GOODDAYS 東京仙人生活

ひっそりと静かに生きる47歳仙人のつぶやき

最近の政治考⑥ 政権が代わって最も変わるのは金融政策?

今回の選挙の最大の争点は実はこの点にあると思うのだが、個人的にこの分野は難しいというかわからないというかとにかく苦手だ。

 

初回に長期的政治課題として、「①財政赤字対策、②高齢者および社会保険負担の増加への対策、③生産人口比率の減少対策」と述べ、短期的政治課題として、国内的にはデフレ対策、国外的には円高対策と述べたが、短期的に最大の論点となるのはこの内外2つのテーマにどう折り合いをつけるかである。

この2つを解消するために高橋洋一氏らリフレ派が言い続けてきたことを、今回、自民党の安倍総裁が大胆に口にしているが、実は、この選挙の最大の選択肢たり得るポイントは、「果たして、高橋洋一氏が言ってきたことを実行に移したらどうなるのか。果たして安倍氏がそれを実行に移すのか。日銀の独立性への関与を含め、実行に移すとしたらどういったかたちで行うのか」という点に尽きると思う。

 

日本におけるデフレの主因は、①ボーダレス化による世界のフラット化、②IT化、③人口の波、④日本において高付加価値なイノベーティブな産業が育っていないこと、の4つだと俺は思うが、インフレを上手く誘導するためにインフレ目標を設定するという安倍氏の意見はマスコミや論壇で数えられないほど批判されているし、ネット論壇でも池田信夫氏や藤沢数希氏を始めとする方々から散々批判されているが、俺にはこれが効くのかどうかはやってみないとわからないように思う。

 

経済問題というのは他の学問以上に正反対のことを言う人が跋扈している世界で、円高国益のためになるという人もいれば逆の人がいて、この先の為替や株の上がる・下がるもそれがわかったら苦労せんわという世界だし、金融緩和についても、インフレターゲットについても、TPPについても、公共事業の効果についても、同命題に逆の意見が飛び交っている。

 

とはいえ、インフレを誘導することに成功しても、それによって長期金利が上がれば、やがて、国債の利払いすら税収で賄えなくなりかねないし、さすがに官がいくら締めつけようと銀行も国債で資金を運用するのを止めていくようになるので、より慎重な金利のコントロールが必要となるであろう。

また、国債発行額がこのまま増え続ければこれまで国内銀行に引き受けさせてきた国債の未達が起き、とうとう日銀が引き受けざるを得なくなり、それによって国債価格が暴落するハードランディングが起きるという論者の意見もある。

日銀や政治や経済・金融省庁としてはそうなってもらっては困るので、実はデフレ存続を望んでいるという逆説的な意見も根強いが、俺はそうとまでは思わない。

とにもかくにも、いろんな人の意見を読めば読むほど何がなんだかわからなくなるぐらいにたくさんの意見がある。

 

ところで、輸出を伸ばすために円安誘導をしたければ、ドイツがPIIGSを使って本当に上手にやっているいるし、他の国がそうしているように自国通貨を毀損させる必要がある。

そのために、日本も海外の債券や財や資源の会社などを発行した通貨で購入しまくればいいのにとは、個人ではずっと思ってきたし、このたびの安倍氏もこのような発言をしている。

 

日本は金融に関しては相当な社会主義国で、ゆうちょ銀を始めとする金融機関がこぞって国債で運用し、それなのに国民は直接国債を買わずに預貯金をするという摩訶不思議な国なので、日本政府にカネを貸しているのはほとんどが日本人ということになるわけだが、インフレになれば多くの国民はインフレ率に見合った運用をしない限り資産をかすめ取られることになる。

海外の数々のインフレ国のように日本国民がそれに気づいて、円を売って外貨や金を買うなど、銀行へ取り付け騒ぎのような状況が起きれば間違いなく超円安が訪れる。

私は資産防衛手段として、住宅ローンを固定金利で借り、預金の多くをFX口座に入れていつでも主因時に他の通貨建てで資産を持てるようにしている。

実は今は逆に円を買っていて、最近の円安のために大損をしているのだが…。

 

超円安になれば、原料高には苦しむとはいえ国内における輸出産業の国際競争力は劇的に上昇する。

そして、既に日本の購買力平価は韓国・台湾を下回り始めているから、結構悲しいことだけど、これらの国より一人当たりのGDPが低い二等国になってしまうというわけでもある。

 

日本は世界最大の債権国だが、日本がボロボロになる時には債権を売らないわけにはいかないだろうから、債務国も大きな影響を受けるので、日本発の世界的大混乱が起きる可能性は高い。

 

などなど、この分野についてだけはどうしてもきちんと理解できる頭脳を持っていないし、私は経済学部を出ているわけでもないし、かといって法学部卒なのにそちらもからっきしだし、数字にも弱く勉強不足なので、とりとめもなく、いろんなことをあーでもないこーでもないと勝手ごちゃごちゃ書いてしまったのだが、本当にわからないというのが本音で、だからこそ書くのが億劫でこのシリーズの最後になってしまったのである。

でも、この経済政策・金融政策こそが、既にほぼ勝負の見えている今回の政権選択の最大のポイントだと私は思う。