今年さんざん世間を賑わしているプロ野球関連の動きだが、「オリックス・近鉄合併→もう1チーム合併→10チームによる1リーグ制」という流れでナベツネ氏こと渡辺恒雄氏とパ・リーグのオーナー側が推し進めようとしていたのが、選手会や世論の流れを受けて、「オリックス・近鉄合併→ライブドアか楽天の新規参入→交流戦つきの12チームによる2リーグ制」という流れに落ち着きつつある。
ところで、私は、今回の騒動が起きたときに、へそ曲がりな性格なこともあって、このように思っていた。
- 「プロ野球は公共財」と言うのならば、行政が金を出資するか、ファンが株などに出資して金を出すのが原則であって、そうではないのならある程度はオーナーや親会社の意向で決めても文句は言えないのではないか?
- プロスポーツはビジネスであり、採算が取れないものをとれるようにリストラすることはそんなに悪いことなのか?
- セ・リーグのオーナーは自分達のことしか考えていなくて狭量すぎはしないか、少しは、赤字でチームを維持するという「慈善事業」を続けるパ・リーグのオーナーの身になっていいんじゃないか?
- 今季になって一度も球場に足を運んでいない人は、あまりモノを言う資格がないんじゃないか?
私も今季に限っては行っていないが…。 - 確かに、私もナベツネ氏の尊大な態度は好きではないが、大新聞やテレビまでもが庶民と同じレベルでナベツネ氏を徹底的に悪役&強者に仕立て上げて、彼が言うことは、弱者である選手や庶民にとって、強権的で間違っているというようなレッテルを貼るのはいかがなものか?
なお、ナベツネ氏は野球そのものには詳しくないが、プロ野球規定等についてはものすごく勉強している。
しかし、世間のほとんどは私のようには思っていなかったようで、ナベツネ氏の「たかが選手」という言葉に目くじらを立てて過敏に反応したり、何故か世論の多くは2リーグを明確に支持したりしたようであった。
とにかく、この問題で、多くの日本人の情緒に私は理解ができなかったのである。
私がプロ野球がプロスポーツとして盛り上がりながらも採算がとれるようになるためにベストだと思う方法は、Jリーグのようにチーム数が多いのは愛着が持てないので良くないものの、全国の大・中都市に1つずつの球団があることや、2リーグあるのならそれが毎年シャッフルされることや、年棒にある程度キャップの効いていたり、機構が放映権を持っているというようなやり方や大リーグのウェーバー制や贅沢税制のように戦力差を生まないやり方などだが、それはおそらく無理なので、少なくとも下記のことが実現するだけでもずいぶんと盛り上がるようになるのではないかと、この問題が発生したころから思っていた。
放映権は機構が持つのがベストとはいえ、それだけは絶対に読売が譲歩しないのはわかってるので、1リーグ制・交流戦・リーグシャッフルのどれでも構わないが、放映権収入や観客増や選手の露出向上が見込める巨人戦を他の全球団にさせてあげるべきであるというものである。
ただし、日本シリーズの効果を考えると1リーグ制より交流戦を数多く行うほうがベターかと思う。
現在は在京球団が多いが、英断を下した日本ハムや九州で気を吐くダイエーのように、できるだけ多くの地方にその地方を盛り上げる球団があるように異動なり新設なりをしたほうが良いのではないだろうか。
しかし、ナベツネ氏の辞任やライブドアの動きや選手のストを始めとするイザコザがある間に、だんだんと落としどころが決まってきた間があるが、上記の中の交流戦と地方に球団が増えるという2つはどうやら実現しそうで、これだけでもずいぶんと面白くなると思う。
私は、オリックスと近鉄を応援せずに阪神ばかりを応援する関西の野球ファンをパ・リーグびいきとしてとても気に食わなかったのだが、人気のないこれらの球団は合併してしまってちょうど良かったのではないかと思う。
あの2球団のガラガラの席を見るたびに本当にそう思う。
さらに欲を言えば、ロッテやヤクルトや横浜や西武あたりの球団には、新潟(人口70万弱)や静岡(人口70万強)や愛媛(人口50万弱)あたりの地方にでも行ってもらって、その地方を盛り上げて欲しいのだが、そう簡単にはいかないだろうと思う。