私は、昔、キックボクシングという減量を伴うスポーツにおいて試合をしていたことや、自分がかなりの食いしん坊かつ甘い物好きで、しかもどちらかといえばガッチリとしていて太りやすい体質なので、日常生活においては結構ダイエットを意識している。
とはいえ、意識と知識ばかりで実践は超苦手なのでかなり苦労している。
最近、アメリカの話題ばかりをとりあげて申し訳ないが、またとりあげる。
ところで、アメリカ人なんてのは、太っているヤツはどこまでもブクブクと太っているが、エグゼクティブや自分のプロポーションへの意識が高い人々は、日本人とは比べ物にならないぐらいにダイエットを意識しているという。
そのこだわりのあらわれが、ウォーキングやジョギングの習慣であろうし、テレビ通販に代表されるようなトレーニング機器の隆盛であろうし、街中にあるサプリメントストアの存在でもあろう。
もちろん、アメリカが車社会でほとんど歩かないために何らかの努力をしないと運動量が限りなく少なくなってしまうことや、治安が悪く夜間はおいそれと外に出られないうえ個々の家が広いことや、高カロリーな食事が多くて太りやすいことや、店で出される食事の量が半端な量ではないことなどもその理由として挙げられよう…。
昔、アメリカドラマの「アリー my Love」を観ていた時に、ドラマ上で誰かが「クッキー食べても平気そう…」というセリフを口走っていたのだが、ドラマの中でこのようなセリフがさらっと出てきても視聴者がそのニュアンスを理解できるという事実ひとつを取ってみても、アメリカ人がいかにダイエットを意識しているかがわかろうかというものである。
日本のドラマではまずこんなセリフは出てこないであろう…。
これについての解釈を述べるのは野暮だが、「クッキーという食べ物は、ついつい多く食べ過ぎてしまいがちな食べ物である」「しかもクッキー1枚当たりのカロリーがものすごく高い」「そのために、いつの間にか高カロリーを摂取してしまいがちで、非常に肥満に結びつきやすい食べ物である」といった社会的コンセンサスがないとその意味を全視聴者が理解できないわけだが、日本人の何割がこのセリフを聞いて言わんとするニュアンスを理解できるであろうか…。
そんな感じだから、日本人のダイエットに関する認識は間違いだらけなことが多い。
「サウナに行ったらやせる」「汗を出すために厚着をしたら良い」「やせるためにはまず運動をすれば良い」「運動したからちょっとぐらいは食べても大丈夫」などといった間違った認識が平気でまかり通っている。
言うまでもなく、人は汗をいくら出してもやせる量はたかがしれているし、食べる量を減らさない限りは、ちょっとやそっとの運動ではやせるはずがない。
炭水化物の摂取を減らしたり、摂取カロリーを減らしたり、低GI値な食べ物を摂取したり、咀嚼回数を増やし食事時間を増やしたり、1度あたりの食事量を減らして食事回数を増やしたりするといった食事療法を組み合わせて行うのがダイエットの基本であり、運動はあくまで筋肉量を減らさないという目的で行われるべきなはずである。
また、酢やにがりやガルシニアやギムネマなどを飲むことによって多少の相乗効果は得られるのかもしれないが、これらを摂るだけで他の生活態度が変わらなかったらやせるはずがないのに、この種の食品を摂取してやせる気になっている人もこれまた多い…。
しかしながら、日本社会はアメリカ社会のようにはダイエットに関する社会的コンセンサスがないように思うのだが、それは以下のような現実にあらわれているような気がする。
- ローファット食品があまり流通していない。
- ファストフード店にダイエットコーラを置いていないことがある。
- そもそもコンビニなどでノンカロリードリンクの扱いが少ない。
- コーヒーショップでノンファットのカプチーノなどがない。
- 「豆腐を素材に使っている」とか言って大してカロリーが低くなかったりすることが多い。
- 吸収しない油を使ったポテトチップスがいつまでも販売されない。
認可されてないからなのだろうが…。 - いまだにメニューにカロリーが記載されていないことが多い。
このような部分が改善されれば、もっとダイエットを意識しながら生活できるのになぁ~とついつい思ってしまう。
それと、あまり求められていないのだろうが、低カロリーを売りにした製品って売れないのかすぐになくなることが多い。
また、現在の日本では、女性はどんどんスリムになっているのに対し、男性はどんどん太っていっているという。
女性はダイエットをする必要がない人まで必死に努力してダイエットを心がけている場合が多いというのに、それに対して、でっぷりと太った男性が何も考えずにバカバカ食べたり飲んだりしている場合が多いという構図を想像すると何となく腹立たしくなる。
そのくせに、そういう男性に限って自分のことを棚に上げて女性の容姿談義が大好きだったりする場合を多く見受ける。
なので、ダイエットへの意識は国の差より、性別による差のほうが断然に大きいような気もする。