毎年、正月前後は野菜の価格は高いし、農家の方も正月は休んでいただきたいところだが、今年は12月からの天候不順による影響もあり、やたらと価格が高い。
レタスもキャベツも500円なんてちょっと過去に見た記憶がない 。
数少なく並べられた200円の大根もしなしなとしていてとても小ぶりである。
さすがに手が出ないので、冷凍野菜を使ったりベランダ菜園からパートナーがサラダ菜をもいできたりして何とかしている。
僕は炭水化物の摂取量を1日に140g程度にすることを目指すロカボ生活をしているつもりなので、普段は野菜を大量に食べまくっており、その代わりに米をあまり多く食べないようにしているのだが、さすがにこのところは野菜を食べられないので米の消費量がかなり増えた。
食糧安保について論じる場合、自由貿易体制国家においてはそれほど神経質になる必要はないと個人的に思っている。
北朝鮮を見ても第二次世界対戦前の日本を見てもわかるように、最終的には石油が国家の生命線となり、どちらにせよ石油がなくては何もできない。
確かに、とある食糧の輸出国が自国民の食糧を確保するために臨時的に禁輸するというようなことはあるだろうが、常に食糧が供給過剰気味になっている現在の世界において同時多発的に食糧不足に陥ることは考えづらい。
また、食糧の輸出国にとって、食糧の輸入国の関税というのは下げてもらうようにタフに働きかけ続けるものであり、食糧は希少資源のように売り渋るという性質を持つ商品ではなく、常に買って欲しいと低姿勢でお願いする性質を持つ商品である。
また、どこの国の農民であっても国内国外問わず高く買ってくれる顧客に売りたいと思うのが当然なので、最終的には高く買うほうが食べ物にありつけると思っている。
ところで、日本の農業人口は年々少なくなっており、また、猛スピードかつ深刻な高齢化に見舞われている。
自給率を価格ベースではなくカロリーベースで算出するという世界的にも奇特な慣行を持っている日本の農業行政において、常に最優先に語られ続けてきた食物はコメであるが、野菜や果物のような日持ちしない生鮮食品こそ間断なく国内製造できるように農家や企業を補助・誘導してもらえればいいなあと思った次第である。
中国は世界中から港を賃借したり、また北海道の土地を買うように多くの国の土地を買ったりアフリカなどの莫大な農地を何十年間も賃借したりしているわけだし、日本も外国の農業企業と契約して日本企業の監督のもとで作物を育てるような世の中である。
我が家で買うニンニクは日本企業の監督の下、中国で生産されたニンニクであることが多いが、そういった食物であればある程度の信頼はできるのではないかと思って購入している。
ということで、生鮮食品は国内で、そうでないものは国外の両方で賄うというふうに農業に進出する企業が動いてくれるととてもありがたいなあと思った。
まあ僕が言うまでもなく世の中はそのように変わっていると思うのだけれども。
それにしてももやしだとかキノコのような屋内工場で育成できる農作物の安定した価格のありがたみが身にしみる今日この頃である。