韓国における「従軍慰安婦」問題や「徴用工」問題はあと10年もすれば対象者が亡くなってしまうので、直接的な請求に関しては下火にならざるを得なくなる。
したがって、この件はひたすらその時を待つしかないといえる事例だろうと思う。
しかし、今ホットな話題となっているひきこもりの扱いの問題は時間が経てば経つほど事が大きくなってしまう問題である。
「8050問題」はあと10年経てば「9060問題」になり、親が亡くなり、親の年金も途絶える。
ひきこもりを内包する家庭がひきこもりの存在を隠したり、家庭で背負ったりせずに行政に相談するなり、社会全体がもっと早い段階でこの問題に真面目に取り組むなりしていたら少しは違った結果になったかもしれないが、もう既に時は遅い。
ひきこもりが犯罪に走る場合、社会に対して強い逆恨みの感情を抱いてか、老いて弱くなった親にあたるかということになることが多いと思うが、後者の場合は家から追い出しても暴力を使ってでも全力の内弁慶ぶりを見せて死ぬ気で抵抗をするので外的な強制力が必要となるが、さすがに行政や警察にその監視の役割を担うよう期待するのは無理があるともいえる。
しかし、家庭内暴力に対する取り締まりは家庭内にカメラの設置をしてでもすぐにしなくてはならないと思うし、防止のためのアイデアや技術は色々とあるのではないかと思う。
長期的にひきこもりに対して取り得る選択肢は、更生させるか、金銭的支援をするか、親の年金切れで野垂れ死にしても放置するかという3択となる。
更生させることができればそれにこしたことはないが、これまで出てこなかった者を引きずり出すのは並大抵の努力でできるはずがないため、この試みは極めてコストパフォーマンスの悪い試みとなるのであろうとは想像に難くない。
正直、諦めが肝心だろうと思う。
また、憲法25条で生存権を認めている以上、野垂れ死にさせるという選択肢はないし、そうしてしまうと世の中への逆恨みを増幅させてなりふり構わない手段で社会への復讐をする可能性が高まるだろうからこの選択肢を取ることはできない。
したがって、現実的には福祉と犯罪抑止といった視点から金銭的支援=生活保護での支援という解に落ち着かざるを得ないと思うが、生活保護政策にはフリーライダーを排除するのが難しいという問題が常に伴っている。
ひきこもりが生活保護受給者になり、社会全体における生活保護の受給率が上がる時代においてはどうしても受給者にあと一歩踏み込んだ不自由を受け入れてもらわざるを得なくなると思う。
そのためには「人権派」の意見をはねのけてでも、博打や酒に使えないよう用途を指定したバウチャー制を採用するなり、これから大量発生するであろう空き家を活用するなり、生活保護を食い物にする業者を排除するような支給策に切り替える必要があるように思う。
ひきこもりに生活保護を受給させれば、そのことによって彼らに一定程度の幸福が保障されるし、また、彼らが「無敵の人」になって社会に対する復讐を企てることを抑止する効果も大きいのではなかろうかと思う。
AIのシンギュラリティの実現によってベーシックインカム政策に切り替えられるのであれば生活保護は必要なくなるが、そんな話は夢物語だろう。
彼らを生活保護政策で救うのであれば制度設計変更の猶予はもうわずかしかないと思う。
それにしても犯罪の男女差には愕然とする。
世の中が女性だけになったらどれだけ平和になることかとすら思う。
【2019年7月17日追記】
「徴用工」の問題は俺が思っていたよりもずっと大きな問題で対象者も20万人以上いるようで日本政府として全く譲れない問題でした…。