様の野鳥が飛ぶ様子を窓の外に見ることができる、地価上昇率が最も高かった丁目のなかにおいても極めて景観の良い物件だが、今の中古マンションを買ったのは震災から半年も経たないうちのことで、東京湾河口の物件を買うということに対して世間はとてもそういう空気にはなく、購入を決断するにあたっては相当な蛮勇が必要だったことを今更ながら思い出す。

東京オリンピック開催が決まって、選手村ができるということもあって盛り上がっているというのもあるが、震災からわずか3年しか経たないのにこの変化は何だと強く思わずにはいられないというのも住民からしたら正直なところである。

 

以下、自分が不動産を買ったときの履歴を述べる。

 

今の会社に入って半年は我慢したものの、片道1時間の「遠距離通勤」に嫌気がさして、長いこと住んでとても気に行っていた練馬区を離れて、築地にある会社まで歩いて行ける勝どき・月島地区に6年半前に引っ越した。

これまで都内を5回引っ越して、前に住んでいた練馬区もかなり気にいっていたのだが、今住んでいる地区は、水辺が多く、道が広々としていて、勝どき駅トリトンスクエア間を除いて幅員の割に人や自転車の通行や放置自転車が圧倒的に少なく、風が吹いているので比較的夏も過ごしやすく、環境も静かで、佃・月島・築地の粋があり、住民の質も極めて良く、銀座に歩いて行け、電車でどこに行くにも多くの人と逆方向になることなど、この地区の特性にすっかり魅了され、これは杉並区から越してきた妻も同様で、不動産を買うならこのエリアがいいなと引っ越してすぐに思うようになり、それから趣味を兼ねてこの地区の不動産の売買価格がほとんど頭に入るぐらいに3年間定点観測を続けていたところ、3年前に先の大震災が起こり、不動産の価格が目に見えて下がったので、もしこの地区で本当に買うなら今しかないと思って綿密な検討に入った。

 

液状化が起こった地区とそうでない地区があるが、勝どき・月島や豊洲では液状化はほぼ起こらなかったこと、湾口の狭い東京湾では大津波の心配はなさそうであること、一応は住むマンションがスーパー堤防上にあること、マンションが免震構造になっていること、東京で大地震が起きたら怖いのは津波ではなく木密地区における火事だろうと思ったこと、住んでいる丁目全域が防火地域であること等を考慮して購入に踏み切った。

 

今住んでいる物件が売りに出されたとき、こんな景観の良い場所にある物件が予算内の価格で売りに出されていることに対して「キター!」と興奮した記憶は今でも残っているが、他に買いたがっているという人がいると聞くなかで売り手の指値こちらの指値の間を狭めつつ、別の買い手と競合しながらも、こちらの信用力を高く見てくれて話が折り合ったときの喜びは相当なものだった。

こちらの当初指値より100万円高い価格を売り手の最終ラインに指され、泣く泣くそれを飲んだ苦い記憶も今となってはいい思い出というものである。

地価上昇の報を聞くまでもなく、3年にわたる目利きの結果、心底納得できる価格で買って、スケルトン状態から完全に納得がいく状態にリノベーションした我が家への満足度は、住んで2年半経った今も変わらず百点満点のままである。

 

唯一の誤算は固定で組んだ住宅ローンの金利が俺が借りた当時より今のほうが若干低いことぐらいだが、これもそう長く低止まりのままではいられないだろうと期待している。

あと、地震が起きた時に俺が想定してもいなかったことが起こらないことを願うばかりである。

 

下は、リビングから描いたスケッチです。

 

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