日本橋の上を通る高速道路の高架を撤去するかが議論されている。
小泉首相らは日本橋周辺を「世界的名所にしたい」と言っているらしいが、この言葉に対してだけは「バカおっしゃい!」と言いたい。
「上の高架を外して周辺をちょちょいと小ギレイにした程度であんな程度の地域が世界的名所になるわけがないでしょうが…」と思う。
少なくともヨーロッパの街を歩いたことが何度もあるであろう政治家や経済人の皆さんにそれぐらいのことがわからないのかな~?
同じ橋でもヨーロッパの名物橋と日本橋とでは違いが大きすぎである。
例えば、パリ発祥の地付近にあり1606年に建立されたポン・ヌフの場合、「新橋」の意を持つこのパリ最古の橋はにはちょうど400年間にもわたる歴史があるし、周辺にはノートルダムやルーブル美術館などがあり、また、ブキニスト(露天の本屋)などもいてエスプリも十分である。
もっと古い1345年に建立されたフィレンツェのヴェッキオ橋については、そのすばらしさは言を待たない。
ちょっと新しいけど、1894年に建立されたロンドンのタワーブリッジの場合は、約40メートルの高さを持つ双塔がなす橋自体がすばらしいうえ、近隣にはロンドン塔があって風情もある。
日本の場合、日本橋も京都の三条大橋・四条大橋もまるで相手にならない。
ところで、日本橋の工事には3,000億円~5,500億円の費用がかかるということだから、「国民一人当たり3,000円ぐらいは負担しろよ!」ってことになる。
オイラの場合、「東京在住だから、まあ3,000円ぐらいならくれてやって良いかな…」と思えるけど、他の地方の人はどう思うのかな?
どう考えても3,000円はくれないわな…。
仮に「都民で負担しろ!」と言われて、一人30,000円とか言われたらそりゃ断る断る。
っていうか、3,000億円~5,500億円もあればもっとすばらしいことに使えそうなものだがいかがなものなんだろう…。
確かに、この事業には「日本橋を皮切りに日本中の景観を見直す機会になれば…」というメッセージがあるのだろうが、「費用がかかりすぎ&もう手遅れ」と言いたいところである。
いらない道路や漁港や農道や箱モノを作るかわりにそれをやってきたのならともかく「財政がこんなにヤバくなった今さら何を!」と言ってやりたくなる。
それに、私は、役人あたりが好んで使う「まちづくり」だとかそういった言葉を聴くだけで「あーやだやだ」と条件反射的に思ってしまう人間である。
アホ政治家やクソ役人にできることといえば、過大に日照権を保護して東京中を低層住宅で埋め尽くして土地効率を下げたり、ショッピングモールが郊外に出店するのを禁じたり、見晴らしが悪くなるとかいう理由で鹿児島県庁前の土地を10億円で買ったりすることぐらいだろうがね…と思ってしまうからだ。
次回に続きます…。
今さら…