GOODDAYS 東京仙人生活

ひっそりと静かに生きる47歳仙人のつぶやき

暗い世相の2009年初頭に…

株価も下がり、とかく暗い世相だ。

永田寿康氏の自殺もあった。

年始に日比谷公園派遣村を見に行ってみようと思っても結局は面倒で行っていないが、今冬は派遣切りの話題がマスコミなどで多数取り上げられた。

 

自分の周囲にそんなに生活に困っている人は誰もいないし、今年の冬に困った状況に陥った労働者の絶対数がそこまで多いようにも思えないのだが、国民の多くはこたつにぬくぬくと入ってテレビを見ながら派遣労働者の身を案じて年末年始を過ごしたのであろう。

自分にも派遣社員の知り合いはたくさんいるが、その多くの時給は1,600~2,500円程度で、普通のアルバイターより断然給料も多く、特に生活に困っているようにも見えない。

関係ないけど、僕が住んでいるあたりでは普通のスーパーなんかでも時給が1,000円~1,200円なのだが、「フリーターの人はこのエリアに通勤してアルバイトすれば近所でアルバイトするより儲かるのに…」と思ったりもする。

 

ところで、トヨタの従業員は約7万人で連結だと31万人超になるそうだが、内部留保の13兆円を31万人超で割ると一人あたり4,000万円以上は残る計算になる。

もちろん、内部留保は現預金だけではないのだが、連結でなく単体だったらそんなものでは済まない。

そこまで利益を溜め込んでいながら安~い賃金でトヨタの莫大な利益のために献身的に働いてくれた派遣社員をガンガン一気に切るのも世知辛い話だが、さらに部長クラスの2,000人に新車を買わせるとはなんというケチさよ…と思わず苦笑した。

そして、これが「強制ではない」というあたりがさらにいやらしい。

トヨタという企業は実に多くの税金を納めていて、多くの雇用を確保し、日本の経済を最も引っ張っている企業なのだが、「名古屋」「1位嫌い」「昭和人のステータスシンボル」「下請けをたたきすぎなイメージ」「利益溜め込みすぎ」で、昔から今一つトヨタを好きになれずにいるが、自分の家の車が新旧フォルクスワーゲン以外は何故か全て日産車だったことにも遠因していると思う。

 

話題が変わるが、最近、ブータンの幸福度が着目されることが多い。

電気もないような場所で生活していても幸福度は高いのだそうだが、それは電気のある暮らしをしたことがないからであろう。

もし、今の日本人がブータンで暮らしても絶対に幸福とは思えないだろう。

だから、私はそんな話を聞いても「ふーん」としか思わない。

デンマークなどの北欧の国々も幸福度も高いが、これらの国では収入の8割程度が税金なわけで、残りの2割で自由選択的な生活しているわけなのだろうが、それゆえにいくら一人当たりのGDPが高いといえど、自由選択的消費生活そのものはかなり質素なものにならざるを得ないと想像できる。

しかし、その質素な生活や高い税率に不満を抱いていないから幸福度が高いということになるのであろう。

また、海外に行った日本人の多くが日本がいかに便利で人に悪意のないすばらしい国かであるかを痛感するというのも事実であるわけだから、僕が嫌いなカレル・ヴァン・ウォルフレンあたりが言うように日本が人を不幸にするシステムを持つ国とは到底思えない。

 

幸福度というのは主観や比較対象によって大きく左右されるものなのだろうが、幸福度の高い国に共通するポイントも感じとれる。

個人的には、「仕事ごときに忙殺されずに余暇を楽しむ」「物欲や消費を楽しまず、質素を楽しむ」「福祉を含め、長期的な経済的安定を確保する」というあたりが幸福度の高い社会を形成する上で重要なのだと思う。

関係ないけど、満員電車はおろか通勤電車にすら乗らない生活が長く続いてしまうと、「満員電車に乗る生活や通勤時間が長い生活なんてなんて不幸な生活なんだ」と思ってしまうほどにスポイルされた自分がいたりもする。

 

これまた前々回の12月31日に限界集落は見捨てろ的な論調の文を書いたが、バランスを欠くので少し加筆させていただく。

利便性や効率より何をおいても地縁や故郷を思う気持ちを大切にしている人が日本の山村に多いであろうことも事実で、効率では図れない大切なものを持つ人の気持ちも尊重しなくてはならないとはもちろん思っている。

ただ、支えるために多くの税金を投下することに疑問を感じるというだけの話である。

彼らがこれまでそれだけ多くの税金を払ってきたかというとほとんど例外なく否ということになるのであろうから…。