GOODDAYS 東京仙人生活

ひっそりと静かに生きる47歳仙人のつぶやき

旅行会社は旅の醍醐味をわかっているのか?

去年の夏、ふとしたことから近畿日本ツーリストクラブツーリズムのバスツアーに参加したのだが、それ以降、いまだに毎月毎月バス旅行の案内冊子が家に送られてきている。

 

バスツアーは団体で回るうえ、みやげ物やばかり回ってうざったいのだが、運転をせずにすむことと費用が異常に安いことが大きな利点といえるので、私はそれほどまでに嫌ではなかったのだが、二人だけでドライブを楽しみたいウチの彼女のニーズにはかなり合ってないようでしばらくは利用しそうにない。

 

しかし、それでも毎月毎月分厚い冊子が暴力的に送られてくるのだからたまらない。

そして、昨日、毎月の冊子とは別に封書が送られてきた。

 

そこには、「史上初!日本三大民踊のひとつである『郡上おどり』をクラブツーリズムで独占開催」と書かれてあった。

 

私らは昨年の夏に「郡上おどり」を見たばかりなのにこういう封書を送ってくるのもある意味ですごいが、私らが郡上八幡に着くまでに一番危惧していたのは、「ツアー客のためにわざとらしく祭を開催しているのではないか…」ということであった。

そして、この企画はその危惧をそのまま実現するというダイナミックな企画であるようだ。

 

私らが去年に郡上八幡に行った時には、意外や意外で、他に訪ねる飛騨高山・東尋坊白川郷のほうに期待していて、むしろ、郡上おどりのことは余計だと思っていたぐらいだったのだが、結果的に一番良かったのは郡上おどりだった。

 

それは、この郡上おどりが本当に地域に密着しており、街の皆さんが7~8月のほぼ毎夜、夜の一時を踊り明かして暮らしているその無形的な文化とそれが織りなす独特の風情に深く驚嘆したからである。

また、この郡上八幡という街が決してわざとらしい形ではなく、ごくごく自然に数十年昔にタイムスリップしたかのような感覚を与えてくれたことにいたく感動したからでもある。

 

それなのに、今回のクラブツーリズムのこの企画は「独占開催」などとのたまっているようだが、これでは本末転倒もはなはだしいと言わざるをえないだろう。

 

前にも、こういった格安パックを提供する旅行会社について、「旅行の醍醐味を伝える気があるのか!」という疑問を呈したことがあったが、今回のこの封書の試みのバカバカしさにはあまりに唖然としてしまったので思わずここに取り上げてしまった。

 

郡上八幡