K-1は70kg級を「人類最激戦区」として売り出しているが、搾って70kgになる人間っていうのは俺みたいな体格の人間で、こんな階級を「人類最激戦区」とは言わない。
白人や黒人を入れても大半は俺よりは小柄である。
その点、60kg級というのは間違いなく最激戦区であるといえ、国内の層も70キロ級より断然厚い。
平均身長が約178センチの70kg級より、約170センチの60kg級のほうが層が厚いのはあたりまえでしょ…。
そんな階級の最強トーナメントなんだからK-1の冠がつかなくても観に行くのはキック好きにとっては当然の話なのだ。
でも、なんでK-1が60kg級をやらないかというと、魔裟斗選手のような実力とカリスマ性を備えたキャラがいないというのが理由の一つで、もう一つの理由は世界トーナメントをやろうものなら8人中6人はタイ人にしないといけなくなるからだと思う。
そもそも、日本人より小柄なタイ人で70kg前後の人なんてほとんどおらず、逆にこれぐらいになると白人や黒人が入ってくるから70kgというのはバランスがいいのであろう。
ブアカーオ選手だって最初に優勝したトーナメントの数ヵ月前には61kgのライト級で普通に試合をしていたのだから、ブアカーオ選手が今もどれだけハンデを背負っているかわかろうものだ。
実際、60kgのタイ人は70kgの日本人や欧米人と互角にやれるほどに強いのだ。
相撲取りは800人なのにムエタイ戦士は10万人いるのだから当然といえば当然だ。
ボクシング軽量級でタイ人のチャンプは多いけど、これもみんなムエタイ崩れだ。
だから、日本人はタイ人がいない階級で「世界最強」を決めるしかないのだ。
…で、60kg級トーナメントだが、動きはめちゃめちゃ速いし、テクニックもすごいし、オーソドックスな戦い方では見切られるということなのか、みんなやたらと変則的かつ個性的な選手が多くて70kg級の試合よりもテレビ映えすると思うのだがテレビ局などはまず動かんだろうね…。
特に決勝の大月晴朗選手と山本真弘選手の試合はキック界垂涎のカードだったと思う。
優勝した山本選手は賞金の500万円を受け取っていたが、全日本キックずいぶんと奮発したものだ。
でも、平日だったせいなのか、代々木第2体育館の4,000人の会場に空席が目立ったのは残念であった。
あと、強いて言えばNJKFの桜井洋平選手と新日本キックの石井宏樹選手がトーナメントに参加していないのは残念だったということもある。
帰りは友人のD氏と別れ、じゃんがらラーメンでぼんしゃんラーメンを食べ、夜の原宿・千駄ヶ谷界隈を散策した。
オサレなカフェや雑貨屋を外から見て国立競技場駅まで歩いて回るだけで幸せな気分に浸れる自分はある意味安上がりな人間だと思った。
ところで、オサレなカフェに入れない理由は、ラーメンを食べたから、夜遅いから、一人だから、意気地がないからという理由によるものである。