GOODDAYS 東京仙人生活

ひっそりと静かに生きる47歳仙人のつぶやき

日原鍾乳洞とオイラの携帯

今日は東京の果ての果てにある日原鍾乳洞へ行った。

 

本当は海に行く予定だったのだが、ウチの彼女が「水着着たらヤバかったから絶対に行かない」などと一昨日になっていきなり言い出した。

ヤツのためにわざわざ海に連れて行ってやろうと思っていたのにこんなことを言われたものだから海へ行くのは中止して、海ではなく山、しかも暑いところではなく涼しいところに行こうということにして日原鍾乳洞に行くことにした。

 

関東では最大の鍾乳洞である日原鍾乳洞へは学生の頃の8年ぐらい前に行ったことがあるのだが、なかなか良かった記憶があったので「そろそろ行ってみたいな~」と思っていたところだった。

私の家の前から阿佐ヶ谷駅までバスで行き、そこから奥多摩駅までJRに乗り、そこからバスに揺られて30分も行き、そこから2キロ歩いたところあるのでこれがとんでもなく遠い箇所にある…。

島嶼部を除いてだが、まさしく東京の果てと呼ぶにふさわしい場所にあるといって良いだろう。

 

地下宮殿?

 

 

 

 

 

 

 

日原鍾乳洞には「水琴窟」というものが設置されている箇所があって、水がしたたると、ほんのかすかながらも幻想的で美しいオルゴールのような音を奏でるようになっているのだが、これは本当に心の洗濯になるような美しい音だった。

また、「地下宮殿」とでも言いたくなるような一角があって、そこから上に向かってずっと階段が続いているのだが、この光景はなかなか壮観であった。

また、夏なのに洞内は摂氏11度だったので嘘みたいに涼しかった。

なお、冬には暖かく感じるらしい。

 

川遊び

 

 

 

 

 

 

 

鍾乳洞を出た後は、目の前を流れる小川で遊ぶことができたので、夏の海だけでなく夏の川をも十分に満喫することができた。

しかし、その後にある悲劇が起きることとなった…。

 

鍾乳洞の前の食堂で川魚定食などの食事をとって、2kmほど歩いてバス停に戻って、バスに乗って奥多摩駅に向かって走り始めたのだが、しばらくして私の携帯電話がないことに気づいた。

 

既にバスは3kmぐらい走っていたのでどうするか悩んだが、瞬間的にさまざまな考えを張り巡らせてバスを降りることを選んだ。

ウチの彼女には「先に帰っててくれ!俺は取りに戻って最終のバスで帰る!」と言ってバスを降りた。

結局、奥多摩駅で待っていたが…。

 

下りたところから鍾乳洞までが約5km以上、鍾乳洞からバス停へは2km、次の最終バスの発車時刻まで1時間30分という状況だった。

もちろん、「ロスタイムを入れても、1時間30分で7キロちょいなら全然いける」と思ったから下りたのだがしんどいといえばしんどかった。

 

①走って取りに戻って食堂に携帯がある場合
→1時間30分のロスだけで済む。

 

②走って取りに戻って食堂に携帯がない場合
→店が閉まっている可能性は高いことも考えられる。また、無かった場合、1時間30分のロスを生むうえ、最悪の結果となるが悔いは残らない。

 

③そのままバスで帰って食堂に携帯があった場合(その1)
→親切にも着払いで送ってくれれば最高にラッキー。

 

④そのままバスで帰って食堂に携帯があった場合(その2)
→「ここまで取りに来い」と言われたら、携帯はあってラッキーだが、手間は最もかかって超ブルー。

 

⑤そのままバスで帰って食堂に携帯がなかった場合
→少なくとも「あの時取りに戻ればあったかも…」という悔いを残す。

 

上記がこの時に瞬時に浮かんだ行動と結果の相関パターンなのだが、私はバスに乗っているわずかな間に、③→①→④→⑤→②の順にラッキーだが、③→①→②→④→⑤の順で悔いが残るであろうと判断したのでバスを降りて取りに戻ることにした。

 

かくして、1キロ以上あるトンネルの中も走り、5km以上も走って戻ったのに店は閉まっていたので愕然とした。

しかし、念のため、鍾乳洞の受付に聞きに言ったら、受付の方が店のカギを持っていて、親切にも店を開けてくれた。

そして店を探してみたが携帯電話は見つからなかった。

結局、上の②となったわけである。

結果的には最悪だったが、「後悔度」的には3番目ということになった…。

 

デイトレーダーとしてさまざまな失敗をするうちに、瞬時に重要な判断を大胆に決めることの訓練を積み、前職の時にあらゆる事態を想定し尽くしてベストの道を選ぶことの重要性を学んだわけだが、今回はその両方を生かすことはできたと思っている。

「③だったら最高だが、④や⑤は避けたいから、少なくとも①か②になるようにしておこう」という考えの手順はデイトレードのおかげでとっさに思い浮かんだのだと思うし、①~⑤を瞬時に考えついたのはサラリーマン生活の実地で学んだリスクマネジメントのおかげだと思う。

 

結果的には最悪の事態である②となったわけだが、落ち着いて対処できた自分の姿勢には満足しているし、三浦綾子著「塩狩峠」の主人公である「長野さんが電車を止めるために身を投げ打つ判断を一瞬で下したことを考えると比べるべくもないほど些細なことだ…」と思って自分を納得させることにした。

また、私は神の存在などは一切信じないのだが、「たぶん、日頃の行いが悪かったのだろう…」と反省することにした。

 

しかし、たまたまこの一帯が携帯電話の通話圏外だったこともあって、電源は切ってあり、電源を入れても暗証番号がなければ操作できない状態にしてあるのだが、このことは私の携帯の消息をわかりにくいものにしている原因になるものの、「知り合いの個人情報を守れるので幸いということになるのかな?」とは思った。

 

ところで、私の性格上、携帯電話番号のバックアップをとっていないはずがないわけで、もちろんそれはとってはいた。

しかし、こんなときに限って「そろそろ更新しとこ…」と思っていた矢先で、前回の更新から1年弱の間が開いてしまっていて、120人分ぐらいは残っていたのだが、ここ1年で知り合った、比較的会う頻度の高い層のデータに限ってバックアップがないということになってしまった。

 

まあ、「向こうから連絡をくれないような関係は清算してしまえ…」という気もしなくはないし、最近知り合った人とは頻繁にやり取りするのでそのうち連絡をくれるだろうと思うのだが、どうなんだろ?

 

まあ、あの食堂で携帯が出てくる可能性はゼロではないから、「携帯をなくしましたので、私にメールください宣言」をするのは、なくなったことが確定して新しい携帯にチェンジしてからにしようと思う。

 

しかし、この日には、鍾乳洞以外でも特筆しておきたくなるようなすばらしい出来事もいくつかあった。

 

青梅花火大会

 

 

 

 

タイムロスのせいで見逃したと思った青梅の花火大会を青梅駅のホームで堪能でき、しかも、これまで見たことがないほど近距離で花火を見ることができたことが一つ、受付の方とバスの運転手さんがすごく親切だったことが一つ、帰りになんとなく立ち寄った荻窪の「胡同101」という店がかなり美味かったことが最後の一つである。