GOODDAYS 東京仙人生活

ひっそりと静かに生きる47歳仙人のつぶやき

村八分ニュース、いろんな意味で恐るべし

大分県村八分のニュースが少し前に報じられたが、ニュースの受け取り手も色々な感情を抱いてしまいがちなニュースというのは、論点をある程度はっきりさせないと誤解を起こしてしまいがちなので、自分で論点を整理して考えることにした。

ニュースは2017年12月3日付朝日新聞デジタルの記事を引用し、文節ごとに俺の所感を書いた。

 

兵庫県に住んでいた元公務員の男性(68)は2009年、母親の世話などのため、家族を残して計14戸が暮らす大分県北部の集落にUターン就農した。

 

→兵庫に家族を残して母親の介護ですね。

家族は移住しなかったわけですね。

元公務員ということでお金はそれなりには残っているのでしょうな。

自治会には母親が入っていたが、11年に他界した。

 

→残念にもお母さん亡くなったのですね。

そして、それでも兵庫に戻らずにこちらに残ったということですか!

家庭事情はわかりませんが大変ですね。

男性は13年3月、国から農家に出る補助金の配布方法などを巡り、自治会の役員らと対立。

 

→農地開拓の補助金のようですが、確かに中間山地農業にはしこたま補助金が出ますわな。

事実上の生活保護のようなものですかね。

本来はこの方にも渡るべき補助金を集落の人がちゃっかり受け取り続けていたというわけですね。

それを指摘したら、気まずそうにごめんちゃいするかと思ったのに、ジャイアンばりに逆ギレされたものと理解します。

この方、元公務員で集落の人と資産差は相当あったのでしょうから厄介です。

自治会は翌4月、「男性は集落に住民票がない」として自治会から外すことを決め、市報の配布と行事の連絡をやめた。
男性は14年に住民票を移し、加入を申請したが、自治会は「必要な集落全員の賛同が得られなかった」として拒否した。

 

→逆ギレした集落側は嫌がらせに自治会から外し、市報の配布をやめ、行事の連絡もやめたのですな。

まあ、市報などあってもなくてもいいと思うし、自治会を外れたり、行事に出なくて良いというのは願ったりかなったりのような気がしますが、ご本人にはキツかったのでしょうな。

そして、この人は集落の人と違って世間一般のルールに訴えれば明らかに自分に負けのないケンカとわかっちゃっているので、ケンカを受けて立つことにしたわけですな。

今の時代に生まれた運を活かしてぎゃふんと言わせたい気持ちはわかります。

男性の申し立てを受けて調査した県弁護士会は、地域に住所をもつ個人の自治会加入を正当な理由なしに拒むことを地方自治法が禁じていることから、『排除は明らかな人権侵害』と判断。
自治会長に対し、加入を認め、行事の連絡などをするよう今年11月1日付で是正勧告し、同月6日に開いた記者会見で『明らかな村八分』と批判した。

 

→弁護士的な判断では間違いなく人権侵害と予定通りの公式お墨付きいただき!

この武器で世間に打って出れば相手はもうぎゃふんですよぎゃふん。

「一方、自治会側は「行事参加やごみ集積所の使用は拒否していない」と反論。
元会長(65)は、男性が加入拒否に絡んで自治会役員らを脅迫の疑いで刑事告訴したことを挙げ、「告訴は、地方自治法が定める加入を拒む条件の『正当な理由』にあたる」と訴える。
「そもそも『感情の問題』なのに」と話し、法律論を持ち出す県弁護士会にも不満を示す。自治会は11月12日に会合を開いたが、加入についての結論は出なかった。
「男性が入るなら、自分は抜ける」という声もあったという。

 

全ては集落の人の「そもそも『感情の問題』なのに」の言葉と認識に集約されておりますな。

「法律論を持ち出す県弁護士会にも不満」とありますが、集落の人にとっては一般社会の論理よりもおらが集落の論理が優先されるのは当然でしかないのに、それに対して弁護士だの集落の外の人などがごちゃごちゃ言ってるようだけどそんなものはどうでもいいわけです。

捕鯨に対して外国人が色々言ってきて腹が立つのと同じです。

集落の人の今の所感は「全国に広がったのはちっとばかり痛かったな~」「でも報道も武士の情けで集落名は伏せてくれているし、まあいいか」「でも、コイツへの恨みは一生忘れね~」といったところでしょう。


結局、集落で上手くやるには以下の方法しかないわけですな。

 

  • 村人となあなあで上手く立ち回る。
  • 年齢の序列や先に住んでいるほうに意思決定権があるという掟を理解する。

そして、それが無理なら以下のようにするしかないわけっす。

 

  • とっとと集落を離れるか、復讐をしてから離れる。
  • 復讐する場合は今回のように派手なケンカをして憂さを晴らす。
  • 派手なケンカをしても、またはすればするほど二度と関係が戻ることはない。

結局、覆水盆に返らずなのであります。

ところで、この件で俺の最大の疑問は何故に争いの初期に兵庫に帰らなかったかということに尽きます。

家庭の事情はわかりませんが、兵庫に帰るところはなかったんですかね。

この辺も武士の情けでぼやかされているのかもしれまへん。


しかし、こういうニュースを見て思うのは、世の中にはこういう集落と違って外からの人に温かい集落もあるだろうに、ニュースとなるのはネガティブニュースばかりで、既に大分では3件目だというし、山梨県北杜市あたりのネガティブニュースも良く聞くわけで、Uターン・Iターンする人もどうやって集落の特性を見れば良いのか悩まされるでしょうということですな。

でも、知らずに間違うよりは100万倍助かるニュースですよね。

そして、多くの限界集落が消えてなくなると危惧されるなかで、このようなネガティブニュースが放つインパクトは半端ではないともいえますわね。

この方の復讐の念は、大分のこの集落よりも移住者ウェルカムの限界集落に大きなダメージを与えたものと想像します。

 

大分にて