カムチャツカやらシベリアやらで夏を過ごしたと思われるゆりかもめがちらほらと帰ってきていたのだが、昨日、ほぼ全員が帰ってきたように思う。
川の目の前に住むようになる前は鳥の様子を長々と眺めるというようなことはなかったのだが、今はベランダに座って鳥を眺めるのが朝や昼に家にいるときの日課になっていたので、ゆりかもめが帰ってくるのがとても待ち遠しかった。
水辺でぷかぷか浮かんだり、市場の屋根や鉄棒に留まったり、行きかう船をギリギリまで待って避けたり、広げたら幅50センチはあろうかという翼で優雅に飛ぶ姿は見ていて本当に気持ちが良い。
それにしてもよくもまあ、こんな同じポジションに帰ってくるものだと思うぐらい止まる場所が同じなのもおもしろい。
ベランダから双眼鏡で鳥の様子を眺めていることもあるのだが、一歩間違えると通報されかねないので注意せねばと思う。
バードウォッチングとやらも一歩間違えば変質者扱いされかねないので…。
ゆりかもめの生息も楽しいが、雀の動きや行動パターンを眺めるのもとても楽しい。
しかも、雀は一年中楽しめる。
俺はゆりかもめを見るのが大好きだが、妻は雀の様子を見るほうが好きらしい。
雀はどこか遠くに渡ったりせず、天敵もいなさそうで、いかにも目的のない動きを繰り返したり、追いかけっこを楽しんでいたりする様子を見て、「来世は雀がいい」と妻はいつも言っている。
ところで、ゆりかもめは沖合に行って寝るらしいので寝ている様子を見られないのは仕方ないが、雀はその辺の木々で眠っているらしいのにどんなに探してもそれを見つけられないのがもどかしい。
真っ白なゆりかもめが雪崩のように帰ってきてほとんど姿を見なくはなったが、カラスもどちらかというと年中いて、この前は近くに巣を作っていてちとうるさかったが、どうしてもカラスが好きになれないのは、脳に刻まれたカラスに対する負のイメージと特に朝方にうるさい鳴き声のせいだろうと思う。
ハンガーの針金を使って巣を作ってしまうようなずば抜けた頭の良さを持ち、八咫烏(やたがらす)のような正のイメージもなくはないのだが、どうしても、負のイメージが強すぎる。
俺が好きなビートルズの歌に「Black Bird」という歌があるのだが、これはカラスではなく、クロウタドリというスズメ目ツグミ科を指すらしく、カラスを指すのではないのであしからず。
鳩はこの河岸では地味な存在で、大柄なゆりかもめのように見栄えしないし、雀のようにかわいらしくもないけど、いつもカップルで行動しているので見ていてほほえましくなりますわね。
とにかく、4月までゆりかもめの様子を眺める楽しみができて俺はとてもうれしいのです。