今回はリノベーション工事から7年弱経った現在の状況について、リノベーション前の状況と比較も交えながら述べる。
下の写真は現在のリビングだが、リノベーション直後から部屋の様子はほとんど変わってない。
現在のリビング
リノベーション前のキッチンは閉鎖型のキッチンで、後ろから洗面所に入れる作りだった。
リノベーション前のキッチン
給湯器の位置をウォークインクローゼットの後ろにできたデッドスペースに変更することによって通路を作り、開放感のあるキッチンとなった。
給湯器の位置を変えることで新たな通路を作った
キッチンのメーカーのショールームには相当通った。
特にトーヨーキッチンのショールームには数回出かけ、トーヨーキッチン製にかなり憧れたが、実用面での細かい部分やコスト面について考えるとなかなか採用するわけにもいかず、サンワカンパニーのキッチンで手を打とうかななどと考えていたところ、スタジオ・エコーさんが我々の求めているキッチンの造作を快く引き受けてくれたので、それに甘えることとした。
設計・工事側からすれば、どう考えても既製品を入れさせてしまったほうが手っ取り早いわけで、造作しても面倒なだけなのに、損得度外視で複雑怪奇かつ例のない造作を「自分の勉強にもなる」と言って提案してくれたスタジオ・エコーさんにはものすごく感謝している。
そんなわけで我が家のカスタムキッチンは、以前にも述べた通り、IKEAの什器とパイン集成材の天板による造作をベースに、リンナイのビルトインガスコンロと電子コンベックとパナソニックの食洗器を組み合わせるという、見た目には一体感がありながらも実際にはオリジナル性の高すぎるキッチンとなった。
食洗器はミーレとエレクトロラックスに憧れたが、価格面で圧倒的に優位かつ、大切な水回りなので日本製の安定感をとった。
電子コンベックは電子レンジとオーブンの両用途で使用できるが、俺はオーブン調理した料理が大好きなので助かっている。
現在のキッチン
水栓はドイツのグローエに憧れつつ、IKEAなども見て回ったが、最終的にはTOTOにした。
水栓は特に大切なパーツであり、不具合が起きた時のストレスも大きいので、日本製の安定感をとったというのもあるが、デザインも十分に良く、不具合も全くない。
海外旅行先のホテルでデザインの良いグローエのシャワーの調子がイマイチだった体験を何度もしてしまったことが、日本製の水回り製品を選んだ最も大きな理由となった。
多くの国を旅行をすると、日本製の水回り製品がいかに優秀かということが痛いほどわかるわけである。
ところで、その後日本のLIXILがグローエを買収したのでグローエも日本資本配下企業となっている。
なお、トイレと風呂でTOTO製品を却下して、水栓とベランダのタイルでTOTO製品を選んだのだから、選定作業はやってみないとわからないものである。
下の写真の棚はオフィス・エコーさんの提案でつけたが、バーのような明かりをつけた割に、ロイヤルコペンハーゲンのティーポットを置いたり、カリタの銅ドリップポッドを置いたりもしてまとまりがなかったりもする。
バーのような雰囲気が出るようにカラーのLEDライトを引いた。水栓横のサンゴや葉っぱは単なるお遊び
レンジフードはアリアフィーナに憧れつつも、サンワカンパニーから十分にすばらしいデザインで廉価なものが出ていたのでこちらにした。
ビルトインガスコンロは今ではデザインの良いものも出ているようなのだが、当時は下の写真のようなもので限界だった。
デザインだけならばバイキングのマッチョなコンロや、ゴツゴツした業務用っぽいステンレス鋳物ゴトクだとかステンレスの表面板に断然憧れるのであるが、掃除魔の俺にとって、ガスコンロばかりはデザインよりも何よりも掃除のしやすさが重要である。
フッ素加工されたシンプルな形のゴトクとガラス加工の表面版のものが掃除しやすいというのは自明の理で、かつ、価格も安いのでリンナイのものをセレクト。
魚焼きグリルの焼き網は何故か初期装備品にはフッ素加工がされておらず、魚がこびりついてほとほと困っていたのだが、別売り品にフッ素加工のものがあることを発見し、取り換えたところ問題は完全に解決。
今はフッ素加工の網が初期装備になっているようだが、何故に当時はそうでなかったのかは永遠のナゾ。
サンワカンパニーのレンジフードとリンナイのビルトインガスコンロ
シンクは俺もそうだったのだが、うちのご主人が「タワシを置く部分が丸くえぐれているのだけは絶対に嫌」と頑強に主張するので、えぐれていないデザインのものを探すがこれがなかなかない。
「うちらの美意識に耐えられないだけで、普通に考えればタワシ置きがあったほうが便利だもんな~」と頭を悩ませていたところ、常に頼りにしまくっているサンワカンパニーにシンプル極まりないシンクがあることを発見し、無事決定。
サンワカンパニーのシンプルなシンク。7年酷使しても劣化なし
こだわってシンプルな形のシンクにしたとはいえ、結局は食器置きと洗剤とタワシをこのように置いている
IKEAのステンレス食器棚は廉価な割に美しい
下の写真は我が家で酷使されている調理家電で、炊飯器、コーヒーメーカー、エスプレッソマシン、ソーダストリーム、トースター、ヨーグルトメーカーである。
テイストは合わせているのだが、ヨーグルトメーカーのみ白色である。
ちなみに、俺は今年になって牛乳アレルギーと自覚して以来、ヨーグルト製造は止めたが、大好物の自家製甘酒は毎日欠かさず飲んでおり、ヨーグルトメーカーは大活躍をしている。
炊飯器はデザイン家電大好きな友人のコウちゃんが7年以上前にくれたものだが、なんと、数日前にデロンギのエスプレッソマシンもくれた。
俺も憧れていたんだけど3万円ぐらいするから買ってなかったんだよね…。
うむ、エスプレッソ苦美味い!今のところ大活躍。
よりすばらしいデザイン家電が出ると全く妥協せずに買い替えてお下がりをくれるインテリアマニアのコウちゃんに大感謝である。
コウちゃんは両方とも数回しか使っていないようで、貰い手がいてくれて助かったと言ってくれたのだが、Win-Winとはまさにこのこと。
コウちゃんの家はバルミューダ空気清浄器だの壁掛け式テレビ&スピーカーだのといった猛者家電がゴロゴロしており、セレクトに一切の妥協が無い。
キッチンの下の棚は主には食器棚として使っているが、一つはゴミ箱となっている。
メタリックな調理家電。左側は冷蔵庫。炭酸水製造機のソーダストリームは家電ではないけど…やっぱりもらったデロンギがカッコいい!
造作してくれた食卓はキッチンの横なので大変に便利である。
酷使しているためか天板に貫禄が出た食卓
次は寝室について。
リノベーション前はこのように壁をこしらえて排気ダクトを隠してあった。
リノベーション前の寝室
その後、排気ダクトをむき出しにすることでリビングと同様に、コンクリート壁の高い天井高を実現するのだが、寝室なので排気ダクトを白色に塗って落ち着きを出すこととした。
現在の寝室。寝室の排気ダクトは白色に
寝室はスペース的には小部屋を2部屋取れるのだが、おそらく子供のいない人生になると思うので、このまま広く使うことになると思う。
ウンベラータとベンジャミンの鉢植えは3本とも全員10年選手で、2本のウンベラータは同じ株から途中で接ぎ木した兄弟である。
数回、大規模な剪定しているのだが、現在は150cm程度の高さである。
ちなみに「うんこちゃん」と「べんこちゃん」と名づけている。
だだっ広い寝室に突っ立っているうんこちゃん兄弟とべんこちゃん
また、下の写真の通り、ベンジャミンは一時期ウンベラータよりも場所をとるぐらいに茂りまくったのだが、現在は大胆に剪定して再び小さくなった。
べんこちゃんが激しく茂っていた数年前
下の写真はリノベーション前のトイレである。
リノベーション前のトイレ。手洗いタンクありタイプ
トイレだけは始めから「こういうトイレにしたい」というイメージが俺の中に明確にあって、それを実現した。
現代美術の美術館にあるような無機質なトイレのイメージなのだが、モルタル床を素足で踏むと冷たく感じてしまうため、モルタル風のパネルにした。
1枚ものの大きなパネルをカットして床に敷いたため、視覚的にはモルタルのように見える。
また、オフィス・エコーさんの工夫で排水部を腰壁にすることでスペースの奥行を増やし、視覚的に圧迫感を感じさせないようにした。
見た目に美しくないタワシ類は一切置かず、ティッシュを手に使い捨て手袋をはめて、もしくは素手で掃除することにしている。
現在のSATISタンクレストイレ。見た目に美しくないタワシなどは置きませぬ
ちなみに、素足で歩かない玄関の床はモルタルだが、このような仕上がりとなっている。
洗面所も同様にモルタル風のパネルを用いた。
余談だが、写真撮影時には外したものの、靴箱の下にはダンベル2つを置いている。
現在の玄関。壁の絵画は自作のもの
下の写真は北西側=隅田川沿いのベランダである。
北西側はガーデン、南東側は農園と位置づけている。
ガーデン側にはタイルを敷き詰めたが、TOTOのバーセア使用した。
タイルのカットが必要な部分はカットを行ってくれる会社に依頼してカットしてもらった。
なお、毎週の掃除の際にじょうろで水を流してタイルを洗っているので、ガーデン側は裸足でそのままベランダに出てもOKというルールにしている。
北西側といっても、夕刻にはこのように西陽が射しこんで来る
今は白と紫のアジサイが咲いている。左側のタイルのカットは業者に依頼した
下の写真の左下の水色の容器は電動水やり機で、決められた時間にここから水が各鉢に放出される。
ミニ大根だのラディッシュだの大葉だのローズマリーだのパセリだのと、うちのご主人は食料栽培に余念がない。
南東側のベランダは農園と位置づけて、農作物を栽培している
下の写真は、うちのご主人お手製の水栽培プランターで、毎年、かなりの量のミニトマトが収穫できる。
意外と多くの食料を収穫できる
赤くなっているものを採って日々食べる
見てくれはかなり悪いが味は濃い
次は洗面所。
洗面所にはカッコいい芸術性のある鏡をドンと貼りたいと願っていたのだが、あれこれ考えに考えた挙句、やはり収納力を持たせないわけにはいかない、3面鏡はあったほうが絶対に便利という実利が勝ってしまい、かなり多くの収納量があるサンワカンパニーのシンプルな3面ミラーボックスにした。
シンクもサンワカンパニーのシンプルなもの、水栓はこちらもTOTOのものを選び、キッチンと同じパイン集成材で造作してもらった。
ドラム式洗濯機は今でこそ、日本製で真四角のカッコいいデザインのものが出ているが、7年前の時点ではこれが限界だった。
なお、先述のコウちゃんの家の洗濯機はパナソニックのカッコいい真四角のCUBLEだったし、記憶によるとその前はミーレのクソ高いものを使っていたと思う…。
現在の洗面所
洗面所の下の収納は見せる派よりも隠す派のほうが多いと思うのだが、我が家では見せる収納にした。
隠すと湿気がこもる気がするのと、水栓の排水のパイプの機能的な美しさが好きなのと、隠さないほうが使いやすいのと、洗剤を全て白い容器に移し替えてブリキのバケツに入れておけば視覚的にも耐え得るだろうと判断したからである。
右下の筒型のゴミ箱はゴミ入れではなく、乾燥機にかけずに干す服を入れるための箱である。
なお、我が家のゴミ箱はキッチンにある隠れゴミ箱1つだけである。
2人家族でゴミ箱が1つ以上あることと、ゴミが視野に入ることが個人的に許せなかったためである。
道具などはむき出しに置いている。洗剤類はブリキのバケツにまとめている
下の写真は風呂である。
ショールーム巡りをして考えた結果、パナソニックのMR-Xにした。
理由は湯船の形が最もシンプルな四角形だからである。
より人型に近い丸い湯船のほうがお湯の量は少なく済むのかもしれないが、変な凸凹が嫌いな性格がこの湯船を選ばせることとなった。
他の色も考えたが、水垢のことを考えると白にするのが無難と考えて、白にした。
家の壁の全てを白で固めているので、当然、風呂のドアの枠も白にするつもりだったが、これはアクセントのために黒にしたほうがおもしろいのではないかとオフィス・エコーさんが提案し、うちのご主人もそれに乗ったので黒にした。
なお、本当はユニットバスでない風呂に対する憧れがものすごく強かったのだが、階下に住民がいることに対する水漏れリスクを考えて結局はユニットバスを採用した。
現在の風呂。四角い浴槽。ドア枠は家の中で唯一の黒色
シャンプーやクレンジングオイル等は数を絞り込み、長年同じものを使っている
今回は特に長くなったが、次回で最後となる。