GOODDAYS 東京仙人生活

ひっそりと静かに生きる47歳仙人のつぶやき

K-1 WORLD MAX 2006 日本代表決定トーナメント [2006/2/4]

 
各試合ごとの感想

リザーブファイト ○白須康仁 VS ●白虎 (判定3‐0)

白虎選手はパンチがものすごく上手な選手なのだが、白須さんは距離があればローキック、距離が詰まったらガードを固めてからのラッシュで主導権を握っていた。

白虎選手はものすごく良い選手だと思っていただけに白須さんの強さにはビックリした。

 

スーパーファイトレミギウス・モリカビュチス VS ●我龍真吾 (1RKO・左飛びヒザ蹴り)

実は試合開始直後に会場にいる友人にメールを打っている間に終わった…。

だって開始8秒で終わるとは誰も思わんでしょう?

レミギウス恐るべし…。

 

1回戦 ○HAYATO VS ●安廣一哉 (判定3‐0)

1Rは安廣選手のほうがアグレッシブに攻めていたが、2R以降はHAYATO選手の右ストレートが決まりだして安廣選手圧倒する展開になった。

HAYATOさんがトーナメント初勝利できて良かった~!

 

1回戦 ○TATSUJI VS ●山本優弥 (2RTKO・右肩脱臼ドクターストップ)

まず、山本選手の動きが本人らしくなかった。

TATSUJIさんのラッシュと圧力がそれをかき消していたのだろう…。

1Rは完全にTATUJIさんのペースであった。

2Rに入って、山本選手の動きが良くなってきた頃に山本選手が脱臼してしまい試合は終了した。

なんともやりきれない試合であった…。

まあ、TATSUJIさんが勝ったからいいんだけど…。

 

1回戦 ○上山龍紀 VS ●大東旭 (判定3‐0)

ボクサー相手の場合、基本的に蹴りの間合いで戦って、間合いが近くなったらヒザ蹴りが来ないとわかるのでしゃがんでクリンチにいけば良いし、打ち場所をなくすために半身に構えればパンチをもらいにくくなるわけだが、その原則を完璧に踏襲して戦った上山選手の完全な作戦勝ちであった。

ちなみに、この構えはローキックに弱いのだがローキックは絶対に来ないわけである。

大東選手は打撃初参戦の上山選手の手の内がわからないままの試合となったのはかわいそうだった。

須藤元気選手ばりに異種格闘技戦的な内容でおもしろく一般ウケするであろう内容だったのにダイジェストしか放映されなかったのはちょっと意外だった。

 

1回戦 ○佐藤嘉洋 VS ●新田明臣 (判定3‐0)

新田さんの「8時だョ!全員集合」&ヒゲダンスのドリフを題材にした入場については前から知っていたのだが、ニコラス・ぺタスさんがいい味を出していた。

これが放映されるかどうかということを、新田さんはものすごく気にしていると思われるのだが、放映されなくて私まで無念である…。

試合内容は佐藤選手がローキック・前蹴り・ヒザ蹴り・パンチを繰り出していたのに対し、新田選手は得意のローキックとパンチで応戦したのだが、キックが得意な二人だけにすぐにクリンチ状態になってしまう。

そうなると技の多彩な佐藤選手のほうが見栄えが良いのでそのまま判定勝ちを収めることとなった。

私個人にとっては複雑な面もある試合であったが、本当にすばらしい試合だったと思う。

 

スーパーファイト ○ブアカーオ・ポー.プラムック VS ●マイク・ザンビディス (判定3‐0)

ブアカーオ選手はザンビディス選手に何もさせずに勝った気がする。

やはりパンチの間合いより蹴りの間合いのほうが遠いということと、ザンビディス選手のリーチが短いことと、ブアカーオ選手の見切りと蹴りが上手かったということが決め手だったのだろう。

特に左ミドルのスピード・タイミング・威力は圧巻だった。

まあ、オファーがある20日前まで、ザンビディス選手は年末年始から全く動いてなかったそうだから調整不足ではあったのだろう。

 

準決勝 ○TATSUJI VS ●HAYATO (判定3‐0)

2人とも知っているから、強いほうが勝てばそれで良いと思って観ていたが、TATSUJIさんがHAYATOさんと同じジムで講師を始める前の話ではあるものの、TATSUJI選手は以前に雑誌でHAYATO選手のことを「カモ」と言っていたことがあるだけに、私個人としてはどっちが勝っても胸の痛くなる一戦であることには間違いがなかった。

1回戦での消耗度は明らかにHAYATO選手のほうが上である。

…で、この試合ではショートレンジでのパンチの多彩さに勝るTATUJI選手が主導権をとり続けた。

終了間際ダウンは安廣選手選手との試合から蓄積していたローキックによるものだった。

HAYATO選手はこの敗戦がさぞかし悔しかったことだろうと思うと胸が痛くなる。

 

準決勝 ○佐藤嘉洋 VS ●上山龍紀 (1R終了後TKO・左ひざじん帯損傷ドクターストップ)

1R終了時に上山選手がヒザのじん帯を痛めてドクターストップとなった。

1回戦で痛めたということだからかわいそうではあったが、どちらにせよ佐藤選手に勝てる要素は何もなかったように思うから「これはこれでまあ…」といった感じではあった。

 

スーパーファイト魔裟斗 VS ●イアン・シャファー (判定3‐0)

魔裟斗選手にスキがないため、シャファー選手が得意のラッシュを繰り出すことができなかった。

ラッシュを出させない魔裟斗選手のオーラには脱帽したし、シャファー選手のパンチをほとんどもらわなかったことにもビックリした。

 

決勝 ○佐藤嘉洋 VS ●TATSUJI (判定3‐0)

1RはTATSUJI選手が押していたが、2R以降は完全に佐藤選手のペースになった。

左ヒザとローキックが老獪に炸裂し、TATSUJI選手は長所を引き出せずに終了。

特に左ヒザはもろに入っていてTATSUJI選手は何度か前のめりになっていた。

大本命の佐藤選手が優勝し、とうとう佐藤選手が世界に挑戦する舞台はそろった!

 

全体の感想

新田さんは私が通っていたジムの会長だし、新田さんおよび、HAYATOさん・TATUJIさん・白須さんは私が指導しているジムの講師陣だし、佐藤選手は昔から大ファンだった選手なので複雑な心境で見届けた。

とはいえ、「この日に強く、運が良い人が勝てばいい」と思って見ていたわけだが、やはり佐藤選手の牙城は崩されなかった。

佐藤選手の試合運びは「相手の長所を引き出させない」という面に真骨頂があるので、キックボクシングを本当に見る目がないと楽しめないため、一般ウケするかちょっとだけ不安だが、佐藤選手には世界大会で活躍して欲しいと心の底から思う。

TATSUJIさんはアグレッシブなスタイルと十分なテクニックと心の強さを見せつけたわけで、今大会ですばらしいアピールができたのではないかと思う。

 

バンコク市内にて