GOODDAYS 東京仙人生活

ひっそりと静かに生きる47歳仙人のつぶやき

ヨーロッパ的価値観について① 消費サイクルへの考え方

「もったいない」という言葉が昨今は国際会議の場で良く使われるのだそうだが、その逆を願ってひた走るのが資本主義である。

 

これは「欠品は販売機会のロスだ」という販売戦略なのだろうが、ものすごく大量の弁当や惣菜類を廃棄処理するためにバックルームへ運ぶコンビニの店員の姿を何度も目にしたことがあるし、学生時代に私がコンビニでアルバイトをしていた時もそのようにさせられていた。

家族経営の店で働いていた時はまだ完全に無駄にはしていなかったが、直営の店で働いたときはそれこそ全てを廃棄させられていた。

 

また、閉店間際になっても惣菜を山盛りにしてディスプレイする戦略をとるデパートの地下などにおける閉店後の惨状を目にしたら、見たことがないとはいえ、普通の人であれば多分に心を痛めるに違いない。

最近は回転寿司のあきんどスシローが「寿司を300メートルまわしたら廃棄する」と言って品質管理へ強い自信を寄せているようである。

 

業務用の残飯に比べれば家庭からの残飯というのはずいぶんと少ないというぐらいらしいが、私は、主に大企業が無感情かつ無神経に行ないやすいこの種のマーケティングとやらが大嫌いである。

むろん、閉店間際の安売りを始めたら普通の値段で買うのがバカバカしくなるからその辺は難しいところでもあるのだが…。

 

他にも、全てが回収されているとは思えないのに悪ノリしたかのようにバンバンと販売されるペットボトル容器に入った飲料などを見ると「これはこのサイクルが永続するという視点の下に売られているのか?」という強い疑問を抱いてしまう。

せめて、私個人が飲んだペットボトル容器や缶容器を100%リサイクルに回してもらえるよう確実に回収に出すのが精一杯である。

 

それに対して、ヨーロッパという文化圏では「モノは大切に使う」「環境に最大限の配慮をする」という価値観が深く根づいているようである。

ペットボトルの代わりに規格が統一された使い回しの瓶を用いたり、生産および消費段階における廃棄物の減量化が義務づけられたり、再資源化の促進策が積極的に行われていたり、有害廃棄物が適正に処理されているか強く監視されていたり…と社会全体が本当に多くの努力を払っており、そこからは循環型社会を実現しようとする強い意志をうかがうことができる。

 

とはいえ、一人当たりのエネルギー消費量や省エネへの取り組みに関しては日本のほうがその上をいっているというのだから誇らしくもある。

しかし、ヨーロッパ的な価値観に学ぶことは本当に多い。

 

モノを大切に長い間にわたって使う精神、長く持つ家を建てて補修しながらその家に何世代も住む精神…などは景気刺激とは真逆を行く発想だが、拡大のみを追及し続ける社会より、このようなつつましい社会のほうが望ましいに決まっている。

もしくは景気拡大と環境保護・循環型社会の形成とが共生できるような社会を目指す気概が日本人に求められていると思うのだが、急成長中の隣国の恐竜ぶり・傍若無人ぶりを見せられたらそういう気も失せてくるのかもしれない…。

 

gooddays.hatenablog.jp