旅の概要
年末年始の航空運賃は高い。
行きはスカイネットアジア航空だったから、25,000円で帰ることができたが、東京に戻る便は、ANAかJALしかなく、運賃はなんと33,000円のバカ高料金。
私の父がJALの株主なので、株主優待券を使えば半額で乗れたところなのだが、ずっと前、株主優待券を入手した直後に、即、金券ショップ行きにして換金してしまったため、奥の手を使うことに…。
宮崎→大阪間のフェリーは19時10分発→翌日7時30分着という便利な時間帯の運行で料金は2等寝台(ザコ寝はもっと安いが寝台がオススメ)で10,500円という超スグレモノ。
大阪まで安くで行った後は好きなところをお得意の青春18切符(5日間鈍行乗り放題で11,500円)を使って周遊して戻れば、意外に安く、しかも旅を楽しみながら東京に戻ることができるのである。
それで、今回は下記のようなルートで3泊4日の旅をした。
宮崎→フェリー泊→大阪→湖西線から琵琶湖を望む→金沢泊→直江津経由→上越(新潟県南側が上越)地方の豪雪を望む→長野泊→松本→南アルプスや富士山を望む→東京
ホテルもネット予約で1人1泊3,500円程度で泊まることができるため、フェリー代+鉄道運賃+ホテル代で26,000円程度しかかからず、飛行機で帰る場合より安く行けるうえ、旅も楽しめるのでこのプランで旅をした。
そもそもこのルートを選んだのは、久々に金沢に行きたかったからである。
函館もそうだが、金沢も無性にまた行きたくなる都市のひとつである。
金沢も長野も松本も3度目だが、結構物忘れの激しい性格なので、何度でも楽しめてしまう…。
しかし、通過点の福井・富山に関しては過去に2度ずつ行っているし、わざわざ立ち寄るほどの都市ではないので今回はパスすることとした。
宮崎→大阪→金沢
フェリー
フェリーから、宮崎の景色を見送って、夜風が寒くて気持ちよかったので、調子に乗ってビールを飲んで、展望浴場に入って、サウナに入って、上がってもう1本飲んだら、船の揺れも手伝ってさすがにほんのちょっとだけ気持ち悪くなる。
これはマズイと思ったので、一旦寝て、室戸岬あたりを通過する前(0時前)に起きて、食事をとったら気分も完全に良くなる。
船酔い時にはお腹に食べ物をいれなきゃダメである。
室戸岬と満点の星空を観測した後は携帯電話がつながることに感動し、海を見ながら無駄な長電話。
大阪
大阪の南港に船が着くが、「大阪の人だっ」って感じを漂わせた人々を観察しながら電車に乗る。
2日目車中
すぐさま電車移動。
10時40分から15時過ぎまでずっと電車移動。
長らく走ってみたかった湖西線を走ることができたが、琵琶湖の幅が広がるところあたりから強めの雪が降る。
金沢の天気予報は雪なので、かなり心配に…。
車中より白山あたりを望む
金沢
金沢全般
金沢に着くと全然雪は降っておらず肩透かしを食う。
泊まった夜に雪が降って、朝に小降りになったため、翌日の兼六園オケージョンは完璧に…。
また、市内を均一料金の循環バスが走っているので、観光に便利であるが、このバスは混んでいるのが難点。
近江町市場
金沢に着いてまず向かったのが近江町市場。
親父が「近江町市場で食べた天丼が美味かった」と言っていたので、天丼を食すことに…。
しかしその店と思われる店が閉まっていたので別の店で食べる。
頭が天丼モードだったので天丼を食べたが、相方が迷わず食べていた海鮮丼は地のものが使われていてもっと美味そうだった…。
っていうか、海鮮がウリの店だったから海鮮丼のほうが美味かった。
主計町
料亭が立ち並ぶなんとも趣のある界隈で、金沢の中でもかなり好きな場所である。
ちなみに「かずえまち」と読む。
趣のある主計町
ひがし茶屋街
これまた趣のある界隈で、夕暮れ時に行ったものだから、その情緒はかなりのものでござんした。
夕暮れ時のひがし茶屋街
香林坊・竪町・片町
この界隈は金沢の繁華街である。
冬なのにこの界隈は人も多く活気もあった。
片町にあるAPAホテルに泊まる。
APAホテルの屋上の露天風呂に雪の中入るのはかなりオツだった。
部屋に備え付けている「アップルタウン」なるAPAグループ会長が刊行している雑誌を読むのも密かな楽しみだったりする。
雑誌の内容は政治のことばかりで…この人、あの奥さんよりアクが強い。
にし茶屋街
2日目はここから。
ハッキリ言って、犀川に近いにし茶屋街より、浅野川に近いひがし茶屋街のほうが趣がある。
妙立寺
金沢のハイライトは兼六園ではなく、実は妙立寺(みょうりゅうじ)とすら私は思う…。
別名忍者寺とも呼ばれるこの寺は、ありとあらゆる仕掛けとからくりが施された前田家の隠れ城で、見どころ満載。
要予約だが超オススメである。
妙立寺のある寺町界隈は、実は寺に扮した武家屋敷の一帯だとのことで、百万石の前田家がいかに、徳川幕府を警戒していたかが良くわかる一帯であるともいえる。
兼六園
数々の見事な松が見もの。
それにしても雪の兼六園は最高ですね。
いや~雪が積もっててホントに良かった…。
兼六園の見事な景色とそれゆえ感慨に浸る私
長町武家屋敷
立派に保護された町並みに金沢の奥深さを感じさせる。
武家屋敷の街並みと武者震いのあまり思わず飛び上がる私
金沢→長野→松本→東京
3日目車中
14時頃まで金沢にいて出発するが、長野に着くのは19時前。
毎回、こういう押し寿司は富山のますの寿司以外は大して美味くないとわかっていながら、笹の葉寿司を食すが、やはり大して美味くはなかった。
親不知の荒波が半端なものではなく、冬の荒れた日本海を猛烈なまでに演出。
まさしく演歌の似合う世界であった。
新潟~長野の県境あたりの豪雪地帯の豪雪ぶりも半端なものではなく、豪雪のすさまじさに驚いた。
長野
三井ガーデンホテルというグレードが高め?のホテルに泊まる。
長野は善光寺参拝のみが目的だが、長野駅~善光寺間のバス運賃は100円という良心ぶり。
こちらも雪は歩道の脇に多少積もっていたものの、降ってはおらずラッキー。
朝の善光寺も趣があったが、善光寺で食べたおやきが劇的に美味くてそっちのほうが印象に残った…。
まず、外はほんのちょっとだけパリッとしていて、中はモッチリと歯ごたえがあり、具もジュワ~っとしていて最高に美味い。
それだけでなく、比も完璧だった。
具の量が多すぎてガワが薄いというような勘違いモノではなく、あくまでガワは分厚く、具の量もガワの素朴な味を消さない程度の量に抑えられているという痒いところに手の届ききったシロモノであった。
「門前おやき」と書いた店で、その名の通り、山門をくぐって仲見世の一番手前右側という好立地にある店なのだが、一番手前にあり、他の店は150円なのに、何故か1個130円という最安値で販売されているという良心ぶりにも驚いた。
なお、松本や高速SAだと180円~200円はする。
SAでは「そばおやき」というのは不味いので食べてはならず、「縄文おやき」のほうを食べねばならない。
店の親父は無愛想でどこかぶっきらぼうかつ面倒くさげであったが、これなら許す。
いや、むしろ、その誠実な味と価格ゆえ強い好感を持つ…。
確かなモノを売っているのにどこか面倒くさそうなところがたまらないではないか…。
ちなみに、「なす」「野沢菜」「山野菜(さんやさい)」の3種を食べたが、何と一番期待せずに買った「山野菜」が一番美味かったっす。
もっと色々と食っておけば良かった…。
松本
長野から電車で1時間ちょっと行ったところに長野第2の都市・松本はある。
松本はキレイな街だという記憶があったが、やはりキレイな街だった。
天気は快晴で松本から望む安曇野方面が美しく、その辺も影響していたのかもしれない。
信州なので「弁天」という老舗のそば屋でそばを食べるが、1ヵ月ちょっと前に食べた水戸の友人の平塚君がやっている「そばまさ」のそばにはさすがに遠く及ばなかったものの、上品なつゆで美味かった。
松本城は、姫路城・彦根城・犬山城とともに現存する数少ない国宝の城。
攻められにくいよう天井が低い箇所があるとか、階段が急であるとか、昔そのままのただずまいから学べるところは多かった。
開智学校は改修工事中で閉館しており残念…。
上:松本城と橋をすばやく駆け抜ける甲冑武者に見えなくはないですか?
下:松本の街
4日目車中
14時半頃に松本を出て、新宿に着いたのは19時頃。
今回の旅路の中でも諏訪湖・八ヶ岳・南アルプス・富士山とダントツの絶景が目白押しの帰路となる。
日頃の私の行いが良いため、今回の旅の天気はすべて理想的なもの(金沢は雪がほんのり積もり、他は晴れ)となったが、最後も晴れ空できちんと締めくくることができた。
日本広しと言えども山の風光明媚さで山梨県にかなう都道府県はあるまい。
南アルプスも美しかったが(下の写真参照)、富士山はやはり別格な美しさであった。
韮崎のあたりからは富士山も南アルプスも八ヶ岳も理想的な感じで見ることができ、「韮崎って、めちゃくちゃ風光明媚じゃん」などという感慨にふける。
甲府のほうに近づけば富士山は大きく見えるだろうから写真は甲府あたりで撮ろうと思っていたのだが、邪魔としか言いようのない御坂山地があるため、甲府あたりでは富士山の先端あたりしか見えなくなってしまうようで、シャッターチャンスを失った…。
ドライブ時に見慣れているから車窓の風景などどうでも良いと思い始めたあたりにさしかかった頃にあたりは暗くなり、旅は終わりを迎えた。
車中から見る南アルプスの見事な山並み