これまでオリンピックをここまで真面目に観たことはなかったが、「今回ばかりは楽しんでやる!」と思って観まくったので、期間中は本当に東京オリンピック漬けの生活だった。
朝から晩までずっと観戦していた気がする。
さすがに疲れも出てきていたが、実際にオリンピックが終わるとやはりさびしい。
今回はテレビだけでなく、gorin.jpでもタブを複数広げて観られたのでとてもありがたかった。
観ていて特に楽しかったのは、卓球混合ダブルスのドイツ戦と中国戦、柔道全般、野球全般、ソフトボール決勝、サッカーのフランス戦、女子バスケットボールの準決勝と決勝、スポーツクライミング男女決勝、男子20キロメートル競歩、男女マラソンなどだが、気になる種目ほど同時にやっていたりしたのには参った。
また、とても興味深くてずっと見入ってしまったのは男女自転車ロードレースだった。
競技が終わった選手のコメントとしては、バドミントンの桃田賢斗選手と奥原希望選手が負けた時、および、陸上男子400メートルリレー決勝失格時の特に桐生祥秀選手のコメントにはしびれた。
負けてしまったり、失格になってしまってその無念ぶりを察するに余りある選手のコメントにしては「いくらなんでも人間性ができすぎだろ!」と思わずにはいられなかった。
いくら事前から心を整える訓練をしてきていたとはいえ、常人にはあそこまでの人間性は発揮できないように思う。
俺の場合、生まれ変わっても絶対無理。
競技として「これはナシだろ!」と思ったのは空手の形。
ガチで相手を倒しにいく打撃格闘技経験者としては、テコンドーと空手の組手のつまらなさにも閉口するが、これは競技として成り立っているから許せる。
でも、空手の形だけはどうしてもオリンピック競技としては認める気になれない。
そもそも、採点に関して難しさを感じるので採点競技はあまり好きではないのだが、それでも体操・飛び込み・アーティスティックスイミング・サーフィン・スケートボード・BMXバイクなどの演技には十二分な超人性を感じさせられる。
しかし、空手の形に関しては、その尋常ではない汗の量と速さとキレからして大変さとすごさは十分にうかがえるのだけど、「エアギターだとか顔芸選手権に近くないですか?」「どうしてトーナメントの個別対決形式でやる必要があるんすか?」と思わざるを得ないのだ。
おそらくは俺の空手に対する理解が甘いのだろうと思うが、どうしてもそう思ってしまったのである。
なお、正道会館や極真会館のようにガチで戦う実戦空手のことはとてもリスペクトしているし、形の達人は実戦でも相当強いだろうことは推測に難くない。
次は開会式と閉会式について。
元々俺は日本人のうち1億分の1以下のちっぽけな存在でしかないし、新型コロナ禍で日本人のことがすっかり嫌になっているし、愛国心などというものは可能な限り捨て去っているつもりだが、どうしても他国からの東京オリンピックの評判を気にしてしまうし、数えること自体がクソ極まりないと思っているのに国別メダル数に注目してしまったりする。
新型コロナ禍による延期・無観客開催・緊急事態宣言といった制限および人事でたびたび事件があったため、開会式についてあれこれケチつけるのはフェアではないかなと思っていたのだが、昨夜の閉会式を観て超絶ガッカリした。そのせいで開会式を観て押し殺していたガッカリ感までもが蘇ってしまった。
納税者・有権者としてでしか国を代表する立場ではないのだが、あの開会式と閉会式は日本人として恥ずかしくなるのに十二分な内容だったという感想を持った。
電通なのかどうか知らんが、あれを全体プロデュースした連中の仕事ぶりは国辱ものだったと思う。
ダンサーなど一人一人のスタッフには責任はないが、統括していた連中はちょっと許し難い。
観る者が楽しんだり感動したりできるものをどうして素直に提供できないのか、長い歴史と極めて独自性の高い文化と豊富なサブカルチャーを誇っていて、国ごとの独自性を出しにくい欧州諸国やイスラム諸国だとか、ブラジルやオーストラリアのような歴史が浅い国と違って極めて有利なバックボーンを持つ国なのになんであの内容なんですか?と問い詰めたくなる。
特に最悪だったのは全体を通した流れが全くなく、バラバラの学芸会的発表になったことである。
多額の資金とリソースと犠牲が必要なのにも関わらず、立候補してまでオリンピックを開催する目的のひとつに自国を世界にアピールするという目的がないはずがない。
その目的を達成するうえでオリンピックの開会式と閉会式の重要性と期待が軽いはずがない。
しかし、あれをプロデュースした連中はどこかでそれを軽く思っていたのではないかと思えてしまう。
でなければあんな恥辱レベルの演出にはならなかったはずだ。
多くの人が「あれよりは自分が全体プロデュースしたほうがマシ」と思うに違いないような酷い閉会式だった。
閉会式がクソだったのも許せんが、NHKへの怒りも相当なものだった。
健常者用を総合、障害者用をEテレで放映していて、何故か途中から総合だけをサブチャンネルで画質を下げて放送するなんて気でも狂っているのではないかと思った。
「後で見返すかも…」と思って予約しておいた録画も途中で切れていた。
無観客開催で映像でしか楽しめないコンテンツに対してこの仕打ちは視聴者への裏切り以外の何物でもないだろう。
あと、NHKがどんなに重要なシーンであってもニュース速報を出したり、水を差すかのように台風情報をL字表示したりするのは無粋にもほどがあるので本当に止めるべきだと思う。
止める気がないのであれば、4Kだとか8Kだとかで必要以上に画質を追求するのを一切止めるべきだし、テレビ放送自体を放棄してすべてのコンテンツをインターネットのオンデマンドにするべきであろう。
少なくとも、受信料をぼったくって金満経営をするのを止めて国営放送になって行うべきことであろう。
公共放送ならどんな無粋も許されるということはあり得ない。
中国について。
今後も中国は国威発揚のためにメダル数を追い求め続けるだろうが、女子レスリングや女子ボクシングのように極端に競技人口が少ない競技では中国が本腰を入れるのではなかろうかと思われ、今後、中国の草刈り場となっていく気がする。
そして、北京オリンピックの開会式と閉会式では日本との差をこれでもかと見せつけてくるだろう。
ドローンだけでも何倍の数が飛ぶか見ものである。
あと、新型コロナ禍で話題が限られているなか、SNS等で選手が発する一次情報の存在感が大きかったように感じた。
選手たちがバンバン宣伝をしたこともあり、これから晴海フラッグの人気は相当出るだろうなと思った。
8月5日の空。やたらと美しい
8月6日。選手村の近くの医院で1回目のワクチン接種。副反応は腕の痛み以外一切なし。炎天下のなかボランティアの方々がたくさんいたので撮影
同じく8月6日の空。雲から斜光が出てる
8月7日の空
オリンピック閉会式の直前の空
築地の五輪バス基地の今朝の様子。オリンピックは昨夜で終了だが、もうしばらくは輸送も大忙しだろう
2日間のマラソン観戦のせいで生活リズムが崩れ、朝7時過ぎの銀座4丁目付近を自転車で流す
日比谷公園の五輪マーク
こちらは6月末のものだが、時の移ろいを感じる
今日の夕方。強風で雲の流れがとても速い
そして、大潮の満潮と台風による高潮と南からの強風の要素が重なって隅田川テラスが水没している