マスコミは毎日大々的に日ごとの新規感染者数を報道しているが、現時点での入院・療養者総数の報道は積極的に行われていない。
しかし、重症者数に関しては現時点での累計数のほうが報じられ、増減についてはあまり触れられていない。
重症者数と病床数の関係が重要だとはいえ、この報じ方の違いはいつも疑問に思う。
今日、新型コロナでの国内での死者が5,000人を超えたと報じられた。
しかし、平均すると日本全体で年に約138万人、1日に3,780人ぐらいの方が亡くなっており、かつ、新型コロナによる死者数は多くても1日に100人未満で、全体からすると2%以下とあまりに少ない。
2%以下の死者にばかり焦点を当てて、残りの98%以上の死者への関心があまりに薄いのが今日の日本社会で、さらに日本における2020年の死亡者数は例年より1万人以上減っているのだが、このことについてもほとんど話題にされない。
人の致死率は100%で、人はいつかは必ず死ぬのに新型コロナで死ぬことだけはどれだけ犠牲を払おうと絶対に許さないと発奮し、他の98%の死者数について一切触れないのはあまりに変だろうと思う。
しかも、平均寿命と新型コロナでの死亡者の年齢差は5歳以下で、かつ、新型コロナの死亡者のほとんどは基礎疾患を抱えている「病人」なのである。
また、誰しも自分の地元の感染者数に最も注目しているはずで、他所のことはある意味どうでも良いはずなのだが、報道では何故か日本全体の感染者数よりも東京都内の感染者数にばかり焦点を当てている気がする。
東京都の数値は絶対数が多く、インパクトがあるからそうしているのではなかろうかといぶかしく思う。
マスコミが東京の地場産業であること、俺が東京都民であることを勘案しても報道が偏り過ぎだと思う。
朝日新聞などが非科学的な反ワクチンキャンペーンを繰り広げたために、子宮頸がんワクチンの接種率が低い日本において年間に約3,000人の女性が死亡しているのだが、不謹慎を覚悟で言うけど、新型コロナで亡くなった平均寿命マイナス5歳の方々5,000人の命より、子宮頸がんで亡くなった3,000人の若い女性の命のほうが惜しいと思う。
それは失われた平均余命の総和が圧倒的に多いからである。
ワクチンを打たないことで3,000人の命が失われていること自体がとてつもないリスクなのにそのリスクは許容し、ワクチン接種による副反応のほうだけを社会問題化してミスリードをするのがマスコミという人種のエグいところである。
新型コロナ禍を早期に終わらせる唯一の方法は多数のワクチン接種なのだが、この期の及んで毎日新聞などは「新型コロナワクチン、6割超『受けたくない』女子高生100人にアンケート」と報じるありさまである。
さすがに恥ずかしすぎて削除したそうだが、反ワクチン運動をする人は「ワクチンに反対します。ワクチンは打ちません。遠い先に集団免疫ができるまで今の生活が続くことを覚悟しているし、人類はそう覚悟すべきです」と述べて反対を表明するべきだし、接種の拒否を推奨するべきであろう。
子宮頸がんワクチンの副反応の件だけでなく、ドラスティックな一例をあたかも全体でそうであるかのようにあてはめる風潮は危険である。
先日、新型コロナに感染して、「自分のせいで周りに迷惑をかけてしまい申し訳ない」「学校でコロナを広めてしまった可能性がある。娘の居場所がなくなるかも」と残して自殺した女性がいた。
死んでしまうことのほうがはるかに"迷惑”なのにそういうことがわからないほどにご本人が追い詰められてしまったことに対してものすごく悲しく思うが、他にそのような例が多発しているという話があるわけではないので、このような事件が一例あったとだけ捉える必要があり、勝手に全体にあてはめると変なバイアスを生む。
ただ、今後このような痛ましい事件を再発させないように、社会全体が学ばねばならないことはとてつもなく多いと思う。
1月22日の夕空。PM2.5多め