GOODDAYS 東京仙人生活

ひっそりと静かに生きる47歳仙人のつぶやき

価値観が変わりゆく日々

43年間生きてきて、特にインパクトが強かった出来事をいくつか挙げる場合、漸進的な変化としてはインターネット革命と携帯電話の普及と中国の大膨張を挙げるが、突発的なトピックとしては、冷戦終結およびバブル崩壊東日本大震災を挙げる。

そして、今回の新型コロナウイルスによるパンデミックはそれらに並ぶか、もしかしたらそれ以上のインパクトを世界と日本に与えていると思うし、誰もがそう思っているものと思う。

パンデミックがこれから新興国や途上国において本格的に広がっていくことによってさらに大きなネガティブインパクトが世界に及ぼされるかもしれないし、そもそもいつになったら収束するんだ?と思うと本当に気が重くなる。

そして、俺だけが気が重いのではなく世界中の人の気が重くなっていると思うとさらに気が重くなる。

 

現在起きていることは後になって多くの人から総括・整理されるだろうが、数十万人~数百万人の命と医療を人質に取って世界の経済活動を止める疫病の恐ろしさ世界全体が同時にストップする危機グローバリゼーションの脆さ、自国民および外国民に対する国家の薄情さ、それでいながら最後はどこまでも国家であるという事実、政治決断のとてつもない難しさととてつもない判断ミスといったことは、現在起きていることとして真っ先に列挙できることである。

過去8回の俺のブログに証拠が残っている通り、俺も新型コロナウイルスを当初は舐めていたが、俺は何の権力もない市民にすぎないため、認識が間違っていたとしても誰のことも不幸にせずに済んでいる。

 

政治のとてつもない決断ミスというのはもちろん中国共産党の初期の隠蔽欧米諸国が招いたオーバーシュートである。

政治は結果責任が重要だが、前者はプロセスと結果の双方、後者は結果のミスが甚大すぎた。

もちろん、議論に上がっているBCGの影響だとか人種による耐性というような政治ではどうにもならないような側面が後でわかってくるかもしれないので断定はできないのだが、これだけ多くの人々を死なせてしまったのは該当国にとってはあまりに大きな政治的悲劇と言わざるを得ないと思う。

プロセスの部分でふらふらしている日本国は結果ではクラスター対策スタッフや医療スタッフの方々の奮闘があって今のところ持ちこたえているのだが、その結果がどう出るかは近未来に残酷なまでにはっきりと判明することになる。

本日時点でこれまで93名が亡くなったのは残念だが、他国に比べれば2桁少ないし、感染確認者数が増えていっていても、全国の重症者数を64名に抑えられているというのも他国と比べると格段に少ない。

また、感染確認者数の増加と比べて重症者数と死者数がさほど増加していないのも驚くべきことだと思うのだが、これもまた近未来に結果が明らかになる。

ドンピシャの「8時だョ!全員集合」世代としては、これまで都内で亡くなった30名、言ってしまえば46万人に1人の確率の中に志村けん氏が入っていたのが本当に残念である。

 

それにしても現実に起きている出来事が従来の価値観を次々に塗り替えていっている。

冷戦終結以降、グローバリズムこそが戦争を防ぎ、平和と経済成長と世界的な格差解消への正しい解だとされ、世界のグローバル化が進み、そのおかげで世界の貧困は30年前より格段に減った。

グローバル資本主義の正しさは北朝鮮がこれでもかと反面教師として教えてくれていた。

しかし、グローバル資本主義が進む中で、各国の国内での格差が拡大したためにトランプ政権の誕生やブレグジットのような反グローバリズムの流れが起きたのだが、新型コロナウイルスはその流れをある程度肯定せざるを得ないというところにまで推し進めることとなったと思う。

今回、人類愛を完全に抑えつけるかたちで国家のエゴが強烈に発揮されたが、今後はEUのような国を超えた連携は相当に弱まることになるだろうし、こういった事実を突きつけられてしまうと各国はグローバリゼーションと心中するわけにはいかないと考えざるを得なくなると思う。

俺は日本における農業従事者に対する過度な保護に対して、米・牛肉・オレンジ騒動以降30年来強い反感を持っていて、むしろ圧力団体としての「農民」に憎しみに近い感情を抱き続けてきたが、今回、グローバリゼーションに対する信頼が失われたことで食糧安保に対する考えを改めなくてはならないなと思った。

外国人労働者の受け入れなどについても同様である。

最近は人手不足のためかスーパーの野菜がどうしても高くなってしまっているが、生きるために必要な野菜や果物をきちんと供給してくれていることにものすごく感謝する日々である。

 

そして、国内において経済的な被害を被った方々の悲痛については前回に述べた通りである。

こういう時に国民が払う税金をどう振り分けるのか、キャバ嬢をどう救うのか?イベント業者は?飲食業経営者の営業補償は?居酒屋の従業員は?旅行業界は?外国ではでは?などと各方面でむき出しの議論が沸き起こっているが、国から貰う気がない部外者であっても納税者の一人としてあーでもないこーでもないと下世話なことをあれこれ考えてしまう日々である。

このような時にYahoo!ニュース下のヤフコメを読むことだけは、精神衛生のため、もとい、うちのご主人の「ヤフコメ読むな!」という厳命によって、ヤフコメ非表示鍵をかけて避けている。

なお、日本国憲法と戦後の反動によって、日本は他国と比べて国家の強制力が著しく縛られているということについては本ブログで何度も述べてきているのだが、こういう非常時になるとそうしたことがありありとわかるなあと実感させられている。

 

ここ1ヵ月以上、俺とテレワーク中のうちのご主人の二人でずっと家に籠って、スーパーでの買い物と飲食店でのテイクアウトと人が少ないところを散歩する以外は外に出ない日々を過ごしているが、家に籠って気持ちが内に内にいかないようにうまく発散させていきたいと思う。

 

f:id:gooddays-shumai:20200406221958j:plain近所の桜と全く稼働しておらず運河に停泊したままの屋形船