ネット掲示板やTwitterをはじめとするSNS上には口汚い言葉が溢れかえっている。
確かに、口汚い言葉で罵倒してくる相手に同じレベルの言葉を返すことによって、相手の反論を封じる効果はあるように思う。
売り言葉に買い言葉になりやすいにせよ、尊大な態度を取ったり逆ギレを見せることによって相手の反論を抑止する技術を駆使する代表的な人物がトランプ大統領である。
傲慢なのでアンチも作るが、言うべきことをきちんと言うし、自信があるように見えるのでファンも作る。
堀江貴文氏や橋下徹氏も鋭い舌鋒と併せてこの技術を駆使して多くのファンの心をとらえている。
謙虚な姿勢と傲慢な姿勢のどちらにもそれぞれの利があるのだが、今の世相ではその効果の高さゆえに口汚く返したり、傲慢に対応するほうが優位な流れにあるように思う。
情報過多であるがゆえに思考速度が早く、脊髄反射的な反応の連続になりがちな時代感覚にマッチするのだと思う。
大きくは国家間から小さくは中高生のマウンティングまで、謙虚に振る舞い過ぎると見下され、傲慢に振る舞うと上に立てることは多い。
謙虚な姿勢を示すと弱弱しく見えやすいし、相手の反論や恫喝や罵倒を抑止する効果も薄い。
それでも長い目で見ると口汚い言葉を用いたり、恫喝したりせずに謙虚な姿勢を貫くことによる利が勝ると信じたい。
また、口汚い言葉や罵倒の言葉を目にしたり耳にしたりすると、それがどんなに正論であったとしても、いい気持ちにはなれない。
余談だが、社会生活ではもちろんのこと、男性が女性に接する際にも常に謙虚第一で振る舞うほうがいいというのは言うまでもない。
国と国のせめぎ合いでは決してそうとはならないのに、この場合には、謙虚さを示すことが逆に強さを示すこととなる。
そういうこともあって、戦略的に不利であっても、局地戦に弱かったとしても、常に謙虚に振る舞い、また、戦略的にせよ、感情に任せてにせよ、可能な限り口汚い言葉を発さずに生きたいと思っている。
特に、近しい人間に対してこそそうでありたいと思うが、これは後半生で追い求めていきたいテーマである。
なお、Twitterのようなストレスフルな魑魅魍魎の世界に参加する人々のメンタルのタフさには驚かざるを得ない。
もはやどんなに打たれてもストレスすら感じない剛の者も多いようにすら思うが、俺にはとても真似できないので、これまでネット掲示板に書き込みをしたこともなければ、Twitterを閲覧専用以外で活用する気にもなれないままである。