実はこのところ、アンティークとまではいかないけど、古いものに魅力を感じるようになっている。
そのように価値観が変わると、見える景色がまるで変わってくる。
まず、店で新しいものを見ても安っぽく思えてくることが多いのだ。
鉄製のものなんて、これまでは新しければ新しいほど、光れば光るほど良いと思っていたのに、今はくすんだりさびたりしてないと味がないように思えてくることが多い始末だし、木製の家具も古くなければ安っぽいとしか思えないありさま。
これまでは家具のくすみや傷なんて消してしまいたくてしょうがなかったのに、今は逆にくすんでいたほうがいいと思えるし、傷だって多少はあったほうがカッコいいと思えるから不思議だ。
特に買い換える理由なんてないのに、そろそろ買い換えようと思っていた家にある単機能の家電がなんとも輝いて見えるし、逆に買ったばかりの機能の充実した家電はなんともなじんでいないというか、青くさいというか、「まだまだ甘いわ~」と思ってしまう。
もちろん、その限りにない衣類も多いが、靴も服も多少はくたびれて色が落ちているぐらいがカッコ良く思えるから、昔ならそろそろ買い替えかなと思っていたような服や靴を「いつまでも着ていたい」「ずっと履いていたい」と思う。
もちろん、薄汚いだけのオヤジにならないよう、気をつけなければならないのは言うまでもない。
俺が住むマンションの部屋の外の廊下も古くてどうしようもないと思っていたのに、これがなんとも味のあるレトロな空間に思えてきたし、そんなことを言っていたら、もともとオシャレではないけど味だけはあると思っている月島の街がもっともっと味があるように思えてきた。
仮にマンションを買うにしても元々新築志向は全くなかったのだが、今となってはむしろ味のある古めのマンションのほうがカッコいいと思うぐらいになっているけれども、マンションなんてものは新しいほうが工法的に耐久性もあるし、耐震技術も施されているんだろうから実際に選ぶ段になるとそこが困るところだ。
このパラダイム・シフトが起きると、今使っているものを大切に使うようになると同時に、新しいものを買う気がなくなり、デフレを助長する。
とはいえ、アンティークショップに行くとその値段の高さにビックリすることもあるのだが、皆がこういったものを購入したらデフレにならずに済むのかな?
ちなみに近所の勝どきにとても魅力的なアンティークショップがあるのを発見したので以下に紹介しておきます。
12月に車を借りて茨城にあるキヤアンティークスにも行ったのだが、小物をちょこちょこ買ったぐらいで、特に大物は買わなかったけど、こういうものは見るだけで心が満たされる。
とはいえ、誰から何も言われずとも「断・捨・離」を地で行く俺がモノを買うということはとても珍しいことなのだ。
我が家のベランダ