GOODDAYS 東京仙人生活

ひっそりと静かに生きる47歳仙人のつぶやき

さて、郵政法案否決・解散だが…

今日は参議院で郵政法案が否決される様子をテレビで見ていた。

解散を前にこの件についての私の考えを記しておきたい。

熱がこもって長くなってしまいすみません。

 

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これまで郵政法案関連に対する私の考えは、上記で述べた通りである。

したがって、私は基本的に郵貯事業や簡易保険事業の資金運用能力に疑問を持っている立場をとっている。

 

しかし、私は、今回小泉首相が本当に解散をしてしまったことを高く評価したい。

仮に、自民党が大敗して民主党が単独で政権をとるようなことにでもなればもちろんだし、抵抗勢力を公認せずに逆に排除して対立候補を立ててさらに自民党が勝ったとしてもそれは同じである。

 

民主党に政権を奪われたとしても、国民の長期的な利益と郵便局関連票を天秤にかけて後者を取るような国賊どもを自らの立場を捨ててまで討とうとするわけだから、その姿勢を立派だと思わずにいられないわけだし、仮に、反対者を排除して選挙に臨んで、横綱相撲ともいえる内容で勝ったとしたら、本当に”自民党をぶっ壊し”て、ある程度まともな自民党として変身を遂げることになるわけだから、どちらに転んでも待っているのは喜ばしい結果なのである。

 

ただ、私が心配しているのは、民主党自民党のどちらもが過半数を奪えず、公明党や非公認議員が作った政党がキャスティングボードを握る展開になることである。

また、今回自民党が負けることによって、「やっぱり、国民は小泉改革に反対だったんだ!」というレッテルが張られることを強く恐れる。

 

「違うから…!国民は小泉首相ではなく自民党に愛想をつかしたのと、民主党に政権を担当させてみたかっただけだから…!」と言っても、亀井氏らには通じないんだろうな~。

 

これまで、私は小泉政権を支持しつつも、旧態依然とした勢力を憎むあまり、自民党に対する批判票的な意味合いで、民主党が労組とか日教組の支持を受けていたり、岡崎トミ子氏がいたりする点が大嫌いでも民主党に投票し続けてきたが、「本当に邪魔者を排除して選挙に臨んでくれるのであれば逆に自民党に投票しようかな…」という気すらしてきている。

 

まあ、外交面でも八方塞がりになってきたし、一度は二大政党の一翼である民主党に政権を担当させてみたいのでそれはないと思う。

逆に民主党にとっては千載一遇のチャンスというか漁夫の利を得るチャンスと言って良いかはわからないが、こんなチャンスはめったにないというぐらいの大チャンスが到来したことになるわけだから健闘して欲しいものである。

 

ところで、小泉改革道路公団民営化にせよ三位一体改革にせよ内容的には骨抜きなものになったりなりそうになったりしているのだが、これは、小泉首相自身は大胆な改革をしたかったのに、必死に足を引っ張ってきた勢力が居続けたことによる妥協の結果でそうなっただけの話である。

そして、郵政民営化の法案もこのような連中のせいで半ば腰砕けの内容となったし、この内容でも否決に追い込もうとするのだから、小泉首相が腹の中で「こりゃだめだ…」と思うのも無理はないと思う。

 

そして、郵政民営化に反対する亀井派を代表とする勢力が改革の足をことごとく引っ張る勢力であったことは言うまでもない…。

こいつらがいる自民党が政権を握っている限り、世の中は良くならない。

そして、小泉首相はそれがわかっているから解散に打って出たのだと私は信じたい。

だから、私は小泉首相の姿勢を評価したい。

今回の解散で反対派が落選すれば、国民は郵政法案可決以上の果実を得られるのかもしれないわけであり、そうなることに強く期待したい。

 

…というわけで、ことさらに小泉首相に文句を言うヤツには「ものごとの本質を考えてはどうよ?」と言いたい。

世の中、何でも批判さえすれば良いというものではないと思うのである。

 

ところで、最近は「法案の賛否より小泉首相の政治手法が気に食わないから反対する」などと言っている議員もいたりするらしいが、政治は結果が大切である。

 

政治は国民のためのもので、国民は成立した法案の結果によってのみ便益を受けることができる。

国会議員は国民の便益を実現することにのみエネルギーを注ぐべきであって、首相の手法に抗議をすることごときにエネルギーを注ぐべきではない。

だから、手法が気に入らなくて反対する議員はある意味において「そもそも反対」という議員よりタチが悪いともいえる。

 

また、難癖をつける政治家は、「審議が足りない」と言うが、審議回数は過去最高回数だというし、「継続審議にすべき」とも言うが、「これ以上骨抜きにしてどうする!」と思うので、彼らの言うことは全く説得力を持たない。

「小泉独裁だ!」と言う議員は、小泉首相が党や議会の意向をあまり汲まず、内閣主導で行政を行っていることに対して言っているのだろうと思われるわけだが、党主導でなく内閣主導でやるのも私は間違っていないと思う。

それに、きちんとした手続きで承認された内閣のことを独裁だとは日本国の体制に対して失礼である。

 

三権分立の理論を原理原則的に捉えれば、行政は内閣が行うものであり、議会や党が行うものではない。

むしろ、これまで自民党で行われてきた密室での寝技的な談合よりは、あまりに首尾一貫しているために「独断専決」とすら言われる小泉首相の手法のほうが余程わかりやすい。

 

そして、議会制民主主義なのだから、個々の国会議員は法案に反対票を投じる権利を持っている。

しかし、総理大臣も専権事項として解散権を持っている。

党の総裁として立候補者を公認する権利も持っている。

反対票を投じる反対派議員の行動も、解散権をちらつかせて脅す首相の行動も、両方とも一応は民主主義にかなっているといえるのである。

これを「民主主義に反する」だとか「独裁だ」と言うのは間違いであろう。

 

反対派はこの解散を「自爆テロ解散」と言う向きがあるが、それはむしろ「特定郵便局長会との心中解散」と言ったほうが良いぐらいである。

 

ところで、マスコミは「国民は郵政法案の成立の必要性を感じていない」などといった世論調査を発表するのがお好きなようだが、それはその国民が郵政改革の重要性についてわかっていないだけである。

前に、「不良債権処理より景気対策」などと矛盾したことを言っていた人が多かったが、多くの国民は所詮そういったレベルにしかなかったわけだからこれはしょうがないことだともいえる。

景気対策小泉首相が行ったような不良債権処理を着実に進めることによってなされるべきであったのであり、小渕・森両首相がやっていたようなバラ撒きによってなされるべきではなかったのである。

 

何度も言っているが、郵政改革とは郵便事業ではなく、郵貯事業と簡易保険事業の改革を行うことで、これらのお金が財政投融資の原資とならなくさせることを指すわけであり、この改革自体は避けて通れる改革ではない。

この改革が頓挫したら政府系金融機関の統廃合や三位一体改革医療制度改革などの他の改革も甚大な影響を受ける。

確かに、今回も道路公団の時と同じで骨抜きな内容にされてしまったが、反対派の言うことよりは小泉首相の言うことのほうが利がある。

 

関係ない話で、森氏が首相を最後に説得したというが、「この人のやることはいつもいつも国益と関係ない方向を向いているなあ…」とあきれてしまう。

「半径5メートル内の人望は絶大」と言われる森氏だが、「毎回毎回、自民党の内部の融和を図ろうとするだけのこの人が良くぞ一国の首相を努めたものだ…」と感心してしまう。

衆院で可決のために努力した人が路頭に迷うようなことがあったら、君はどう責任をとるんだ」などと言っても、全く国民の心に響かない。

いつまでも「継続審議にしよう」などと寝言を言う森氏より、首尾一貫した行動を貫く小泉首相の行動のほうが余程心に響く。

 

また、本筋と関係のない話になってしまうが、「世界には二院制を採用している国は多いものの、日本が採用している二院制には根本的な欠陥が存在する」とはよく言われることではあるけれども、それについては私もそう思う。

その欠陥は第二院である参議院の力が強すぎることである。

 

日本における法案の可決のシステムは、「第一院で過半数の賛成→第二院で過半数以上の賛成→法案可決」というプロセスをたどるが、参議院で否決された場合、衆議院で3分の2以上の賛成がなければその法案は廃案になるようになっている。

衆議院で3分の2の票を獲得できる法案なんてほとんどないため、自動的に衆議院参議院はほぼ対等の力を有することになるわけだが、参議院議員衆議院議員=代議士の半分程度しか人数がいないし、任期が6年で解散もないわけだから、個々の議員の力としては代議士よりも断然強大な力を持つこととなる。

 

また、今回の件で「参議院が否決したら衆議院解散になる」などというのは、代議士さん達から見ればとばっちりもいいところであるが、反対票を投じた参議院議員の身分はきちんと保証されるのである。

 

このように参議院が強大な力を持つからこそ、参議院で最も強大な力を持つ青木氏が政界でも最も強大な力を持つことになっているのである。

しかも、代議士と違ってブロック選挙区から選出される割合の高い参議院議員特定郵便局長会や建設業界団体や農業団体などの圧力団体の支援をモロに受けて当選できる場合が多いから問題は深刻である。

 

その構図は、ユダヤ人のロビー活動を受けて正しかろうとそうでなかろうと一貫して親イスラエル路線をとり続けたり、最大の圧力団体である全米ライフル協会の圧力に屈していつまでも銃規制に踏み切れないアメリカの例を鑑みるまでもなく、こういった利益団体の代表の圧力というのは社会全体のためには有益にならないことが多い。

なので、個人的な意見ではあるが、私は参議院というのは存在そのものが必要ないと思っている…。

 

さて、今回の選挙がこの国にとってどういう影響を与えるかは全国民が刮目すべきであると思う。

個人的な話としては、小泉政権というのは海外での評価がおそろしいまでに高い政権だったから、相場牽引の主役である外国人投資家の行動に影響を与えるのは必至で、「相場には色々と影響してくるのだろうな~」とは思っている。

 

ところで、小泉首相が続投する可能性は未知数だが、小泉内閣は中曽根内閣以降最も良くやった内閣だと思う。

確かに骨抜きになった法案や外交上の失策も多かったが、不良債権の処理と銀行再編によって日本景気回復への道筋をつけたこと、産業再生機構の試み、公共事業の圧縮、アメリカとの関係の強化などの功績が廃れることは絶対にないと思う。

そして、もしかしたら今回の解散の決断が最大の功績となるのかもしれないと個人的には思っているのだが、いかに…!