それにしても同じ選挙の議席で成り立った麻生内閣のあまりの節操のなさには腹がたってしょうがない。
高速道路料金をこうも荒っぽくいじり、休日に混雑を作っておいてどこが民営化なのか全くわからないし、日本郵政も鳩山邦夫氏や総務省が意思決定を覆すばかりで民営化した意味が全くわからなくなった。
小泉氏がやってきたことはこの半年で滅茶苦茶にされてしまったわけだが、これをやったのが郵政選挙で公認を受けて当選した議員が作った内閣なのだから言葉も出ない。
当の小泉氏にここまで滅茶苦茶にされてどう思うのか聞いてみたいぐらいである。
私は高速道路料金は無料化が望ましいと思っているし、民主党もそのように考えているが、仮に民主党が政権をとった後に無料化したら、ETC装置はすべてが無意味になるわけで、それをわかっていながらETC普及率を上げるための露骨な政策をとっているのだから自民党や役人のやることには本当に腹が立つ。
それに、休日を1,000円にするのであればETCがあろうがなかろうが料金所の収受員でも簡単に計算できるのだから、ETC搭載車のみを割引にするなんてこんなバカげた政策はない。
工業などの産業はともかく生活者にとって自動車ほど二酸化炭素を排出するものはないというのに、不要不急の車が走る休日だけ安くしてその排出を徹底的に推奨する政策を採りながらクールビズだの打ち水だの焼け石に水どころかもはやヤケクソ的なことを言う政府の矛盾にも参る。
さらに13年以上乗った車やエコ家電への買い替えには補助金を出すなどという追加経済政策を打ち出しているようだが、本当に環境のことを考えるならばずっと買い換えずに車に乗った人やいつまでも電化製品を大切に扱った人に金一封でも送りでもすればいいものを、買い替え行為そのものに対してエコの看板を掲げるとは恐れ入る。
どんなにエコ家電で省エネをしようとも、そのエコ家電を作るために使ったエネルギーと比べたら、節約できるエネルギーは焼け石に水なことはぐらい簡単に入手できる情報であるわけで、これまた何もかも言っていることが本当にヤケクソ的なのだ。
この政策は環境対策のためではなく、景気対策のためにすることぐらいはわかっているのだが、大して意味のないエコ対策を前面に出して消費に恣意性を持たすのはやめていただきたいものだ。
他にも、いくらでも悪用されそうな1度限りのバラマキをやったり、効く財政出動をするのならばともかく、大して効きもしなさそうな財政出動をガンガン行ったり、それなのに円高を放置したりもう支離滅裂ですな…。
大規模な景気対策をするのならば金融政策を交えてきちんとしたものをすべきであろう。
やぶれかぶれのイケイケ首相に対して財務大臣は緊縮派の与謝野氏だし、もうなにがなんだかわからないのだが、極めつけが鳩山邦夫氏の日本郵政に対する一連の動きであり、政治が貧困な日本にあっても、この半年ほど政策に哲学を感じなかった半年はない。
それと、私は小泉改革に賛成というわけではなかったが、ここ1~2年でそれを「行き過ぎだった」と論じる人が言っていることに賛同できたことはまずないし、その主張には悪質さを感じる。
むしろ、小泉改革が中途半端だったからここまで骨抜きにされたのだろうと思う。
ここからは余談。
少し前に、長崎の対馬で税金滞納者に対する定額給付金の差し押さえがあったらしいが、鳩山邦夫氏はこれにもケチをつけていた。
税金も払わない人に金を支給するほうがどうかしているわけで全く理解に苦しむ発言である。
税金はNHKの受信料じゃないんだから、払わない人を財産を片っ端から差し押さえなくてどうすると言いたいところである。
取りやすいところからだけ取るようでは困るのである。
鳩山邦夫氏は中央郵便局の件でも文化がどうのこうのと日本郵政に言いがかりをつけてもめていたが、こんなものよりよほど歌舞伎座のほうが残って欲しいと東京に住む多くの人間は思っているのでなかろうかと私は思う。
単なる箱モノである中央郵便局を残すことを「文化」と言うが、歌舞伎座や築地市場の存在のほうが単なる箱・ハードを超えた文化と呼ぶべきものであるように思うのだが、これらは無くなってしまうのに中央郵便局なんでどーだっていいとしか思わぬ。
歌舞伎座の前を通るたびに、昼休みに市場で飯を食うたびに思うっすよ…。
築地界隈の朝は常に国内外の観光客で賑わっているし、どうやら外の観光客の満足度も高いようだし、この存在こそ文化なんだけどね。
仕方ないにせよ、歌舞伎座と築地市場をいつも見ている人間の感傷なのかね~。
文化といえば、中央郵便局よりは月島の路地のほうが保存価値あるかもね…。
こちらも開発や老朽化から守って保護してくれるのかな~。
月島の路地