格差の中でも、最もどうにかして欲しいけど最もどうにもならなそうな気がするのは「世代格差」であろう。
1990年代は勤労世代4人で老人1人を支えていたのが、2025年には2人に1人になることが予想されているように、少子高齢化がその大きな原因といえるわけだが、それに追い討ちをかけるように国債の問題や医療の進歩による影響が現役世代におぶさってくるのだからたまらない。
簡潔に述べると、老人と勤労世代はこのような感じで不公平であるといえる。
- 今の老人は払った年金よりもらう年金のほうが多いのに我々はその逆になることはほぼ確実だから非常に不公平。
- 国の借金は増えるばかりだから税負担率がもっともっと高くなることは避けられない。
- 医療は進歩する一方なのため、皮肉なことに医療にかかる金も増えていくが、中でも終末医療にかかる医療費の増加は半端ではないわけで、その保険料の支払いは現役世代から主になされる。
病院に“遊び”に来ているバカ野老!大して悪くないなら3割ぐらいは払え!
ところで、年齢別の資産に目をやれば、高年層が圧倒的に多くの資産を持っていることは明らかで、昔ほどではなくなったにせよ、50代の人は若者に比べてべらぼうに給料をもらっているのも事実である。
そして、世の中には金持ち老人だけでなく、金食い老人もたくさんいる。
日本では、ある年齢まではなかなか生活保護を認定をしないシステムになっているため、欧米諸国ほど勤労世代の福祉依存層が多くはないのだが、生活保護を受けている人自体は相当数いるわけで、その大半は高齢者世帯だという。
今さら働けと言っても無理な層だから、そう無碍にも扱えないが、いい加減にして欲しい方々であるとはいえる。
それに対して、日本における母子家庭の就業率は他の国と比べて圧倒的に高いらしいが、こちらは本当に立派なものである。
生活保護で暮らす老人に対して、生活保護を受けることのできない無職で金がない中・若年層がホームレス生活を余儀なくされている現状からみても顕著だが、こういった面においても勤労世代が割を食っているのである。
これからの世の中は、少なくとも金を一番持っている「高年齢層=強者」に医療費を負担してもらうというようなことは必要となってくると思う。
そういう意味でちょっと前から始まった、高収入老齢者への負担増などを柱とする医療制度改訂は賛同できるものであろう…。
人間はあまりにも違う層との比較はせず、近い層との比較をするクセがあるから気づかない話だが、「同じ世代の暮らしぶりよりも、違う世代の暮らしぶりを見て怒りなさい」と言いたいところである。
世知辛いことを言うようではあるが、若者と老人の戦いに発展しないことが変であるようにすら思える。
「戦い=選挙」ということになるが、数の上で不利になってきているのにも関わらず、勤労世代の投票率の低さには目を覆うものがある。
「仕事ばっかりしていると目先にばかり目が行って、世の中に目をやらなくなるものなのかいな?」と思ってしまう。
若者が老人を切り捨ててしまう社会のほうが怖いというか荒廃した社会ということになるのだろうが、それにしてもねぇ~。
香港