COURRiER Japon 2018年3月号より
僕は「多くの人が子育てを我慢もしくは放棄すれば人類が大幅に減って万々歳じゃない?」と真面目にかつ頻繁に妄想する。
これは人類全体の視野で考えると思い浮かんでしまう妄想である。
dマガジンで抜粋版を読むことができるCOURRiER Japonは毎度毎度ぶっ飛んだ内容を特集をしており、見聞を広げることができるのだが、COURRiER Japon 2018年3月号において、人類全体ではなく個人の視点でのなかなか興味深い特集が掲載されていたので、以下に紹介していく。
自分婚って…
第1特集は「自分婚」特集である。
僕は、自分で勝手に思うだけで十分でそのことを他人に示す必要性を微塵も感じないから、「自分自身に永遠の愛を誓い、自分と結婚式を挙げる」自分婚という概念そのものをとてもバカバカしく思うのだが、どうやら自分婚を挙げようとするのは女性のみのようである。
野郎にはわからないが、自分婚は「独身女性に社会的権益を与えてくれる」という女性ならではの事情があるのだろう。
行き過ぎたフェミニズムなどと同じで欧米にありがちなこういったラディカルな動きの多くをバカバカしいとは思うが、挙げる自由はあるだろうとも思う。
そもそもボノボ論を唱える僕は結婚制度に対して大いに否定的なのに自分自身は結婚しているという自己矛盾を内包している。
第2特集は「アンチ・ダイエット時代」、第3特集は「子宮移植」と続き、第4特集は、「『反出生主義』の爆弾のような主張とは」という表題で、副題は「子供を持ってはいけない 人類など消えていいのだ!」という内容で、「親が子に負わせる死というリスク」「『生まれること』は『存在しないこと』より常に悪であり深刻な害である」という見出しが続き、文中に「どうしても子供が欲しいなら…養子をもらうことは合意的」とある。
実に興味深い内容である。
自分の先天性疾患を選ぶことができない
そして、最後の第5特集は実に強烈な内容となっている。
なお、こちらのリンク記事は有料会員以外は途中までしか表示されないようである。
「難病に侵されたわが子、3人の生命維持装置を外した『絶望の週末』」という表題で、アメリカ・ユタ州在住のとある夫妻に10人の子供がいて、その中に親から受け継いだ遺伝性の病であるバッテン病を疾患した子供が4人おり、そのうち病に苦しみ続ける上の3名を健常な家族で涙にくれながら安楽死させたというドキュメントである。
なお、この夫妻は、モルモン教徒のようである。
もしやと思って調べたのだが、モルモン教は避妊禁止・自慰禁止である。
あと1人も遠くない未来に安楽死になりそうであるが、残された6人の健常な子供もこの遺伝子疾患の因子を持ち、その多くはモルモン教を引き継ぐのだろうと思う。
子供は親を選ぶことができないという言葉があるが、子供は自分の先天性疾患を選ぶことができないということについても深く考えさせられる。
そして、世界において、極度の貧困にあえぐ地域、女性の権利が極度に制限されている地域、女性の教育レベルが極度に低い地域の家庭の多くが子だくさんであることが多い。
種の生存戦略を考えると、幼児死亡率が高いほどリスクをコントロールするために多産する必要があることはわかるが、僕はその事実にどうしてもやるせない気持ちになる。
今回はCOURRiER Japon 2018年3月号の記事の紹介に留め、次回に続きます。