GOODDAYS 東京仙人生活

ひっそりと静かに生きる47歳仙人のつぶやき

K-1 WORLD GP 2005 IN LAS VEGASを見ての感想

結果以前にいつも思うことがひとつある。

それは「何故、ラスベガスでK-1をやらなきゃならないのだろうか?」ということだ。

「何でもアメリカでやれば一流と認められる」という勘違いがあるのだとしたらそれは間違いであろう。

 

野球や映画の世界ならともかく、私はアメリカは格闘技においては後進国だと思っている。

格闘技への熱気、興行の進め方、ジャッジの質、客質…すべてにおいてそうである。

ついでに言わせてもらえば、最も心が折れるのが早いのもアメリカの選手である。

アメリカのプロ格闘技への情熱とマネーはボクシングにそそがれているのである。

 

また、どこの国で大会をやるにせよ、法律があるから多少はローカルな縛りがあるのだろうが、ネバタ州の場合、興行主はおろか、ルールからジャッジにいたるまですべて向こうのやり方に則ってやらなくてはならないようで、これでは真っ当なルールで試合などできないだろう。

しかも、ジャッジのレベルは毎回毎回最悪である。

あれなら私がやったほうがマシなジャッジができる。

 

格闘家をリスペクトし、格闘技を純粋に楽しみ、格闘技観戦にお金を支払うファンを世界で最も多く抱え、世界中の猛者が「日本でならば格闘技で食べられる!」と夢を持って集結する夢の格闘技超大国の日本における最大興行団体が何を媚びてアメリカごときで田舎者の流儀にならってやらにゃならんの?といつも思ってしまうのだ。

 

総合格闘技の世界においても、UFCとPRIDEが世界2大メジャーだとは言われるが、私がケーブルTVでUFCの大会進行や客の雰囲気を見る限り、どう見てもあれは場末の格闘技イベントにしか見えない。

確かに、そういった殺伐とした雰囲気の良さというものはあるのだろうが、PRIDEの放つメジャー的な雰囲気とは比べるべくもないだろう。

須藤元気選手や宇野薫選手ともあろう選手がどうしてオクタゴンにああまでして憧れるのか不思議に思ってしまう部分がある。

総合格闘技には詳しくないから私に勘違いがあるのかもしれないが、今後はともかく、今はPRIDEのほうがベターだと思う。

 

ところで、去年のラスベガス大会の目玉にすえられていた角田信朗選手と武蔵選手の試合はメインで行なわれたようだが、観客の半分は帰っていたという。

確かに、あの試合は一方的な試合だった。

しかし、まともに格闘技が好きなファンなら興味のある無しに関わらずメインぐらい見ていくだろう。

そんなふざけたギャンブルのことしか考えていないような客層しかいない場所で開催すること自体が間違っているのだ。

 

ところで、あのヘラージオホテルは有名だが、あそこに特設されている会場は定員が5,000名程度のしょぼい会場である。

そんな面を見てもラスベガスで開催する意義が今ひとつわからない。

まあ、そういうことは興行主が決めれば良いことだから私のように場外の人間がごちゃごちゃということではないのだが…。

 

ここからは、観戦した感想を述べる。

 

中迫剛選手は引退したほうがいいだろう。

相手は入門者に初日に教える注意事項が全然なっていないような構えで、しかも、おそろしく下手くそで絶対に勝てる相手だった。

こんな相手にすら手が出ないのならこれ以上やっても意味がない。

フェイントの左フックを出してローキックを入れれば確実に入っただろうし、そうでなくても、フェイントに右ストレート→左フックと2つを出してローを入れれば100%入っていただろう。

セコンドもほとほと呆れたに違いない。

技術力のある選手だったのに技術力も無くなったのだろうか…。

 

武蔵選手は完封していたが、ネバタ州の地元びいきな判定で2-1というありえない判定を下された。

「倒せなかったからダメだ…」と言うのは勘違いで、そもそも武蔵選手は倒す必要はないわけで、あれだけ完封できていたのだから、全然しょっぱくなどなかった。

あれをダメだというような人の見る目は素人レベルだといえるだろう。

 

あえて言うなら相手がサウスポーだったのだから、もうすこし右ミドルを蹴っても良かったのではないかという程度である。

それにしても、武蔵選手の左の蹴りは尋常ではないぐらいに上手すぎる。

あんなの普通の人間には絶対に避けられない。

途中までローかミドルかハイかわからない上、早いし、タイミングを見事にずらして蹴っているからである。

 

ここまで軸が不安定な選手がトーナメントを2連覇できたこと自体が個人的には不思議なのだが、確かに、レミー・ボンヤスキー選手の身体能力の高さには大したものがある。

私個人としては、マイティー・モー選手のような生来の丈夫な身体だけが武器という猪武者が大嫌いだから、モー選手に勝ってもらってはおもしろくなかったのだが、アゴをかすめるパンチ一撃でダウンをとってモー選手が勝った。

後味の悪い試合であった。

しかし、フワフワと軸が安定しないボンヤスキー選手にも反省すべきところはあるだろう。

 

それにしてもおそるべしは優勝したグラウベ・フェイトーザ選手である。

ハッキリ言ってブラジリアンハイキックを確実に避ける方法なんてわかりません。

ガードしてても後頭部にからみつくから効いてんだもん。

ロシアンフック並みにおそろしいわい。

ちなみに、私は身体が固いのでどうやってもブラジリアンハイキックは蹴れませんなあ…。

 

これはマカオ